↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/97

第36話 酒が飲める飲めるぞ~

調子に乗って連日投稿でござる。


もうしばらくバカな話にお付き合いくださいませ。


ああ、エビス美味いなぁ・・・∩( ・ω・)∩バンジャーイ

<第36話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 洗顔料ならスクラブ系の好きな方、アンドリューです!


 やっぱあのごっそり取れる感じが好きなんだよな。

 肌に良くないなんて噂も聞いたり聞かなかったりだけど、大丈夫。




「ふおお・・・」


 シルヴィアが迷宮の門を前にして驚きの声を上げる。


 この魔鏡の精であるところの銀髪ロリ娘シルヴィアの暴走によって世界間転移を果たしてしまったオレたちは、オレの故郷であるこの世界【ウィザリィ】に流れ着いた。

 ソラも一緒に。


『お嬢様だけではなくってよ!』


 ついでにソラの耳を飾る耳飾りに封じられた水の精も一緒だ。

 この世界に来たのであれば、非常に心強い。

 何せソラはオレと違って一般人。魔法なんか使えやしないし、当然ながら戦闘経験もないし、モンスターなんてのも見たことはないはず。

 ソラの身の安全を保証するには、心強い僕だ。


「ここが、ご主人様とシルヴィアの愛の巣・・・ぽっ」

「うるせえ。さ、いくぞ」


 門を開けようとすると、突然門に人の顔が浮かび上がる。


「この門は正規のルートに非ず」

「試練を求める冒険者は、冒険者用の門から入るがよいよいよい・・・」


 おお、ちゃんと仕事してんな、此奴ら。


「おい、オレの顔も見忘れたのかよ?」

「む?」

「む?」


 一瞬の空白。


「おおおっ、アンドリュー様では御座いませぬか!?」

「いくら飲みに行くにしても、帰りが遅すぎませぬか!?」

「うっせえ。つーか、さすがに飲みに行って帰ってきたら八ヶ月って、どんだけ遠くまで銘酒探しに行ったんだ、オレは」


 出かける=飲みに行く前提なのかよ?


「それはそうでございますな!」

「いくらアンドリュー様でもそれはさすがに・・・いや・・・しかし・・・」


 そこで逡巡すんな。作り直すぞ、コラ。


「これも魔法生物?」

「そうだ。お前の同類みたいなもんだな」

「そう・・・。私はシルヴィア、魔鏡の精。今日から私もお前達のご主人様になる。せいぜい励め?」

「何でお前が上から目線よ?」

「私はご主人様のものでご主人様は私のもの。ゆえにご主人様の僕は私のもの?」

「ふざけんな。せいぜい同レベルから這い上がるんだな」

「愛が痛い!?」


 くっ、どうしてコイツはこう頭が痛いんだ。

 とりあえずほっとこう。


「というわけで、部屋に戻る。開けろ」

「了解でございます~」


 重々しい音を立てて扉が開いていく。

 明かりの点された短い通路を進んでいくと、そこにあったのは専用のエレベーターだ。地下10階にあるオレの居室直通のな。


「この世界にもエレベータってあるのね?」

「おうよ、ソラ。動力は勿論電力じゃないけどな」


 青いリボンを持ってないと動かなかったりするんだぜ。


 エレベータそのものの挙動で、三人を乗せた箱が下へ下へと降りていく。

 降りた先には、地面に魔法陣の刻まれた小部屋があり、オレの合い言葉に反応してオレたちを部屋へと転移させる。


「おー、昔のままだな。よしよし」

「ここがご主人様の部屋。まずは寝室の位置を確認する必要性を認識」

「せんでいい。とりあえずそこのソファにでも座っててくれ。すぐお茶かなんか出てくんだろ」


 せっかくここに戻ってきたんだから、必要そうなものをピックアップしておかなくちゃいかん。

 具体的にはオレのレベルを強制的に上げるような秘宝、能力値を上昇させる秘薬や魔法のアイテムだ。

 後は魔法の巻物なんかも必要だな。


 む、そう思うと消費MPを減少させるような発動体や装飾品も有効そうだ。

 それからそれから・・・。


「お帰りなさいませ、アンドリュー様。随分と長いお出かけでしたね」


 魔法の品を物色するオレの背中に声が掛けられる。


「おう、すまんかったな、ゴルド。ちょっと一言では言い表せない深い事情があってな。でも、とりあえずただいま」

「お帰りなさいませ。そちらのお客様が深い事情の一端で御座いましょうか?」

「ああ、そうなるかな。後で全部話すから、とりあえず二人に飲み物でも頼む」

「かしこまりました」


 そう言ってゴルドは深々とお辞儀をする。

 ゴルドはオレに仕える、言ってみれば家令だ。

 オレのいない間は、このゴルドが地下迷宮の主となる。

 ただの執事とは違うのだよ、執事とは。


「お嬢様方、何をお飲みになりますか。よろしければ紅茶などお持ちいたしますが」

「じゃあ、それでお願いします」

「みーとぅー」

「かしこまりました」


 そう言ってゴルドは姿を消した。


「ご主人様。アレは一体何?」

「何って?」

「人ではない。というか、アレは生き物?」

「お、さすが魔鏡の精。勘が鋭いな。ああ、魔力の質とかを見れるのか?」

「近いことは出来る。彼は桁違い。魔王?」

「近いようで遠い。ゴルドは不死者だ。吸血鬼の王だよ」

「ヴァンパイアロード・・・」

「おうよ。オレの不在の間はこの迷宮を束ねるんだ。そのくらいじゃないと務まらんだろう?」


 なんせラスボスだからな。

 圧倒的な強さと知性を備えていないと貫禄ってもんが足りないだろ。


「それを従えるご主人様。やはりご主人様はシルヴィアの運命の人」

「はー、本当にトラはこの世界で魔法使いやってたんだねぇ」


 ぐるりと周りを見回しながら、ソラが大きく一つため息をつく。


「おう。何となく実感湧いてきたか?」

「うん。ここは本当に異世界ってやつなんだね」

「すまねえな。こんな事になっちまって。文句はコイツに言ってくれ」

「ついカッとなってやった。今は反省しているから許して欲しい」


 わりかし素直に頭を下げるシルヴィア。一応悪かったとは思っているらしい。

 ちょっと一本ネジがとんでるけど、別に悪い奴じゃないんだろう、多分。


「うん。まぁ、一生日本に帰れないとか言われたらもうちょっと取り乱してたと思うんだけど、帰れることが分かってるからね」

「ソラは肝が据わってる。だけどご主人様の正妻ポジションは譲らない?」

「あはは、正妻はシルヴィアちゃんにあげるよ。何度も言うけど、私とトラはそんな関係じゃないし。あ、トラじゃなくてアンドリューって呼んだ方がいいのかな?」

「うんにゃ、別にトラでいいぜ。アンドリューでもいいけどよ」


 今更ソラに「アンドリューさん」とか言われても違和感マックスだぜ。


「ところで、なぜにトラ?」

「それは私めも気になっております。よろしければそのあたりも含めて詳しくお願いいたします」


 そこへ、トレイにティーカップを乗せてゴルドが戻ってきた。


「お、戻ってきたか。じゃ、一回休憩がてら色々と話すとしますかねぇ」


 アイテム探しを一度止めて、オレも椅子に座る。


「まぁ、話せば長いんだけどな・・・」


 いつも通り飲みに出かけて、転移で帰ろうとしたら致命的失敗をして異世界に転移してしまったらしいこと。

 その際、転移先でネコに転生してしまったこと。

 死にかけていたところをソラに拾われて、一命を取り留めたこと。

 ネコとして生活しながら、この世界へ帰るための禁呪【世界間転移】を使えるところまでレベルとスキルを上げようとこっそり努力していたこと。

 いつの間にか狐様に弟子入りしていたこと。

 ソラが事故で死にかけてしまい、助けるために正体がばれてしまったこと。

 海外旅行で怪しい店で魔鏡の精の暴走によって【世界間転移】に巻き込まれてしまったこと。

 せめて行き先を指定しようと試み、成功して【ウィザリィ】に流れ着いたこと。

 そして、地下迷宮に帰ってきたこと。←今ココ


「・・・というわけだ」


 話の信憑性を高めるために、ネコの姿に戻って話を終えたオレ様。


「・・・なるほど。私、納得いたしました。このような一切の予告無し、連絡無しの失踪はそれが原因だったのでございますね?」

「そういうこった。悪かったな、ゴルド。迷宮の連中にも心配かけたか?」

「そのあたりは私がうまく誤魔化しておきました。ちょっと幻の銘酒を探しに世界の果てまで探求の旅に出ていることになっております」

「そうか・・・。じゃあ、コイツを提供しよう」


 やっぱり酒なのな。確かに酒好きだけど。


 そう言ってオレが収納空間から取り出したのは、某有名日本酒と某有名焼酎の瓶だ。

 まさにこの世界では味わえない幻の銘酒よ!!


 ついでにサッ○ロクラシックとエビ○の500缶。

 至高の逸品だぜ。


「アンドリュー様、これは?」

「幻の銘酒だよ。こっちの瓶は、この世界なら家の一軒や二軒建ってもおかしくねえ。こっちの缶は大衆向けだが、この世界の大概の酒よりも間違いなく旨い」

「なんと。アンドリュー様がそこまでおっしゃるのであればそうなのでしょうな」

「一本いっとくか?」

「よろしいので?」


 ニヤリと笑い合うオレとゴルド。


「ちょっと、トラ。私にもちょうだい?」

「ご主人様、正妻置き去りはあり得ない?」


 ソラはともかく、シルヴィアはいいのか?

 うん、よく考えたら見た目だけのロリBBAだからいいのか。


 さらに収納空間からビールを取り出すと、プルタブを起こし、ぐいっとあおる。

 もちろん収納空間でバッチリ冷えてるぜ!


「こ、これは!?」

「・・・天上ののどごし・・・」


 驚愕の表情のゴルドとシルヴィアを見て、ソラが面白そうに笑う。

 いやホント、オレも初めて飲んだときはそう思ったもんだ。


「そんな大げさな・・・」

「ソラ。その認識は間違っている。これは間違いなく全米が泣いた」

「これが量産できるのなら、この世界中の酒場を牛耳れますな」

「そこまで!?」


 シルヴィアとゴルドの言葉に、ソラが目を丸くしている。

 いや、そんなもんだって。マジで。


「アンドリュー様、これはこちらの世界でも醸造可能でしょうか?」

「方法としては可能だ。だが、おそらく不可能だ。技術レベルの問題でな」

「左様ですか。残念でございますなぁ」

「落胆するのは早いぞ。オレがレベルを上げるなり、シルヴィアの運用の目処が付けば、定期的に入手することも可能だ」

「真でございますか?」

「おうよ」


 ニヤリと悪い笑みを浮かべるオレとゴルド。

 異世界間貿易会社でも立ち上げるか?


「・・・本気出す」

「おい、シルヴィア?」


 シルヴィアの体から何やらオーラの炎が見える!?


「今までは私の真の力を見せていなかった。ちょっと今日から本気出す」

「ダメ人間くせえ発言だな、おい!?」


 酒で本気出すロリBBAってどうよ。


 まぁ、そんなもんかもしれんな。

 この調子で某有名日本酒とか某有名焼酎とか飲ませたら本気度が加速するか?


「なぁ、ソラ」

「なに、トラ」

「もしかしたら案外早く元の世界に帰れるかもしれんわ」

「奇遇ね。私もそうかも知れないなって思ってたとこよ」


 ソラと二人で顔を見合わせて笑う。


 げに酒飲みの執念ってのは恐ろしいってことだよな。

お読みいただきありがとうございます。


良ければぜひ評価ポイントなどいただけますと作者のやる気が増加します。

ついでに下の勝手にランキングリンクなどもどうでしょう。


水曜どうでしょうは素晴らしいです。特にサイコロです。

キングオブ深夜バスは一度試してみたい・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。