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推しと異世界召喚    作者: 安寿
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S3蛇くんと一緒 シュンSIDE

洞窟を歩いているとなんと、テレビやネットで大騒ぎ大捜索中の蛇に出会った。

ここが地球ではないような気がしてるし、多分地獄だと思っていた俺は、単純に元の世界でなじみがある、別に知り合いとかではないけど知っている存在に出会ったことにちょっとほっとして、嬉しくもあった。

元々人がペットとして愛玩用に飼われていたんだから、それほど危ないものではないんだろうとなんとなく思っていたが、そいつはびっくりすることに、人と会話ができる蛇だった。

というか、念話だな。こっちは口に出して話せるが、やつは、発音して会話するということはさすがにできないらしい。蛇特有のシャーっていうよな音しか出せないのではないかと思う。というより、俺の心にストレートに入り込んでくるのだ。俺が思っていることに返答がある。全部の心を読まれているかはわからないが、口に出したことには全部返事があった。

そいつは言うにはここは地獄ではないらしい。俺もそいつも生きてはいるようだ。

なんでも、大いなる存在とやらにこの場所に移動してもらったとのこと。大いなる存在って何だよって思うがそんなことができるんだから神様かなんか、まあ神のようなものなんだろうけど。

それにしてもなんで俺までここにいるのかわからない。そいつは事情があって、逃げ出したりしたんだろうし、その場所にいては不都合だからここに移動してもらったんだろうが、俺は別にここに移動してもらう理由がない。そもそもライブ中だったんだから、いきなり消えたらまずいだろ。

まったく何が何やらわからないが、蛇のやつ弱っている様子で動きが悪い。なんか具合悪そうに見えた。あいつらって冬冬眠したりするんじゃなかったっけ。えっと、変温動物とかだった気がする。それだと、ここの気温ってやばいんじゃ。このままだと動けなくなって死んでしまうんじゃないだろうか。

俺はそいつを俺の身体で暖めてやることにした。

蛇ってなんか冷たくて、ライブで火照った身体にちょうどいい。まだ俺はライブ中の火照りが残っているみたいだったからあまり時間は経っていないようだった。


蛇はじきに眠ってしまった。疲れていたのだろう。

それにしてもこの場所が危なくないとか言えないな。

敵とかいたら、丸見えだし、俺は武器も持っていないし、出てくる奴がみんなこいつみたいに好意的な奴とも限らない。むしろ、危ない可能性の方が高い。

何かあった時のために武器になるものを探さないと。

俺はあたりを警戒しながら進み、木の棒のようなものを見つけた。コンコンと手で持って叩いてみるとそれなりに固いし、持ちやすい。いい感じの重量もある。とりあえずはこれをもって使うしかないな。

なんかもっといいものでもあればいいんだが。そんなうまい具合にはいかないか。

そんなことを考えていると、


ガサっ。

物音がした。


音がする方を見てみると、バカでかい蛙のようなものがいた。

大きさは背丈2メートルはある。どう見ても蛙なんだかデカい。


こっちを睨んでいる。

これってヤバいんじゃ。

と思った時の俺の動きは素早かった。


とりあえず横に飛んだ。

大正解だった。

さっきまで俺がいた場所に蛙の舌が伸びる。


あんなので絡めとられたら、ひと飲みで口に放り込まれてしまう。


奴は敵だ。

急所はどこだ。


一瞬で考える。目だ。目をつぶすしかない。目をつぶせば場所を把握されづらいはず。

俺は手に持った棒をやつの目に目掛けてぶち込んだ。


ギャーっつて声をあげる蛙。

ケロケロと鳴くような可愛い蛙じゃない。2メートルもある大蛙だ。

正直ちょっと気持ち悪い。が、向こうも俺を完全なる敵とみなし、攻撃の姿勢をはっきりとしてきた。

残った方の目に殺意か見えた。


やらなければやられる。


俺ほもう1個の目を目掛けて棒をぶち込む。


外した。


横に動き蛙の攻撃を避けながら、もう一方の目を狙う。


目をつぶすことができた。


蛙の悲鳴がけたたましく響いた。


俺は動きが悪くなりぐるぐる回り始めた蛙の頭にジャンプして棒を叩きつける。奴は横に倒れた。

そこで更に棒を打ち付ける。何回か棒を打ち込むと、声もなくなり、動かなくなった。


はあ。


危ないところだった。と気づいたのは、蛙が舌を振り回し、ぶつかったとみえる、洞窟の壁が溶けていたからだ。毒?溶解液?あんなのに舐められたり、舌の攻撃をくらったら、俺の身体の肉が溶けて骨が出ていただろう。骨も溶けていたかもしれない。思わず背筋が寒くなった。


がとりあえずはショボい武器だが手に入ったし、敵も倒すことができた。

良かったわあ。

ほっとすると、


:スキルを獲得しました。

 打撃スキル レベル1を獲得しました。


は?

何処からとも謎の声がした。


ああ、やっぱり地獄じゃないわ。

ゲームだわ。ゲームの世界に迷い込んだのか、

それか夢だな。


俺は地獄じゃないってことになんかちょっと良かったぜとか思い、

ほっとしたら腹が減ってきた。


今倒した大蛙を見る。


食うしかないか。


居酒屋のメニューで蛙の焼き鳥なるものを食べたこともあるし食用蛙なるものもいると聞いたこともある。食えるんじゃないかなあ。焼けば。


洞窟の中はほんのりとした明るさで俺の目も完全に慣れてきたので、ちょっと見回すと小さな枝のようなものが落ちているのがみえた。

こいつら拾ってっと、


大切な人からのプレゼントだからと、お守りにしてライブ中も持っていたライターが、あった。

本当にお守りになったなあ。ありがとうございます。と心の中で思いながら、集めた枝に火をつける。


蛙の足をむしりとって、棒に突き刺し、火であぶって焼いた。


腹が減っているから仕方がない。

蛙は淡白な味で、思ったより肉質も柔らかかった。


塩とかで味付けすればもっとうまいだろうが、食べれるだけいいか。腹が減っては戦はできないっていうしな。


蛙を解体しながら焼いて、


近くで寝ている蛇を見てみる。あいつ起きてこないけど、起きたら食うかな。あいつの分も焼いてやるか。生がいいかわからないけど。

少しだけ焼いとくか。


それに火を炊いたから少し辺りが暖かくなってきたし、あいつの体調も良くなるだろ。そしたら腹も減るよなあ。確か脱走してからちょっと日にち経ってたし、餌とか捕まえたりできたのかわからないけど。蛇だって腹減るだろうし、蛇って蛙って食べるんじゃなかったっけ。違ったかな。まあ、起きてきたら聞けばいいか。またなんか襲ってくるかもしれないから、俺がしっかりしなくちゃな。

俺はすっかり蛇の保護者のような気分になっていた。





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