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「いや、どこも変じゃないよ。本当にすごく綺麗だよ」と草子は言った。そう言ってから草子は、自分の言葉にとても驚いた。初対面の女の子に綺麗だなんて言うなんて、本当にこの女の子を口説いているみたいだと思った。

 女の子は草子の言葉を聞いて少し驚いたみたいだった。女の子はその大きな目をぱちぱちとさせた。(長いまつげがとても魅力的だった)

 それから女の子は、顔を赤くして、ちょっとだけ照れながら「どうもありがとう」と草子に言った。

「……どういたしまして」と女の子に(やっぱりちょっと照れながら)草子は言った。

 二人は、また沈黙した。

 草子は、一度、思わずその視線を女の子からそらして一瞬だけ斜め上の緑の森の風景を見たが、(女の子も、視線を地面の上に向けたようだった)それからまたすぐに、やっぱりどこか見覚えのあるその女の子の綺麗な顔を見る。

 すると女の子も、いつの間にか、じっと草子のことを見つめていた。

 二人の視線は、また自然と重なった。(そういう力が二人の間にあるかのように、引き合った)

 草子と同じ年頃に見える、中学生くらいの年齢の、小柄の、長い黒髪をした、とても美しくて、綺麗で、魅力的で、そして以前にどこかであったことがあるような気がする不思議な女の子。 

 どうしても、君の顔から目をそらすことができない。草子はまたその女の子の顔から視線を動かすことができなくなった。(もしかしたら、本当に私はこの女の子が言っている通りに、この女の子に一目惚れの恋をしているのかもしれないと草子は思った)

 草子がじっと女の子のことを見ていると、やがて女の子はにっこりと笑って、さっきと同じようにもう一度、その右手を草子に向かって差し出した。

「……えー、では、いつまでもこうしていても仕方がないので、改めまして、私から自己紹介をします。やあ、こんにちは。私の名前は夕子です。木花夕子。よろしくね。弱虫さん」

 そう言って夕子は草子を見て、にっこりと笑った。

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