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推しと異世界召喚    作者: 安寿
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K3宮殿への移送

何とかこの騎士団らしき人たち全員の治療が終わったところで、成子さんはぶっ倒れてしまった。

良くは分からないが人を助けるということは自分の何かを犠牲にしているということなのではないだろうか。魂とか、こんなことを知りもしない初めてあった赤の他人にしてよかったのか?という疑念がまず沸いた。

それと、ゲームとかラノベとかでよくある魔力の使い過ぎによるMPの枯渇で失神ってとこかな。それならまたMPが補充されれば元気になるんだろうけど、なんかほぼ死にぞこないみたいなやつまでサラッと治してたし、死にそうな人間なんて助けたら魂が減るとかのリスクがありますとかじゃないだろうな。知らねえ奴を助けて自分の寿命が減るとか有りえない。けどわけわかんない世界なんだしそういうの有りなのかも知れない。

やめとけば?っていえばよかったのか?ってあの状況で思いつかなかったし、たとえ思いついても言えたのだろうか。というのはある。

それに助けてやったやつらやけにイケメン揃いってのも気になるし、それになんかこう、変な目で見られてる気がしてならない。

信用できるやつらかどうかとかわかんないし、もしかしたら、成子さんなんかは奴隷として売られていやらしい仕事とかさせられちゃうんじゃないだろうか。本当にどこの誰か分からないし信用していいのかどうか今の段階じゃ分からない。だってさっきいきなり会った人たちで、信用しろって言われても一応人は疑えってのが俺の信条だし、わけわからないやつらに渡せるかよ。はい、どうぞって渡した途端、スタンガンで気絶させて、女だけさらって売り飛ばすとか集団レイプするとかあるかも知れないし、異世界らしきとこにいきなり連れてこられてそんな目にあったら可哀想すぎるだろ。そもそも異世界召喚だの転生だのされて異世界のやつらがみんないい人達で良くしてもらって幸せでしたみたいになるって決まってないと思う。召喚だのするってのは人が足りないとかで奴隷として労働させようとか最悪食料として食べようとかってのがあってもおかしくないと俺は思う。世の中いい人ばかりっていうお花畑な考えは俺にはない。

つまり、目の前にいるやつをあっさり信用してはならないってことになる。

ってことはいざ危険って決まったらとっとと成子さんを連れて逃げるしかない。

ってことは、いざというときに逃げれるように俺が成子さんを離してはダメ。

そう思って抱っこしたりおんぶしたりしていたが、さすがに重い。これ担いで俺逃げ切れるのか?という疑問が浮かんだ頃、森の外に出た。

馬車が待っていてこれからは馬車で移動するらしい。

助かった。ずっと歩きかと思っていたが乗り物があるとは。でも馬車。

車っていうか、自動車はない世界なのか。益々RPGっぽい世界観だな。

そして馬車に乗った後も俺は成子さんのことは自分の膝に載せてやつらのいいようにはさせないというところを見せた。っていうか、怪しいそぶりがあったら、いつでも馬車から成子さんを抱いて飛び降りる覚悟でいた。

宮殿にお連れしますとか言ってたけど本当にどこに行くのか分からないし、その宮殿とやらも実際安全なのかとかも分からない。けどここは付いていって様子をみるしかないだろう。

自分の家とかもないし、知り合いもこの成子さんしかいないこの状況では初めてあった人間がこの騎士団だとかいう連中なんだから付いていくしか選択肢はないだろう。信用するかどうかは別として。まあ、なんだか弱っちい奴らみたいだから俺でも戦って成子さんを連れて逃げることが可能なような気はする。

どうもやけに弱っちい部隊みたいだが、ほぼ全滅に近かったし俺と成子さんが到着が少しでも遅れたら死んでたんじゃないの?この人たち。隊長とかいう人も瀕死の重傷で虫の息みたいに見えたし。成子さんが治療しなかったら百パーセント死んでただろう。

大丈夫なの?こんなんで。王国近衛騎士団とかなんとか言ってたけどなんか弱っちい奴らなんじゃ。と思ったところで、もしかして敵がものすごく強いって可能性もあるなってことに気づく。もしかしてとんでもないとこに召喚とやらをされてしまったのかもしれない。俺は背筋をヒヤッとする汗が流れるのを止めることが出来なかった。

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