第35話 魔鏡シルヴィア
調子に乗って連日投稿です。
ファンタジー&コメディタグが役に立つ時がきましたw
<第35話>
やあ、オレの名前はANDREW!
ノートはA罫よりもB罫が好きな方、アンドリューです!
B罫糸綴じにシャープペン+HBが一番好きかなぁ。
鉛筆も好きだけど、細い字の方が好きなんだよ。
つーか、鉛筆もシャーペンも、文房具は全部持って帰ってあっちの世界で複製したい。
心底そう思うぜ。
突如輝きだした『界渡りの魔鏡』。
「ねぇ、どんどん光が強くなってる気がするんだけど」
「オレもそう思うわ」
ソラと顔を見合わせる。
やべえ、あからさまに嫌な予感しかしねえ。
「むむ、異常に魔力が高まっておるな!」
「言われんでもわかっとるわ!!」
何言ってんだ、このジジイは。
鏡の表面から七色の光が迸ると、オレとソラを直撃した。
あー、絶対渡るわ。
うん、間違いないね。
気がついたら、真っ白な部屋にソラと二人で佇んでいた。
「ねぇ、トラ。どういうことか説明してくれる?」
「あー、推測になるけどいいか。オレたちはさっきの鏡の力で異世界に転移する途中だ、きっと。ただし、どんな世界に飛ばされるかはオレにも分からん」
「・・・ファンタジー」
「そう言えば何でも納得できると思うなよ!?」
まぁ、ファンタジー以外のなにものでもないわなぁ。
ソラも狼狽して騒ぎ立てないだけマシか。
つーか、普通は騒ぐ。
「意外と落ち着いてるの」
突然白い部屋に女の声がした。
「魔鏡か?」
「大正解。正確には魔鏡の精だけど」
「そうかよ。てか、鏡にも性別なんてあったんだな」
「私を作ったヤツがそう設定したのよ。『人間なんてこりごりだ。ボクには君がいれば十分だ』って・・・」
白い部屋に魔鏡の精が姿を現す。
全裸で。
ZE・N・RAで!
人間なら10歳前後だろうか。
真っ白な肌に銀色の髪、深紅の瞳とぺったんな体躯。
どう見ても怪しい幼女です、本当にありがとうございました。
コイツを作ったヤツはきっと変態という名の紳士だな。
「可愛い!」
「うん、ソラはそう言うよな、そりゃ」
「でしょう。どう見ても私は可愛いはず。なのにアイツは『やっぱり人外っ娘はもういいや。時代はケモミミだよね!』とかいって私を亜空間に放り出した。あんびりーばぼー」
どうやら創造主に捨てられたらしい。
しかも「飽きた」という理由で。
そりゃ怒るわ。つーか、怒って良し。
「あー、その、なんだ」
「何?」
「・・・ガンバ!」
いい笑顔でサムズアップしてやった。
引っぱたかれた。
なんでやねん!
「うん、トラ。空気読もうか?」
「読んだよ! 何、もしかして読み過ぎて一周回っちゃったか、オレ様!?」
「うるさーい!」
怒鳴る銀色ロリ。
逆ギレ良くない。
「とにかく、あんな店でいちゃいちゃしてアクセ選んだりとか。リア充死ね!」
「なんでお前がそんなネット用語知ってんだ!!」
「うるさーい! どっか跳んじゃえばいい」
「どっかってなんだよ、それ!」
「ちょ、そんな下らない理由で異世界転移とかどうなの、それ!?」
「下らなくない。リア充死ね。リア充死ね。大事なことなので二回言いましたー」
ふざけんな、銀色ロリめ!
せめて行き先くらいはコントロールしてやるぜ!
白い部屋が光に包まれると襲ってくる浮遊感。
その中、オレは必死で行き先を指定するために世界とのパスを維持し続けていた。
とてもとても細くて切れやすいそれを必死でつなぎ止める。
といっても、オレが知ってる世界なんて2つしかねえ。
そして、スタート地点にブーメランのようには戻れない。
残るは1つ。
「せめてあの世界へ・・・」
意識が遠のいていく。
白く、ただ白く。
気がついたら草原に寝転がっていた。
「知らない天井だ」
「どう見ても星空だけど?」
「様式美ってやつだよ」
とりあえず、バラバラに転移させられることは防げたようだ。
ちゃっかり銀色ロリも転がってるし。
「ここ、もしかして」
「よく分かったな。そうだよ、オレの元いた世界だな、多分」
感覚で分かる。
ここはオレが、大魔術師アンドリューが居た世界【ウィザリィ】だ。
この星の並びにも覚えがあるしな。
「凄いね。偶然じゃないんでしょ?」
「一応行き先くらいはコントロールしてやろうと思って頑張ったからな。まだ世界間転移の魔法は自力じゃ使えなかったから、ある意味幸運だったかもしれねえが・・・」
「が?」
「半端にしてもしょうがねえからはっきり言うぞ。一方通行なんだよ」
そう。銀色ロリの力で渡ってきただけだ。
要するに、あの世界の日本に帰るには、自力で何とかするしかねえってことだ。
「なんだ、そんなこと。分かってたわよ。でも、いつか何とかなるんでしょ?」
そう言ってソラは笑った。
何でだ?
「なんでそこで笑えるよ?」
「だって、いつかはトラが自力でやるはずだったんでしょ。すぐには無理でも帰れるなら何とかなるでしょ?」
「そりゃそうかも知れねえけど・・・」
「それに、異世界を転移する魔法があるくらいだもの。時間だって巻き戻せるんじゃないの?」
「あ?」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
それもそうか。
転移する先を空間+時間で指定すればいいのか。
難易度は跳ね上がるが、出来ない話じゃねえ。
「ソラ」
「なあに?」
「お前、天才かも知れんわ」
「知ってたわよ?」
「言ってろ」
そう言って笑い合うオレたち。
「ううん・・・。はにわ・・・」
その横からだらしない寝言が聞こえてきた。
何だよ、埴輪って・・・。
「うう・・・。ちくわ・・・」
次は竹輪かよ。
すげえ寝言だな、おい。
「起きろ」
「いたい!」
拳骨叩き込んで起こす。
マジ涙目の銀髪ロリ。
え、別に萌えないけど?
「もっと優しく起こしてぷりーづ」
「うるさい、元凶め」
「え?」
寝ぼけたように辺りをキョロキョロ見回し、視線をオレの顔に戻す。
ニヤリと笑うオレの顔を見て、引きつったような笑顔を浮かべる銀髪ロリ。
「えーと、その、どんまい?」
てへぺろー、が通じると思うなよ!?
「ついカッとなってやった。今は反省している」
「だから何でそういうフレーズ知ってんだよ!?」
DO・GE・ZAする全裸の銀髪幼女。
うん、どう見ても犯罪者だな、オレが。
「別にもう怒らねえから、普通に座れ。それととりあえずこれ着てろ」
「え?」
きょとんとする銀髪ロリに収納空間から取り出した大判バスタオルを被せる。
さすがに全裸はまずい。
幾らオレがノーマルでもだ。
「許してくれるの?」
「まだ決めてねえ。とりあえず、怒りは収まったと言っておく」
「私の美貌にメロメロ?」
「やっぱり殴る」
「暴力反対~」
若干涙目で両手を頭の上に重ねる銀髪ロリ。
「お前、名前は?」
「名前?」
「いつまでも銀髪ロリじゃやりづれえからな」
「風情も何もあったもんじゃない!?」
「いいから早く」
「シルヴィア。そう呼ばれていた」
「シルヴィアな。OKOK、了解だ。じゃあシルヴィア、ひとまず質問するが、お前にもう一度界を渡る魔力は残っているか?」
「・・・」
その微妙な顔見たらすぐ分かるな、おい。
とりあえずすっからかんになったってことだな。
「今は無理なんだな?」
「・・・うん。また魔力が貯まれば出来る」
「どのくらいで貯まるんだ?」
「この間はじっとしてたら300年くらい?」
長いなあ、300年。
ん?
じっとしてたら?
「自然に貯まるのが300年か。じゃあ、例えばオレがお前に魔力を流し込んでやったらどうなる?」
「流し込まれた魔力の量による。私の貯蔵魔力量を最大10000とすると、1000もあれば一回界を渡るくらいは可能」
「ほう。じゃ、ちょっと魔力流してみるからどんくらい貯まったか教えてくれよ」
「分かった。不束者ですがよろしく・・・」
「どうしてそうなる!?」
「私に魔力を流すということは、シルヴィアのご主人様になるということ。だから一生大事にしてね?」
ポッとか頬染めてんじゃねえ!?
おい、ソラもいい顔すんな。
ロリには興味ねえ。
「それは無しで」
「そんなこと言わずに。私もリア充気分を味わいたい?」
「なんで疑問形だよ!? つーかオレはロリは許容範囲外だ!?」
「習うより慣れろ。幸い私の外見は美少女。すぐに萌えるようになる」
「うるさい黙れ。親指そこに挟むな」
疲れるな、おい!?
コメディってこんな疲れるもんか!?
「仕方ない。私の良さは追々分かってもらうとして、ひとまずお試しということで納得する。さぁ、ひと思いに私にその熱い魔力を流し込むといい?」
「いちいち無駄な形容詞つけんな。とりあえず行くぞ?」
「イク?」
「シャーラップ!」
ひとまず100MPくらい魔力譲渡してみるか。
「あふぅん」
「わざとらしく悩ましげな声あげんな」
「わざとじゃない。こんな風に魔力を注がれるのが久しぶりすぎてちょっと嬉しいだけ」
「・・・そうか」
まぁ、自分を作ってくれた主に捨てられて地球世界に流れ着いて数百年放置だからな・・・。
そう考えたら可哀想っちゃ可哀想か?
「トラ、何考えてるか分かんないけど、多分手玉に取られてるよ?」
「何言ってんだ、ソラ。そんなわけ・・・って何で舌出してんだ、シルヴィア?」
「気持ちよさを表現してみた」
「絶対違うだろ、それ。ところで、どんくらい貯まった?」
「10/10000くらい。結構貯まったほう」
ふむ。10MPあたり1に変換されて貯蔵されるのか。
となると、魔力を大量に注ぎ込み続ける方法さえあれば、すぐに貯まりそうだな。
「とりあえずトラの魔力パターンを登録した。以後トラの魔力以外は受け付けない設定になったので夜路死苦」
「ちょっとまて、いつからそういう設定になった?」
「たった今この時から。油断すると碌な事がない?」
「お前が言うな!?」
「ぷっ・・・あっはっは!!」
ソラが堪えきれないといった風に爆笑する。
「トラの負けよ。諦めてご主人様でも何でもやってあげなさいよ?」
「いいこと言う。リア充爆発しろとか思って悪かった」
「別にこの人と付き合ったりしてる訳じゃないわよ?」
「そうなの?」
そういってオレを見るシルヴィア。
「そうだよ。命の恩人だ」
「命の恩人?」
「しかも私が飼い主よ」
「・・・若くない燕?」
「ちゃうわ!」
コイツはホント疲れるな・・・。
「とりあえず詳しい話はあとだ。ここが元オレが生きていた世界なら話は早い。オレの住処へ行こう」
「住処?」
「愛の巣・・・」
アホなロリは放っておこう。
「おうよ。伝説の大魔術師が住む地下迷宮、【試練場】だ」
お読みいただきありがとうございます。
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作者が。




