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『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第十三章 過去と未来と

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会議は踊る?

 そのあとの会議は紛糾した。


「バスラ殿。会議の雑談だとしても、あまりにも剣呑な発言はお控えください」

 宰相補佐がたしなめた。


「奴らが冒険者ギルドの勧告を舐めているからだろう」

 バスラは、自分の発言を撤回する気はないようだ。


「トゥルメルの国境を閉じて、レスタール王国を孤立させれば反省するのでは? 他国から冒険者が来なければ、待遇を改善せざるを得ないでしょう」


「都合よく、災害級のモンスターが出現してくれればいいですけど……そんなのは何年先になることやら」


「また冒険者が使い潰されるだけだ。レスタール王国にいる冒険者を見殺しにするな」

 バスラが苛立ちを滲ませた。


「冒険者ギルドが政治不介入という前提を崩されるのは困る」

 冒険者ギルドの本部の人間だろうか。バスラを諫めた。


「政治的には、介入するほどの大義名分はないんですよね。

 冒険者は自己責任。どの国で活動するかも含めて……ですから」


 突き放すような発言が出た。

 アーデンからも苛立つ気配がした。


「腐った他国のために、我が国の兵士を一人たりとも傷つけさせるわけにはいかない」

 軍の関係者が、一線を引くようなことを言う。所詮は他国で起きた問題であり、ファルガン共和国として関わるメリットはない。


 領土拡大を目論んで戦争をしかけるならともかく……。


「それなら、ギルドニュースで、『レスタール王国では不遇の扱いを受ける』と注意喚起すればいいんじゃないですか?」

 俺は手を上げて発言した。


 緊張して震えそうだが、ここまできてレスタール王国の冒険者たちを見捨てられたら困る。

 モンスターに対抗できる人がいなくなれば、平民たちの命が危ない。

 あの国には山猫亭や顔見知りの冒険者、職人街でいろいろ教えてくれた人たちがいる。


「レスタール王国では長年そうだったから、冒険者たちは自分の権利を知らないだけです。

 各国を渡り歩く冒険者に『不利益を被らないよう用心すべし』と情報提供する形にすれば穏便に周知できませんか」

 臆病者と言われるかもしれないが、戦う以外の方法を模索すべきだと思う。


「冒険者がニュースなんて読みますかね?」

 官僚から馬鹿にしたような発言が出た。

 王城での居心地がよくないのは、こういう視線があるからだよな。なんか嫌な感じだ。


「俺……私は、一度ギルドニュースに『快進撃の若手パーティー』として掲載されました。レスタール王国にいたときです。

 それだけなのに、こちらの国でも顔を知られていたんですよ」


 冷静に説明するように、心がけた。これ以上馬鹿にされたくないからな。


 ルナと初めて会ったときに、いきなり「下ごしらえ君」と叫ばれたことを思い出す。

 ちょっと恥ずかしかったな。


 あ、もう一つ思い出した。

「それにエルフの国がそれを読んで、逃亡者を発見しました。影響力はすごいと思います」

 何十年も逃げ回っていたセリアが、ギルドニュースをきっかけにして捕まったんだ。


 官僚たちが、ちょっと感心したような表情に変わった。


「知った後は、レスタール王国の冒険者が自分たちで考えるんじゃないですか?

 当たり前と思い込んで、諦めているだけだから……」


 俺の言葉に、アーデンが腕を組んでうなずいた。


「なるほど。……待遇改善を求めたり?」

 冒険者ギルドの人が、顎に手を当てて呟くように言った。


「領主が、『自分の領内の冒険者ギルドはこんなにひどくない』と証明しないといけなくなったりしてな」

 アーデンが悪役のような顔でニヤリと笑った。


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