第九十三話 「王禅襲来」
──ドドドドドドド!!
「王禅だ!王禅が現れたぞ!!」
その一言で皆に緊張が走り、戦場は一気に張り詰めた空気へと変わって行った。
既に帝国は滅んだとは言え、相手は間違い無く大陸最強の将軍である。討ち取る事は容易く無く、決して一筋縄では行かないだろう。
「数は!?」
「千……。いえ、五百程度と思われます!」
「……五百?」
あまりの兵の少なさに、頭に疑問が掠める将軍達。
「王禅の私兵は、まだ少なくとも五千は残っていた筈だが……。」
勝てぬと分かっている戦いな為、部下達を参加させなかったのだろうか?
いや既に帝国は滅んでいるのだ。兵士達が逃亡し、その数を減らしているのかも知れない。……勿論、兵を伏せている可能性も考えられる。
今、確認出来る王禅の兵は五百。それに対し、連合軍の兵力は十四万である。万が一にも負ける事は無いだろう。
「鄭羽将軍、夏侯炎将軍は後方にて待機!後方の軍、二万は動かすな!」
何かに気が付き、後方に居る二将と二万の軍を待機させる龍大聖。
「お祖父様……。」
「妹の王眠の姿が見えん。恐らく勝てぬ戦いに、妹を参加させたくなかったのか……。いや、或いは……。」
捕らわれている仲間を救う為に兵を伏せている可能性を考慮し、龍大聖は軍を分けた。
五百対十四万の戦い……。当然ながら、それは一方的な戦いとなっていた。しかし───。
──ゴパァ!!
その程度で止める事の出来る王禅ではない。巨大な矛を振りかざし、王禅は一路、龍大聖の元に突き進んでくる。
「えっ!?ちょっと強過ぎない?……あれ。」
初めて見る最強の将の強さに、優駿は酷く驚いていた。
「あれが王禅か……。相手にとって不足は無さそうだ。」
それに対し、初めて相対する強敵を前にして血が滾り、鋭く目を光らせながら二本の剣を抜く大陸最強の暗殺者一族"剣竜"劉士元。
──ヒュッ!
そして士元は王禅との距離を一気に縮め、疾風の如き速さで斬りかかって行った。
「フッ、流石は大陸最強の暗殺者一族"剣竜"だな。あの王禅相手に一切怯む事無く斬りかかって行くとは……。何とも頼もしい限りだ。」
頼れる剣"剣竜"の存在に、笑みが零れる公孫翔達。
──ヒュン!
"剣竜"の刃が王禅の首を捉え、高速で襲いかかる。
──ガキィン!
しかしそれを難無く受け止め、王禅は巨大な矛で強力無比な一撃を放つ。
──ドゴォ!!
「ぐっ!?」
豪快に吹き飛ばされる士元。士元は吹き飛ばされるものの、何とか矛を剣で受け止め大事には至らなかった。
「これは予想以上だな……。手を抜いて勝てる相手では無さそうだ。」
一撃を受け、劉士元の顔付きが一変する。士元は王禅を強敵と認識し、全神経を研ぎ澄ます。
「……悪いが、次は本気で行かせて貰う!」
そして二刀を構え、凄まじい殺気を放ちながら王禅を睨み付けた。
──ドドドドドドドド!!
しかし、その時。士元と王禅の元に近付く、三人の騎兵の姿があった。
「王禅は僕達の獲物なんだ。……悪いけど、譲って貰うよ。」
──!?
王禅の元に馬を駆ける三人の騎兵───。いや三人の将軍、徐栄、朱真。……そして、陸閃。
「……行くよ。」
連合軍主軸の三将達は王禅を囲み、一斉に斬りかかっていった。
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 88
知力 67
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。
「司馬晋」
武力 93
知力 95
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「周衛」
武力 92
知力 78
忠誠 100
今は亡き優国、最強の将。九年の時を経て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。
「徐栄」
武力 パナイ
知力 ヤバい
連合 軍総大将
"天覇十傑"に名を連ね、"三英傑"に匹敵する実力を持つと言われている。宗、龍、恭、三国連合軍では、龍大聖を押し退けて総大将を務める程の大将軍である。
割りと若く、まだ二十代。……かなりの甘党。
「陸閃」
武力 化け物らしい
知力 普通
連合 軍の切り札
宗国の将軍。"天覇十傑"ではないものの最強の将、王禅を討つ切り札と呼ばれる少年。年は十六才。まだ若いが武の才は本物で、天賦の才を持つ。
「朱真」
武力 かなりヤバイ
知力 軽くヤバイ
騎馬 隊が強くて有名
恭国筆頭将軍。朱真将軍率いる騎兵団は大陸最強と名高く、よく帝国王禅将軍の騎馬隊とどちらが強いのかと噂される程である。
"天覇十傑"の一人で、常に冷静な猛将である。常に近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、部下の面倒見は良い。年齢は、割りと若い。
「諸葛麟」
武力 非力
知力 割りと高い
祖父 が最強
龍国丞相を務めている。
"三英傑"の一人、龍大聖の孫娘。ちなみに祖父は相国。
祖父である龍大聖程では無いが、かなり知略に長けている。どちらかと言うとほのぼの思考で、戦争はあまり好きなタイプでは無い。
餡蜜大好き。甘露大好き。食べるの大好き。でも太るのがちょっぴり怖い、お年頃……。
「諸葛龍」
武力 秘密
知力 100
超絶 カッコいいお爺ちゃん
龍大聖と呼ばれる龍国の英雄。祖国を救った英雄であり、大陸一の天才軍師と言われている。三国連合軍の副将を務め、二十万を超える大軍勢の指揮を一手に担っている。
「楽勝」
武力 そこそこ
知力 割りと高め
相当 ヤバい奴
狼国の副隊長。司馬晋の配下である。元盗賊の頭で、残忍な性格をしている。司馬晋に実力を認められ、配下になった経緯がある。




