第九十一話 「切り札の将」
やはり公孫翔も同じ考えの様で、徐栄将軍に"切り札"の名を尋ねた。
「翔王様。それが、二つ目の理由にございます。」
「……どういう事だ?」
「ハッ。王禅将軍は討ち取れておらず、まだ逃走を続けております。」
「何だと!?」
「王禅配下の帝国五将の内、項飛、孫雷、龐涓、鳳明の四人は既に捕らえております。しかし肝心の王禅と帝国五将軍の一人、王禅の妹、王眠の二人は未だ捕らえる事が出来ておりません。」
「王禅の妹!?女が将軍やってんのか?そりゃ、すげーな。」
女性将軍の存在を知り、驚きの声を上げる刹那。どうやら刹那は、王禅の妹が有名な将軍である事を知らなかった様である。
「……で?」
「龍大聖が今、王禅を討ち取る為の罠を仕掛けております。二日後には、王禅は討ち取られている事でありましょう。」
「……罠とは?」
「ハッ。二日後に捕らえている四将を処刑すると言う、偽の情報を流しております。奴は部下を助ける為に、必ず姿を現す事でしょう。」
「ふむ……。」
頭の中で考えを巡らせ、そして考えを素早く纏める公孫翔。
「徐栄将軍。その王禅を討ち取る作戦なのだが、翔国軍も参加して構わないか?……少し、見ておきたくてな。」
「ハッ、勿論でございます。援軍の申し出、誠に痛み入ります。相手はあの王禅です故、心強い援軍は有難い限りでございます。」
──二日後。王禅を討つ為、龍国へと赴く優駿達。
そこには、大陸を代表する将軍達が集まっていた。
──宋国筆頭将軍、三国連合軍総大将、徐栄。
宋国将軍、陸閃。
──恭国筆頭将軍、朱真。
恭国将軍、鄭羽、夏侯炎。
──龍国丞相、諸葛麟。
……そして龍国相国、三国連合軍副大将、龍大聖。
そんな大陸を代表する大将軍達が集まる中、公孫翔は物怖じせず、一人の人物の元に近付いて行った。
「貴殿が龍大聖か?」
大陸一の天才と呼ばれる、龍国の英雄龍大聖。その様な天才軍略家に一目会ってみたいと思うのは、誰しもが思う事だろう。
公孫翔も又、軍略家としての自負があり───。そして同じ軍略家として、一度龍大聖と会って話がしてみたかった。
「お祖父様、この方は……。」
先に孫娘である諸葛麟が気付き祖父に話し掛けるが、頭の良い龍大聖は目の前の人物が翔国王である事に気が付いていた。
「これは翔王様。お初にお目にかかります、諸葛龍と申します。この度は直々に軍を派遣して頂き、翔王様の心使いに感謝を申し上げます。」
「龍大聖。あんたとは一度会って話がしてみたかった。会えて光栄だ。」
それから暫くの間、二人は話し合った。公孫翔が一国の王と言う事もあり、無下に出来ない事も勿論あるのだが……。二人は何処か馬が合った。
同じ天才軍略家同士だからなのか、それとも同じ世界が見える者同士だからなのか……。二人は暫くの間、話し合っていた。
色々話したい事が山程あり、話が尽きる事は無いのだが……。今は其ほど時間に余裕がある訳では無い。少し名残惜しいが、公孫翔は話を戻す事にした。
「……で、王禅を討つ手筈はどうなっている?」
「ハッ……。王禅は約五千の兵を率いていると思われます。それに対し、こちらは三国合わせて十四万の兵を配備しております。宗国から徐栄将軍と陸閃将軍。恭国からは朱真将軍、鄭羽将軍、夏侯炎将軍の三将も来ております故、一切の抜かりもございません。」
「……陸閃?」
名だたる将軍の中の一人に反応する公孫翔。
宗国の将、陸閃。
陸閃は"天覇十傑"でもなければ、名の通った有名な将軍でもない。この大陸に住む、ほとんどの人間が陸閃の名前など聞いた事も無いだろう。
それなのにも関わらず、公孫翔が反応した理由───。それは最強の将である王禅を倒す為の"切り札"の名を、公孫翔が事前に聞いていた為である。
大陸最強と恐れられる王禅。その王禅を討つ為の連合軍の"切り札"。
その"切り札"は"天覇十傑"の徐栄将軍でなければ、朱真将軍でもなく───。
公孫翔の前に現れたのは、まだ無名の小柄な少年だった。
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 88
知力 67
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。
「司馬晋」
武力 93
知力 95
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「周衛」
武力 92
知力 78
忠誠 100
今は亡き優国、最強の将。九年の時を経て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。
「徐栄」
武力 パナイ
知力 ヤバい
連合 軍総大将
"天覇十傑"に名を連ね、"三英傑"に匹敵する実力を持つと言われている。宗、龍、恭、三国連合軍では、龍大聖を押し退けて総大将を務める程の大将軍である。
割りと若く、まだ二十代。……かなりの甘党。
「朱真」
武力 かなりヤバイ
知力 軽くヤバイ
騎馬 隊が強くて有名
恭国筆頭将軍。朱真将軍率いる騎兵団は大陸最強と名高く、よく帝国王禅将軍の騎馬隊とどちらが強いのかと噂される程である。
"天覇十傑"の一人で、常に冷静な猛将である。常に近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、部下の面倒見は良い。年齢は、割りと若い。
「諸葛麟」
武力 非力
知力 割りと高い
祖父 が最強
龍国丞相を務めている。
"三英傑"の一人、龍大聖の孫娘。ちなみに祖父は相国。
祖父である龍大聖程では無いが、かなり知略に長けている。どちらかと言うとほのぼの思考で、戦争はあまり好きなタイプでは無い。
餡蜜大好き。甘露大好き。食べるの大好き。でも太るのがちょっぴり怖い、お年頃……。
「諸葛龍」
武力 秘密
知力 100
超絶 カッコいいお爺ちゃん
龍大聖と呼ばれる龍国の英雄。祖国を救った英雄であり、大陸一の天才軍師と言われている。三国連合軍の副将を務め、二十万を超える大軍勢の指揮を一手に担っている。




