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第20話 世界の攻撃がさらに激化

夜が深まるにつれ、空気が重くなる。

窓の外の街灯の光も、いつもよりぼやけて見える。

息を吸うだけで胸が詰まり、足元が揺れる。

――世界が、全力で俺を押し戻している。



翌朝、妹と一緒に学校に向かう途中、異変はすぐに現れた。

歩道に置かれた自転車が、突然倒れる。

倒れる音が、遠くでなく、まるで俺の耳元で響いたように錯覚する。

妹が躓き、転びそうになった瞬間、咄嗟に手を伸ばす。


だが、体が重い。

腕が思うように動かず、足の感覚も鈍い。

――代償は昨日よりも確実に増している。


「お兄……!」

妹の叫びが、恐怖と困惑を混ぜて響く。


俺はそれを振り切り、手を差し伸べる。

触れた瞬間、胸の奥に鋭い痛みが走る。

全身が熱を帯び、頭の中で何かが弾けた。


――0.02%の未来を守るために、世界は全力で阻止する。

そして、俺の存在そのものを削ろうとしている。



放課後、机に向かってメモを広げる。

今日の出来事を整理し、パターンを分析する。

倒れた自転車、転びかけた瞬間のタイミング、周囲の風の流れ――

すべて、世界が介入した痕跡だ。


「踏み込みすぎると、確実に削られる」

医師の言葉が頭に蘇る。

だが、踏み込まなければ妹は死ぬ。


天秤は完全に崩れている。

希望と代償が、互いに激しくぶつかり合う。



夜、妹が寝室に入る前に、俺は小さく呟いた。

「……大丈夫だよ」

嘘でも、力強く言うしかない。

世界の修正が彼女に触れる前に、俺が盾になる。


ベッドに座り込み、手の震えを抑えながら思う。

今日の代償は、昨日以上だ。

明日はもっと激しいかもしれない。

それでも、俺は前に進むしかない。


0.02%の未来。

希望は薄く、代償は重い。

だが、守るために踏み込むしかない。


――限界まで削られても、まだ戦う。

妹が生きている限り、俺は立ち上がる。

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