第九十話 「帝国の崩壊」
……それから三ヶ月と言う時が流れ、優駿達の元に驚くべき情報が齎される。
「大変だ、翔!帝国が───。帝国が、連合軍によって滅ぼされた!」
慌ただしく駆け込んできた伝令係が、公孫翔に帝国が崩壊した事を告げた。
「何だと!?……帝国が敗れたのか?」
「まさか、帝国が敗れるなんて……。」
突然齎された情報に、動揺が隠せない様子の公孫翔と優駿。
確かに連合軍総大将徐栄は、約三ヶ月で帝国を討ち滅ぼすと言っていた。
……しかし本当に帝国が滅亡したと言う事実を受け入れるには、多少の時間を要する優駿達であった。
「まさか、あの王禅将軍が敗れるとはな……。」
公孫翔の頭に、あの恐ろしい王禅将軍の姿が浮かび上がる。
「……それ程に、連合軍の強さが凄まじいと言う事か。」
最強と謳われる強大国を打ち破る、徐栄将軍率いる三国連合軍。
徐栄将軍と朱真将軍の活躍も勿論大きいのだが、やはり龍大聖の存在が一番恐ろしいと考える公孫翔であった。
「……他に情報は?」
「いや今の所、情報はそれだけだ。後近々、こちらに徐栄将軍が訪問すると言っていた。……例の同盟に件について、話しがあるらしい。」
「分かった、ゆっくりと休んでくれ。」
部下を優しく労う翔王、公孫翔。
十国最強と謳われた帝国は滅んだ。残る国は、後六国。
──翔、宋、龍、恭、狼、星。
残る六国による天下争奪戦が、今始まる。
優駿達の居る翔国を除けば、残す国は後五国となる。
その五国とは、宋、龍、恭、狼、星の五国なのだが───。強国が並ぶ中、狼国だけは弱小国となっていた。
狼国は十国の中でも最弱と言われ、常に隣国である燕国からの侵攻に頭を悩ませてきた。
そんな十国一の弱小国である狼国が、未だに滅んでいない理由。そして公孫翔達翔国が、この三ヶ月間に狼国に攻め込まないのには、ある理由があった。
長年の間、隣国の燕国からの侵攻を受け、滅亡寸前までに追い込まれていた狼国。
そんな滅亡寸前までに追い込まれた狼国が取った行動は、三国連合軍に加入する事であった。
しかし何の力も無い弱小国である狼国が、簡単に強国揃いの連合軍に受け入れて貰える訳が無かった。
その為、狼国は毎年多額の金を三国に献上する事を約束に、三国連合軍との同盟を取り付けたのである。
故に徐栄は同盟を結ぶ際、公孫翔に狼国への侵攻も止める様に申し出ていたのである。
後日、予定通り公孫翔の前に現れる三将達。
連合軍総大将、宋国筆頭将軍、徐栄。
恭国筆頭将軍、朱真。
龍国丞相、諸葛麟。
「申し訳ありません、翔王様。本来なら、お祖父様が翔王様に挨拶に参る予定だったのですが……。」
と申し訳無さそうに挨拶をする、龍大聖の孫娘諸葛麟。
「そうか、それは残念だな。一度会って、話をしてみたかったのだが……。」
そう残念そうに、公孫翔は話した。
それは優駿も同じ意見である。"天覇十傑"最強の"三英傑"に名を連ね、大陸一と謳われる知略を持つ天才龍大聖。
そんな龍国の英雄に、軍略に携わる物ならば、一度は会ってみたいと考えるのは当然の事であった。
「この度、私共が参った理由は二つございます。一つ目は以前申し上げた、同盟の件にございます。翔王様には三国の内、何処の国と引き続き同盟を結ぶのかを、お決め下さる様にお願い申し上げます。」
「それなんだがな、少し迷っていてな。すまないが、暫く時間を貰えるか?」
「ハッ。畏まりました。」
「えっ!?」
公孫翔の言葉に驚き、声を上げる優駿。
優駿が驚くのも無理は無いだろう。その問いに対して、公孫翔が迷う事自体がおかしな事なのである。
三国の内、一国とだけ同盟を結び、他の二国と戦わねばならないのなら───。
答えは当然"三英傑"の一人、龍大聖の居る龍国になる筈なのだ。
龍大聖は長年の間、三国連合軍の軍略を一手に担っていた天才軍略家なのである。
この大陸に龍大聖以上の知略を持つ者はおらず、残り二国の軍師は龍大聖の足元にも及ばないだろう。
翔国が龍大聖の居る龍国と組みさえすれば、他の二国に軍略と言う面では主導権を握り、圧倒的に優位に立つ事が出来るのである。
そして龍国との一騎打ちの際にも、優秀な将軍の居る翔国は常に有利に戦を進める事が出来るのだから───。
故に、その答えは龍国しか考えられないのである。
しかし優駿には、気になる点が一つだけあった。……それは連合軍の"切り札"の存在である。
"天覇十傑"最強の三人"三英傑"の一人、大陸最強──。いや世界最強の武を持つ帝国最強の将、王禅。
その王禅将軍を討ち取った、連合軍の"切り札"とは────。
「……で、王禅を討ち取ったのは誰だ?」
公孫翔は、徐栄将軍に"切り札"の名を尋ねた。
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 88
知力 67
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。
「司馬晋」
武力 93
知力 95
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「周衛」
武力 92
知力 78
忠誠 100
今は亡き優国、最強の将。九年の時を経て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。
「徐栄」
武力 パナイ
知力 ヤバい
連合 軍総大将
"天覇十傑"に名を連ね、"三英傑"に匹敵する実力を持つと言われている。宗、龍、恭、三国連合軍では、龍大聖を押し退けて総大将を務める程の大将軍である。
割りと若く、まだ二十代。……かなりの甘党。
「朱真」
武力 かなりヤバイ
知力 軽くヤバイ
騎馬 隊が強くて有名
恭国筆頭将軍。朱真将軍率いる騎兵団は大陸最強と名高く、よく帝国王禅将軍の騎馬隊とどちらが強いのかと噂される程である。
"天覇十傑"の一人で、常に冷静な猛将である。常に近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、部下の面倒見は良い。年齢は、割りと若い。
「諸葛麟」
武力 非力
知力 割りと高い
祖父 が最強
龍国丞相を務めている。
"三英傑"の一人、龍大聖の孫娘。ちなみに祖父は相国。
祖父である龍大聖程では無いが、かなり知略に長けている。どちらかと言うとほのぼの思考で、戦争はあまり好きなタイプでは無い。
餡蜜大好き。甘露大好き。食べるの大好き。でも太るのがちょっぴり怖い、お年頃……。




