表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/26

第24話 世界の最終攻撃/主人公の極限

夜の街は、静まり返っていた。

だが、俺の周囲だけは異様に重く、空気がねじれている。

――世界が、本気で妹を消しに来ている。



帰宅途中、目に映る景色がわずかに歪む。

街灯が点滅し、歩道の線が波打つ。

空気の中に、無数の小さな障壁が生まれているようだった。


「……くそ」

声にならない声が漏れる。

足が重く、腕の感覚も鈍い。

――0.02%の未来を守るための代償は、ここで限界に達しつつある。


角を曲がった瞬間、現実が一瞬凍りついた。

妹の前に、大きな障害物が、空間の歪みに浮かんでいた。

――昨日までの小さな干渉とは比べ物にならない。

これは――世界の“本気”。



反応は、身体より先に頭に届く。

「来る!」

足を踏み出すと、空間の歪みが鋭く跳ね返り、胸に痛みが走った。


手を伸ばす。

だが、腕が鉛のように重く、動きがもどかしい。

視界の端で、妹が足を止め、恐怖で固まっている。


「――行け!」

意識を最大まで集中させ、世界の干渉に逆らう。

空気の流れが微かに変わる。

倒れそうな物体は、わずかにずれ、妹の体をかすめることなく通り過ぎた。


その瞬間、胸の奥で何かが弾ける。

痛み、疲労、吐き気――代償が一気に襲う。

だが、俺は立ち上がる。

――倒れるわけにはいかない。



帰宅後、両手を机に置き、全身の震えを感じながら思う。

今日の代償は、昨日の何倍も重い。

世界は、俺たちを諦めてはいない。

それでも、守れた。


妹の寝顔を見つめる。

変わらない、柔らかい呼吸。

――これだけで、今日の戦いは価値があった。


しかし、心の奥底で知っている。

0.02%の未来を掴むには、まだ代償が足りない。

そして、世界の干渉は、ここで終わらない。


夜空に目を向ける。

闇の向こうに、世界がじっとこちらを見据えているようだった。


――限界まで削られても、俺は戦い続ける。

妹が生きている限り、立ち止まることはできない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ