10キングスマナリン王国宮殿
うーん、思い切り腕を伸ばして目を開けた。
天井。
なんか豪華紋様がいっぱい。
は?
ここどこだっけ?
っていうか私の部屋じゃない。よね。
どこ?っていうか、これ天蓋っていうんだっけ?物語のお姫様の部屋にあるベッド。天蓋付きベッド。めちゃくちゃ豪華なベッドで、掛かっているお布団もかわいいレースとかで装飾してある。
ベッドで寝てるけど、どこ?ここ。
えっと、
なんか頭が痛いような気もするし、ん~、
「あ、気が付いた?良かった。」
ってこの声。
へ?
なんで、なんで私のベッドの横に京也がいるの?
何?これ。どういう状況?
慌てて布団を被る。顔の上に羽毛布団を引っ張って載せる。
え?
っていうか何?
そろ~っと布団をずらして
そっと目を開けて横を覗いてみる。
ヤバい。やっぱり いる。
京也が。
なんで?意味わかんないんだけど。
ドキドキする。
ひぇあ。なんで?
私はドームライブ行って、そんで、
あれ?なんか倒れたんだっけ?
ここは救護室かなんかか。
でも演者の京也がなぜ?
なんか看病とかしてくれたとかなのか?有りえないような気がするけどなんか責任感じてとかそういう?
事故でもあってなんか落ちてきて頭打ったとかそういうやつかな。
それで主催者側とかで、?
あれ?違う?
頭が痛くて、
なんだか。
「大丈夫?なんか、気絶したから運んできて、心配だからずっと見てたんだけど。」
ずっと見ていてくれた だと?
「二日くらい経ってる。」
「このまま起きないのかと心配で、ふぁあ。安心したら俺眠くなった。」
私のベッドの布団に頭を載せる京也。
そして、またむくっと起き上がって
「具合どう?」
と訊いてくれた。
「頭が痛いです。ちょっと頭痛がします。」
「そっか。」
「あれだけのことをやれば負担がくるんだな、やっぱり。」
「あまり無理をしない方がいい。」
え?
あれだけのこと?
何言ってるんだろう。
そしていきなり衝撃的なことを言った。
「俺たち、召喚されたんだって。」
「ここは異世界らしい。」
「そう夢じゃなくて。多分現実。」
京也の手が私の額に触れた。
「熱は、」
「もう大丈夫みたいだね。少し熱出してて。きっとすごく疲れてるんだろうって。」
そして、思い出した。一連のことを。
私はドームでライブ観てて、なん白い光に包まれたと思ったら、京也がいて、
あ、そうだ、なんか死にそうな人たち助けたんだった。
全部夢かと思ったけど、
「夢じゃないし、君は聖女で俺は勇者だとさ。」
「そして僕が大賢者として召喚されましたよ。聖女ナリコ。」
部屋のドアが開いて、いきなり登場したのが、知ってる顔の人。
ヘブンズゲイトの蘭之丈くん?
「蘭之丈が大賢者なんだってさ。」
なんとなく吐き捨てるような言い方だが。
そりゃびっくりもするよね。蘭之丈くんが大賢者なんて。あまり頭良さそうなキャラでなかったような気がするし。まあ、売り出すときのキャラだからその人の本質とはかけ離れているものだったりするということは往々にして有り得るし、お笑いの人みたいに笑いを取る人ってめちゃめちゃ頭良かったりするから、頭良くなくちゃ人は笑わせられないし、泣かせるより笑わせるほうが難しかったりすると思うし、それで行くと蘭之丈くんが大賢者なのは意外というほどでもないことなのかもしれない。
そもそも私が聖女なことからして結構適当なのかもしれない。
京也が勇者なのは納得だが。どう考えても勇者はメインのヒーローだと思えるネーミングだし。アイドルグループヘブンズゲイトのセンターを京也にぴったりの称号だと思える。つい推しに対しては贔屓目に見てしまうことがあるヲタクの特性で京也が勇者ということには最初から一切の疑問も違和感も持たなかったのだが、俺は勇者ですっていう言葉がスーッと自然に入って来ていたのが今思えば不思議なんだけど、変な透明のステータスプレートが見えたりしたので疑問なく普通に納得してたんだけど。それにまあ、夢だろうだからちょっとのおかしなとことか奇想天外な事とかあってもそれはそれでいい、京也が一緒にいるシュチュエーションだってことのほうが重要でこれはいい夢だって思っていたんだから思考力ゼロだったといえる。
けど、なんで二人呼び出されたのかというのと、なんで私までというのと、ほかのメンバー二人、根本くんと、シュンくんもこの世界にいるのか?ってことがふと気になった。




