第34話 フラ(グ)ゲ(ット)でした・・・orz
いきなりこんな話になって済みません。
でもそろそろかなって。
ファンタジータグの出番だぜ!?
<第34話>
やあ、オレの名前はANDREW!
朝型か夜型かと聞かれたら間違いなく夜型のほうアンドリューです!
うん、夜更かしして限界まで頑張る方が性に合ってるぜ。
で、朝は限界まで寝る、と。
さて、ホテルでのんびりと夜を明かしたオレたちは、二日目の食べ歩き&骨董屋巡りを開始した。
ワインにチーズがうめーんよ。
『よく食べるし飲むわねぇ』
『旨いぞ。ソラも飲めばいいのに』
『午前中から酔っ払うのもどうかと思って』
『ふうん。ソラはあんまり顔に出ないから大丈夫じゃね?』
ソラも結構いける口なはずだけどなぁ。
友だちの手前、そうも行かないって事か。
街をうろうろしながら、楽しい時間を過ごしていたオレたち。
『こういう街並みを見ると、元の世界に近いものがあるな』
『そうなの?』
『ああ。石造りの古い街並みなんてこんな感じだぜ。ま、こんな風にキレイじゃないけどな』
そんな中で見つけた、一軒の怪しい店。
人通りもないし、どう見ても怪しい。怪しすぎる・・・。
「見るからに胡散臭い店構えだな、おい」
「こういう所の方が掘り出し物あるっぽくないですか!?」
「行きましょ行きましょ!」
友だち二人がオレを引っ張って強引に店へと入っていく。
うーん、嫌な予感がするんだよなぁ。
オレのこういうカンはよく当たるから。
「うわー、なんだかすごいねー」
「いかにも何かありそうって感じね~」
店の中は薄暗くって、なんだかおどろおどろしい感じ。
ほら、インディ何とか的な。
何に使うのかよく分からないようなものが所狭しと並んでいる。
『これは、何て言うか、すごいわね』
『ああ。こりゃあすげえ。本物が混じってやがる』
『本物?』
『ああ。ただの骨董じゃねえ。魔力とか呪力とか、その手のヤツがな』
大量にあるわけではないが、その辺のボロい骨董に紛れてホンモノの「マジックアイテム」が紛れ込んでいる。
この世界で作られたものなのか、それともどこからか紛れ込んできた異物なのか。
何にしても、この世界では明らかな異物。
オレと同じだな。
『呪いのナントカ的な?』
『あー、そういうのともちょっと違うか。使えるヤツが使えば力を発揮するタイプだな。主を選ぶ・・・ってヤツに近いか』
持ち主に不幸を呼ぶようないわゆる呪いの品ってのは出来損ないだ。
ホントのマジックアイテム、それも一級品ってのは持ち主を選ぶ。
プライドの高いヤツが多いんだよな。
それも人格まであるようなヤツが。
「ふぇっふぇっふぇ。何かお探しかね、お若いの」
急に声を掛けられたのでちょっと驚いたが、ガラクタの影から現れたのは、小綺麗なローブに身を包んだ爺さんだった。
「いや、ちょっと覗かせてもらいに来ただけだ。爺さん、トンガリ帽子でもかぶってたほうが似合うんじゃねえのか?」
「ふぇっふぇっふぇ。そこまでらしい格好は必要ないさ。久しぶりの客だ。ゆっくりと眺めていくがいいさ」
「そうさせてもらうよ」
爺さんはにやにやと笑いながらガラクタの影に引っ込んでいった。
『びっくりしたぁ』
『まぁな。とりあえず見て回ろうぜ』
怪しい巻物やら精緻な細工の施された短剣やら謎の立方体やら輝くナントカやら銀の鍵やら・・・。
あるわあるわ、怪しいものが。
中には話しかけてくるヤツまでいる始末だ。
『ようよう、オレっちを連れてけよ。役に立つぜ。生き物なら何でも呪ってやるぜ?』
『そんな物騒なのよりあたしを連れて行きなさいよ。いい夢見させて上げるわよ?』
『ちょっと星の海までクルージングに行かないかい?』
『あー、今んとこ間に合ってるんでな。また今度な』
ソラには聞こえてねえかな?
波長が合えば別だろうが、あの顔を見ると大丈夫・・・でもねえか。
『ちょ、ちょっと、トラ! なんか頭の中に響くんだけど!?』
『ソラに波長の合うアイテムが話しかけてきてるんだろ。付き合ってやれよ。嫌なら断りゃいいんだからよ』
うーん、オレも大概トラブルと仲良しだけど、ソラもいい勝負じゃねえか?
『何か私はミズノ製だとかなんとか』
『スポーツウェアかよ。つーか水の精だろ、それ・・・。どれ、ちょっとチャンネル割り込むぜ』
『私は水の精ウンディーネ。これほど波長の合うニンゲンは久しぶりですわ!』
『よう、水の精霊さんよ。コイツは魔術師でも何でもねえ、ただの人間だ。あんまり驚かさねえでやってくれよ』
『あら、そういう貴男は魔術師様かしら。魔力の気配がしますわね。それも濃厚な。それはさておいて。お連れの女性、私とこれほど波長の合う方はなかなかおりませんわ。是非ともお連れ下さいな。貴男からもお口添えを』
ふむ。別段イカれた気配もないな。
本当にただの精霊なら拾いもんだ。波長が合うなら助けになるだろう。
『うーん、でも、ただの人間がお前さんみたいなまっとうな精霊連れててもいいこたぁねえだろ?』
『そんなことはありませんわ。私は水の精霊。水を操る私の力はあらゆる場面で役に立ちましてよ?』
まぁ、どこでも水が飲めるし、手も洗えるし。
料理の時は便利かもなぁ。
『どうする、ソラ?』
『ど、どうするって?』
『確かに連れてても害はねえわ。いつでも水が出せるから料理人には便利かも知れん』
『で、でも、いきなり時代はファンタジーで!?』
『魔女っ娘でもやるか?』
『遠慮するわ!』
『お嬢様、是非私をお連れ下さいまし。必ずお役に立ちますわ。誓ってお嬢様のご迷惑になるようなことは致しませんから』
『まー、よっぽど嫌ならオレが引っぺがしてまた封印してやるからよ。折角だ、買ってったらいいんじゃねえのか?』
さっきから店主の爺さんもにやにやしながらこっち見てるしな!
絶対あのジジイ、この世界の魔術師だな。
久しぶりの客ってのは、要するに、この店に入ることを許される人間が少ないってことだろうが。
オレがいたからちょっと結界に穴開けときましたーみたいなもんか。
『で、でも、私の日常がよりファンタジーに!?』
『もう十分ファンタジーだからいいんじゃね?』
『そうですわ。このような世界に二人といないような強い魔術師を侍らせておいて今更ではございませんか?』
『侍らせてなんかないわよ!!』
オレも別に侍ってねえよ。
よく寝そべってはいるけどな。
「ふぇっふぇっふぇ。その耳飾りが気に入ったのかね、お嬢さん」
「ひゃい!?」
「急に話しかけたらびっくりすんだろ、爺さん。心臓止まったらどうすんだよ」
「なに、その時はお主が蘇らせればよかろう」
「死者蘇生にはちーとばかり足りねえんだな、これが」
爺さんと二人、顔を見合わせて笑う。
「その耳飾りもお嬢さんを気に入ったようじゃ。ぜひお買い上げ下され」
「で、でも・・・」
「何、金のことなら心配すんな。なぁ、爺さん」
「そうじゃのう」
なし崩しに押し切られて水の精の封じられた耳飾りをお買い上げする羽目になったソラ。
そんな悪いもんじゃねえから諦めろ。
むしろ魔術師なら垂涎の的だ。
「なあ、爺さん」
「なんじゃね、お若いの」
「界を渡り歩くような品は置いてねえのか?」
ダメ元で聞いてみよう。
「あるぞ」
「そうかやっぱりあるのか・・・ってあるのかよ!?」
「あるとも。ただ、気むずかし屋でのう。ついてくるがよい」
オレとソラは爺さんに言われるまま、奥の部屋へと連れて行かれた。
「こりゃあ・・・」
「分かるか。さすが一流よ」
「何の話?」
「この部屋にあるのは、全部魔法の品だよ。どれもこれもな」
「ただ、扱いの難しいヤツらばかりでのう。なかなか言うことをきかんヤツらばかりなんじゃよ。原因は様々じゃがなぁ」
そう言って爺さんはぐるりとアイテム達を見回した。
「この世界は魔力に乏しい。昔は数々の秘技を駆使して魔術の最果てを極めんとした者も多かったが、やはり環境が悪すぎてな。真に力を持つ者達はこの世界を見限って界を渡って行きおった」
「おっと、爺さん、それは勘違いだぜ。この世界はそんなに魔力が薄くねえよ」
「なんじゃと?」
「どうもこの世界に生まれるヤツらは、魔力を変換する器官が生まれつき弱いんだな、きっと」
「どういうことじゃ?」
「簡単に言うと、魔力を魔法に変換する変換器の入出力がショボいんだよ。だから、界を渡って行ったところで大して変わりゃしねえと思うぜ?」
ぶっちゃけ大失敗ってこったな。
「だから、オレは別にこの世界でも魔法を使うのに困ったことはねえぞ?」
「なんと・・・。では、旅だった先達は無駄骨を・・・」
「いやいや、別に無駄って事はねえだろ。見聞を広めるのはいいこったぜ。オレもこの世界に来てから見聞は広まったぞ」
「この世界? お主、『渡ってきた』のか?」
「おっと、失言だったかな。まぁ、『世界』を知るってのは悪い経験じゃなかったぜ、オレの場合はな」
その時だ。
部屋の隅に置かれていた、一枚の姿見が突然美しい輝きを放ち始めた。
様々な色に光るそれは、立派な額にはめられた年代物のようだった。
「おおお、『界渡りの魔鏡』が目覚めたのか!」
「ご大層な名前だな。つーか、あからさまに嫌な予感しかしねえけど、どうよ?」
「奇遇ね、トラ。私もよ」
オレとソラは顔を見合わせて小さく溜息をついた。
そういうフラグはいらん・・・。
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ええとっても |ω・`)じー




