表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第十五章 王都の冒険者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

264/298

新聞

 俺は三日ほど行方不明になっていたらしい。拠点ではなく、信者の個人宅ということで、居場所を掴むのに時間がかかったそうだ。

 ということは、あの部屋で二日くらい眠ったままだったんだな。すごい強力な眠り薬を盛られていたのか? 怖い。


 クランで医療班に身体検査をされる。

「微かに薬物反応があります。あばら骨も骨折まではいっていませんが、数日は安静にしてほしいですね。

 足首の筋を痛めてますので、動かない方がいいでしょう」

 手の甲に投げ矢が刺さったので、手にも包帯が巻かれた。


 クランの医務室には、他にも数名ベッドで療養中の人がいる。宗教団体に突撃した人だけでなく、冒険者活動で負傷した人もいた。


「フォンは無事なのか?」

「念のためにAランクの冒険者が一人待機していたでしょ。あれが予想外だったみたいで」

 ルナがちょっと悔しそうだ。自分たちだけでは危なかったということだもんな。


「岩モグラは?」

「討伐した。今もまだ、冒険者ギルドから解体職人が来て、爪や毛皮を剥いでるよ」

「すごい大きなモンスターだったのか」

「う~ん。珍しいから国が口を出してきて、ちょっと揉めてた」

 あはは。こっちが出向いた打ち合わせの時に、真面目に対応しておけばよかったのにな。


「……サークレットの問題を解決できそうな人は?」

「ふふふ。二人確保したよ。これで、事態は進展するはず」

 ルナがにこにこと笑顔になった。


 サァラが医務室に入ってきた。

「新聞、読むかにゃ?」

 腕に、数日分の新聞の束を抱えていた。

「あ、読みたい」

 ありがたく受け取ると、サァラは「また後で」と手を振って出ていった。ルナもその後に続く。


 ……サァラがいつもの調子に戻っている。よかった、安心した。


 膝の上で新聞を広げ、襲撃の記事を読んだ。


 大手の新聞は、岩モグラのことが中心だ。

 メインは、岩モグラを討伐したこと。地中で暮らしているので発見されることが少ないし、攻撃的ではないので討伐対象になることが少ない。

 今回の騒動は動物使いが能力を悪用し、岩モグラで王都の地下から攻撃しようとした疑いがある――と書いてある。

 その動物使いが所属する団体へ事情を聞きに行き、単独犯か集団としての犯行かを調べていくという。

 あからさまに対立するのは避けている感じだな。


 ゴシップも扱う中小の新聞は少し違った。

 宗教団体と有名なクランの対決という煽りが、まるで娯楽小説のようだ。

 度重なるクランへの攻撃があり、その反撃だと書いてある。フォンのことは伏せてあるのが救いか。


「岩モグラをテイムするコツまで載せたのか。真似する人が出たらどうするんだ」

 思わず、そんな独り言が出てしまった。


 隣のベッドに寝ていた人が、笑い声を上げた。

「そんなのデタラメだ。まず、岩モグラに出会う機会がないだろ」

 そういえば、そうか。

「つまり、教団は岩モグラを見つける方法を知っている、ということですよね? 感知能力とか、生態の知識とか?」

「あー、そう言えば、そうだな……」

 その男は笑いを引っ込めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ