表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『下ごしらえ』で冒険者を目指す ~地味スキルなのに、なぜかモテる件~  作者: 紡里
第十章 変わるもの

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

126/284

準備したいのに

 俺は隣国出身だから、このファルガン共和国のことはあまり知らない。レスタール王国が人族の国だったのに対して、ここでは獣人もいるし、エルフやドワーフもいる。


 今いるトゥルメル領から王都までは、馬車で五日かかるそうだ。


 出発までの数日で、準備を整えなければならない。

 まず、冒険者ギルドで地図を確認した。 大きな街道が整備されているし、宿場町もあるので野宿はなしだ。

 それなら食料の準備は少なめでいいか。逆に、宿屋の確保と部屋割りが必要だよな。

 危険な場所の情報とか、どうやったら得られるんだろう?


 なんだか、俺の手には負えない気がしてきた。午前中に準備の方針を立てたかったのだが、難しそうだということがわかっただけだった。

 モンスターなら生態や弱点を調べて作戦を考えるが、護衛は何に気をつければいいんだろう? 経験がないため、とっかかりがわからない。



 昼時に、街の食堂でみんなと待ち合わせをしている。パーティーメンバーは先に来ていて、俺は日替わりセットを注文した。


「みんなは、護衛任務とか経験あるのか?」

 花猫風月のメンバーに訊いてみた。


「ないよ。まだCランクだもん。」

 と、ルナがあっさり言う。


「だよな。え~、困ったな。何を準備すればいいとか、護衛の注意点とか知りたいんだけど」


「明日、顔合わせがあるじゃん。その時に相談すればいいよ」

 ルナはそう言ってから、パスタを口に入れた。


「ああ、そっか。だから皆、のんびりしてるのか?」

 今朝出かけるときに、準備はどうするんだよと少しだけ思っていたんだが……。


「うん。トーマが焦って準備を始めてるとは思わなかったにゃ」

 サァラはセットについてくる小さなスープを飲んでいる。


「人に相談しないで一人で動く癖が染みついているのね。私たちにも質問してくれていいのよ」

 フォンはリゾットを注文していた。まだ顔色が少し悪い気がする。


 ああ、またやってしまったな。

「そうだった。一人じゃないんだ」

 前のパーティーでは何でも一人でやっていたけど、もう違うんだ。


「もう! あたしたちを頼れよ」

 ルナに背中を叩かれた。




 翌日、冒険者ギルドに足を踏み入れたときから、嫌な予感はしていた。


 いつも通されるギルドマスターの部屋でも、会議室でもない。豪華な貴賓室だったから。ここだけ宮殿かと思うくらい、壁紙も家具も格が違う。

 多分、リーダーだけソファーに座って、俺たちはその後ろに立つんだろうな。


 扉が開いて、冒険者パーティーが入ってきた。

「お、花猫風月じゃん。お前たちも護衛の依頼を受けるのか?」

 なんだか強そうな男性だ。


「若輩者なので、ご指導いただけると嬉しいです」

 ルナがしっかりと挨拶をする。


 フォンが囁いて教えてくれた。

「Aランクのパーティーよ」


 ええ? すごい。協力し合うどころか、足手まといにならないよう気をつけなきゃじゃん。内心すごくうろたえていたら、もう一人部屋に入ってきた。


「この街の冒険者じゃないにゃ。傭兵かもしれない」

 サァラの鼻がピクリと動いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ