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推しと異世界召喚    作者: 安寿
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K5疑問と決意

無事だとお?この状態をなんで無事で良かったとか言えるのか神経を疑う。俺たちの15THアニバーサリーライブはどうすんだよ。今の状態をどう頭と心で租借すればいいのか分からないっての。なんでそんないきなり来た世界でもう落ち着いて大御所みたいな感じで陣取ってんの?国王の腹心みたいな感じになってんじゃん。何なの一体?どゆこと?なんでそんな平然としてられるわけ?そもそも大賢者ってなんだよ。勇者ってのもなんかよくわからないし。それに聖女とやらになってるらしい成子さんは俺のファンだってのは分かってる。俺の大事なファンがこうして意識不明になってんじゃん。全然無事じゃないと思うわ。なんかムカつく。こいついつも空気読まねえ奴だったけど今回ばかりはほとほと呆れたし頭痛い。こんな奴と一緒に異世界召喚だとお?

はあ、ため息しか出ない。なんでこいつがこうして俺の隣で偉そうに且つ馴れ馴れしくしてくるのかイラっとしかしない、もはや悪夢だ。

でも確かに知らない人しかいない車もない馬車とか乗ってる文明が遅れてる感じの世界で知り合いに会えたってのはちょっとほっとするものがあった。相変わらずの空気読まない感じは本物の実近なんだなあと実感する。こうしてなんかこいつのヘラヘラした笑顔を見てイライラするといういつもの感じがもうすでに懐かしく嬉しい気がするところなんか俺はこのいきなりの異世界召喚にメンタル意外とやられているんだなあと思う。実際に死にかけの人間を見たり、怪我人だらけの野戦場なんかを目撃したりしたことなんか今までなかった。

焼けただれた肌とか顔も分からなくなった血だらけの人とか見たこともない。それを必死にやったこともない魔法を使って治療して助けた成子さんの精神の疲れやショックなんかは半端ないよなと思う。血を見ただけで気絶したり貧血で倒れる人とかもいるんだから、彼女のしたことは気丈で素晴らしい行動だと思う。まあ、今気絶して意識ないってことがいかに大変だったかを表していると思うが。

王宮の貴賓室だろうか。見たところかなり豪華な感じの部屋に通され、寝かされた成子さんの寝顔を見ながら思った。

とにかく、俺がしっかりして彼女を守らなければならないと。

だから、宮廷医務官とやらの診察にも横で待機して同席したし、おかしなことしないかとか見張っていたし、今もこうしてずっと看病というかついている。目を覚ました時に知っている顔がいたほうがいいだろうから。看護士らしき人が私が見ておりますから大丈夫ですよと声をかけてくれたし、そんな人を疑うようなこともしたくないのだが、彼女の横にいたいという自分の本能みたいなものに従っていたいという気持ちには贖えなかった。

「僕がついています。何かあったらお呼びしますから。」といった俺に「じゃあ、お願いしますね。」とにっこり笑った看護士さんに邪悪なものは一切感じなかったが。

そうして成子さんの看病という名のただベッドの横で見ているという作業をしながら、俺はこの世界に起きていること、なぜ俺が召喚されたか、俺に課された使命などを実近から聞いたのだった。

結果ぶっちゃけ俺がやらなくてはならないことは、魔王を倒すということ、魔王を倒して魔王領を人類の居住地にするといういわば侵略戦争の要となって働くということらしい。この世界の危機が居住区が消滅していてとにかく土地が減っていっているからと。

それって減っていっているってこと自体の解消をしたほうが良いのではないだろうか?という疑問がわいたのだが。その対処法はまだ見つかっていない、そもそもなぜ世界の端から消滅していっているのかもわからない。しかし、完全消滅までは千年くらいかかるから、魔王領を人族領にすればとりあえず、土地は増えるから千年の猶予ができる。その間に消滅を止める手立てを見つければいいのだ。というのがキングスマナリン王国の言い分だそうだ。

でもそれって、反対に魔王領の魔物たち率いる魔王とやらも同じ考えなんではないだろうか?そして、あの最初に見た負け戦後の全滅の様子を見る限りなんだか人類のほうに勝算はないような気がするんだが。


「そこで、勇者さまと聖女さまの出番なんじゃん。それと大賢者さま。」

にこっと笑って実近が言った。

「実近。それって。」

俺たちそれでいいのか?そんな戦いに巻き込まれて助けてやる価値がこの国にあるのだろうか。っていうかなんで俺たちなんだよ。という言葉を吐くのを遮るように

「大賢者蘭之丈様な。俺最高!」

というアホな今となっては懐かしさすら感じる本当はドームでやってたはずの決め台詞を大袈裟ないつもの身振り手振りを付けてクルっとターンまでして言い放ったのであった。

「あと、いつも言ってると思うけど、実近じゃなくてランノって呼んでよね。特に今は大賢者ランノ様って呼ばれてるんだしさ。」


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