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十国伝  作者: 魔神
燕国編

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85/90

第八十五話 「状況が理解出来ない者」

「さてと……。」

優駿達を退却させ殿(しんがり)を務める為に、司馬晋は二十人の"九燕"と戦う覚悟を決める。……そして辺りを見回し、もう一度改めて状況を確認した。


「"九燕(われら)"から、逃げ切れると思っているのか?」

目前の勝利に不敵に笑う"九燕"の将、淵麻凰。


「…………。」

……司馬晋は、体を震わせていた。


「ハーハッハッハッハ!馬鹿め、袁剛を討ち取った程度でいい気になりおって!ここに()る"九燕"共は、一人一人が袁剛に匹敵する化け物達よ!……貴様らに、最初から勝ち目等有りはしないのだ!!」


もう一人の将軍も勝利を確信し、震える司馬晋の前でさも得意気に笑っていた。


「……それで、勝ったつもりかい?」

──!?

司馬晋の言葉に驚く、二将。


「貴様は余程の馬鹿と見える……。この状況が、まだ理解出来ぬのか?それとも貴様には、この二十人の"九燕"が目に入らぬと言うのか?貴様らが我等"九燕"を敵に回した時点で、既に勝敗が決しているのだ。所詮(しょせん)貴様ら等、我等"九燕"の前では敵ですら無い。何人足(なんぴとた)りとも我等の前では一瞬で(ちり)と化す事を、貴様に教えてやろう!」


「…………。」

司馬晋は体を震わせ、一言も喋らなかった。


「やっと理解出来た様だな。恐怖で何も言えぬと見える。良かろう……。せめて苦しまず一撃で、あの世に───。」

「……黙れ。」


──!?


「…………。」

司馬晋は震えていた。……怒りに体を震わせていた。


「困るんだよ、この程度で勝った気になられちゃさぁ。折角(せっかく)、良い所だったのに……。弱者は弱者らしく、必死に足掻(あが)いて貰わなくちゃさぁ!」


──!?

「貴様、正気か!?この状況で、まだ世迷い言を……。」

「御託は良いから、かかってきなよ!!」


その言葉に"九燕"の将は怒りを(あらわ)にし、部下である"九燕"達に首を取る様に命じた。


「殺れ!この馬鹿に、我等"九燕"の恐ろしさを教えてやれ!!」

五人の"九燕"が刃を光らせ、司馬晋に襲いかかる。


「どっちが状況を理解していないのか、教えて上げるよ。」

……そう言いながら、司馬晋は()()()()()()()()


"九燕"の速さは凄まじい物があった。……(およ)そ常人には、その目で(とら)える事すら出来ないだろう。

"九燕"の刃は恐ろしい速度で司馬晋に襲いかかり、既にその喉元(のどもと)(とら)えていた。


──ゆらり。

しかし(みずか)らの喉元に迫る"九燕"の刃にも動じる事無く、両手を大きく広げ奇妙な構えを取る司馬晋。


「見せて上げるよ、伝説の暗殺者一族"剣竜"の奥義をね……。」


──ザシュ、ザシュウ!!

司馬晋の双剣が(うな)る。高速の剣閃が走り、凄まじい斬撃が"九燕"達の体を斬り裂いていく。


「剣竜二刀流暗殺剣、秘技"鳳凰天舞"!」

──!?

「がはっ!?」

ドサリと音を立て、大地に沈む四人の"九燕"。


「ば、馬鹿な……!?」

「…………。」

司馬晋のあまりの強さに、言葉を失う"九燕"達。


「あれ?……四人だけ?おかしいな、ちゃんと五人斬った筈なんだけどな……。この技には、まだまだ改良の余地がありそうだね。」


──ドシュ!!

討ち漏らした一人の体を剣で貫きながら、司馬晋は酷く楽しそうに笑っていた。


「これで、どちらが()()()()()()理解出来たかい?」


「ひいっ、ひいぃぃぃぃ……。」

あれだけ虚勢を張り、高笑いをしていた筈の燕国将が恐ろしさのあまり叫び声を上げる。


「馬鹿な、有り得ぬ……。我等"九燕"を容易(たやす)く打ち倒す等、有り得ぬのだ……。」


恐れを抱くのは"九燕"総帥、袁麻凰も同じであった。……いや"九燕"筆頭の実力があるからこそ、司馬晋との実力の違いが理解出来たのかも知れない。


"九燕"筆頭の実力を持つ袁麻凰でさえ、司馬晋の放つ高速の斬撃が全く捉える事が出来なかったのである。

その恐ろしさを理解し袁麻凰は、司馬晋に底知れぬ恐怖を感じていた。


「最初から本気で来ないから、二十人居る"九燕"が十五人まで減っちゃったよ?でも大丈夫、大丈夫……。まだ十五人も居るんだからさ。……もしかしたら、僕にも勝てるかも知れないよ?」


二刀を構えながら、凄まじい殺気を放つ司馬晋。楽しそうに笑う司馬晋の姿に怯え、殺気と気迫に気圧された"九燕"達は恐怖により動く事が出来なかった。

武将紹介

優駿(ゆうしゅん)

武力 47

知力 87

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


刹那(せつな)

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


公孫翔(こうそんしょう)

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


黄牙(こうが)

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


劉士元(りゅうしげん)

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


張翼(ちょうよく)

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


士龍(しりゅう)

武力 88

知力 67

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。


司馬晋(しばしん)

武力 93

知力 95

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。


周衛(しゅうえい)

武力 92

知力 78

忠誠 100


今は亡き優国、最強の将。九年の時を()て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。


袁剛(えんごう)

武力 93

知力 46

肥満 体型


怪力自慢で、燕国一の豪将。実家は中華料理屋で本人も料理が大好き。得意料理はエビチリ。……でも、辛いのは苦手だから食べられない。


淵麻凰(えんまおう)

武力 94

知力 89

九燕 筆頭


暗殺者一族"九燕"筆頭剣士であり、"九燕"総帥兼燕国四将軍の一人である。"剣竜"に匹敵。いや"剣竜"よりも実力が上回る暗殺者一族"九燕"を率いる長である。

二十九人とその数は少ないのだが、既に"天覇十傑"に匹敵する程の兵力を持っている。趣味は囲碁、将棋。実力は四級くらい。

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― 新着の感想 ―
やっぱ司馬晋強すぎーー!ついに本気を…? 袁剛の得意料理はエビチリ〜♪でも本人は食べれないんだ〜ww
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