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推しと異世界召喚    作者: 安寿
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26/77

R3大賢者の探知

一晩休んでからゆっくり話を聞くことにしようと言われたんだが、なんか嫌な予感がするので、取り敢えず

なんか頼みたいことがあるのではないかとこちらから訊いてみた。

すると、やはり召喚されたのは俺だけではなくて、他のメンバーも召喚されているらしいこと、そして、この場にいないということは、どこか違う場所に召喚されて到着しているのではないかと。

「勇者さまと聖女さまも召喚儀式をしたのですが、こちらに召喚成功したのが大賢者さまだけでして。」

気まずそうに口ごもる神官。自分の力量不足を気にしているのだろう。

どうもこの召喚儀式は国の命運をかけた一世一代の大仕事だったらしく、失敗=帝国の滅亡に限りなく近づく、失敗した神官は責任取って死罪のような流れの空気感なのだ。

それはあまりにもかわいそうすぎるのでは。召喚がうまくいくかは召喚する側のみならず召喚される側にも適性やタイミング、召喚に耐えられる魂を持つこと等があったような気がする。ラノベとかゲームとかなんかで学んだような読んだような記憶があってそんなことをなぜか知っているのだが。しかもぴったりと、場所と時間を合わせて時空間移動を成功させるのはかなりの技量を要するのでは?場所があっていても違う時間になってしまったりしたら勿論この場所で出会うことはないのだから。

しょぼくれた神官の顔を見ると同情してしまう。神官なんか本当は適当にお布施をもらって、神の恵みが来ましたとか嘘とかついてお祈りとかしてればいいんではないんだっけ。こんな帝国の一大事とか言われて大変だよなあ。気の毒に。大体大神官とかでなく責任のない適当に偉くて仕事が楽なポジションが一番お得なんだよね。俺みたいにアイドルグループとかいってもボケ担当でお笑いやらウケ狙うコーナーとかやったり、歌もハモリ担当でサビとか目立つとこ歌ったりしてないから、ちょっとしくってもわかりゃしないし、センターの京也みたいに人気とか気にしたりしなくていいから楽なんだよなあ。一応気にはするけどあんまり頑張らなくていいポジションが一番お得なのよ。

「それで、俺に助けを求めておられると。」

探してやりますかあ。勇者と聖女さまとやらを。

俺は目をつぶった。


:探知

:スキル探知を発動します。

コンピュータ音が話すと、いきなり目の前に座標が現れて、一点を示した。


「地図ありますか?」目を開けてから、神官に尋ねる。

おーっというようなざわめきが一同から聞こえ、期待に震えるようなどよめきがあがる。


「こちらでよろしいでしょうか。」

俺の前に地図が差し出される。


座標と見比べ、俺は1点を指した。

「何か書くものを。」

羽ペンが渡される。

「ここですね。こちらに勇者さまと聖女様がおられるはず。心配ないですよ。座標が少しずれただけで、お二人とも無事に召喚されているようです。」


俺の声にわあっと歓声があがり、大神官は明らかにほっとした顔をして今にも倒れそうだった。おそらくは首の心配をしていたんだろうな。命がないと思っていたのかも。

いいことしたな。俺。にこっと笑った俺だった。


俺の探知能力に寄り示された場所は森だったが魔物や危険生物が多く潜むらしく、勇者さまはともかく聖女さまの安否が心配されるとのことで、急遽捜索隊が出されることになった。


「近衛騎士団、隊長のユーリを呼べ。」

国王の命により、一番近くにいて一番の腕利きがいるという近衛騎士団が捜索隊として森に派遣されることになった。

「勇者さま聖女さまが森におられる。すぐにでも探しに行ってお迎えするように。」



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