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第22話 主人公の初めての反撃

深夜、部屋の明かりだけが静かに揺れていた。

机に広げたノートの上で、ペンを握る手が微かに震える。


0.02%――

希望は薄く、代償は重い。

だが、もう待っているだけでは守れない。



昼間の自転車の事故未遂。

あの瞬間、世界は妹を守らせまいと、全力で干渉してきた。

――なら、俺も干渉してみるしかない。


手を机の上に置き、深く息を吸う。

頭の中で、今日起こった事象をイメージする。

倒れそうになった自転車、妹の足元の位置、風の流れ、周囲のすべて。


「――こうなるはずだ」


意識を集中させると、奇妙な感覚が体を貫いた。

空気が僅かに重くなる。

視界の端で、壁のシワが揺れるように見える。

――世界が、俺の行動に反応している。



翌朝。

妹と登校する道で、再現されるシーン。

昨日と同じ角、同じ自転車。

だが、今回は俺の意思で微妙に歩く位置を変えた。


――その瞬間、空気がわずかに変わる。

自転車が倒れそうになったその瞬間、俺が手を差し出す前に、

微かに風の流れが変わり、妹の足元が守られた。


「……!」

胸の奥に、これまで感じたことのない熱が走る。

――俺の意志で、世界を“ずらす”ことができた。



帰宅後、妹はいつも通り笑いながら靴を脱いだ。

変わらない日常。

でも、俺の胸の奥には確かな手応えがあった。


机に座り込み、ノートを開く。

今日の成功を書き留める。

小さな成功だ。

だが、0.02%の未来に踏み込むための第一歩だ。



その夜、夢の中で、世界の声が囁く。


「君が踏み込むたび、代償は増える」


だが、今度は違う。

踏み込んだ先で、俺はほんの僅かでも、妹を守れた。

代償は恐ろしいが、0.02%の未来を生きる価値がある。


俺は手を握り締める。

――まだ、戦える。

まだ、未来を変えられる。

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