第七十九話 「次なる目標」
「只今戻りました、優駿様。」
「あ、周衛将軍。お疲れ様。……それで、どうだったかな?」
城に戻り優駿に報告する周衛だが、その表情は何処か暗い物があった。
「残念ながら妹君、優眠様の行方を掴む事は出来ませんでした。……九年前、蛇国領にて他国の者が連れ去っていったと言う情報を最後に、それ以降の詳細が全く掴めておりません。恐らく我々が傘下に納めた五国ではなく、他の七国に連れ去られた可能性が高いと思われます。」
「そう……。ありがとう、周衛将軍。」
「いえ……。お役に立てず申し訳ありません、優駿様。」
祖国を取り戻し、蛇国を打ち倒して復讐を遂げた優駿。蛇国を討てば、きっと妹も見つかると優駿は思っていた。
まだ見ぬ妹を想い……。優駿は遠い目をしながら、まだ傘下に納めていない北の方角の景色を眺めていた。
「心配すんな、優駿!俺が残り七国をぶっ倒して、妹を探し出してやるぜ!!」
「あ、うん。……ありがとう刹那。」
祖国を解放し、親の仇である蛇国を打ち倒した優駿。そして優駿は行方不明の妹を探し出す為に、新たな戦いに挑む決意をする。
蛇国軍との戦いが終わり、早三ヶ月が経とうとしていた。
今迄の戦いとは違い領土が広くなった為、防衛の為の軍も必要となってくるのである。その為、公孫翔も事をかなり慎重に進めていた。
しかし翔国を守る為の地形は優駿達にとって、かなり有利な物となっている。
翔、葉、麗、優、蛇……。この五国を北の強国から守るには、たった二ヶ所に防衛線を張るだけで良かった。
その理由は大陸南方には険しい山々が聳え立っており、天然の要塞と化している為である。その為に険しい山々に守られている翔国は、かなりの地の利を得ていた。
その二ヶ所の内の一つ、西の葉国には"三英傑"の一人、李葉が長年に渡り築き上げた強固な砦があり。
東の蛇国には、蛇国王が奴隷達に作らせた巨大な防壁が建ち並んでいた。
この二ヶ所の防衛拠点が翔国にある限り、たとえ北側諸国から強国が攻めて来たとしても、並大抵の事ではびくともしないだろう。
そして優駿達が蛇国を打ち倒してから丁度三ヶ月が経った、ある日……。優駿達は公孫翔から呼び出され幹部達は皆、公孫翔の元に集まっていた。
「おっ!とうとう、次の戦が始まるのか?俺に任せろ!次こそは、大活躍してやるぜ!!……で?次は、何処の国を攻めるんだ?」
「次は燕国だよ、刹那。……恐らくね。」
意気揚々と猛る刹那。しかし、そんな刹那の問いに公孫翔ではなく、優駿が先に答える。
「……その通りだ。」
やはり公孫翔も同じ意見の様だ。
「ん?優駿。何で次、攻める国が燕国だって分かったんだ?」
翔国が攻めるべき国は、残り七国あるのだが……。その七分の一を、優駿が当てた事を不思議に思う刹那。
「それはね、刹那。残る七国の内、五国がかなりの強国だからだよ。だから必然的に僕達が攻めるのは、その五国以外の二国になるんだ。そしてその二国の内、隣接しているのが燕国だけだからね。答えは当然、燕国になるんだよ。」
帝、龍、宗、恭、星───。この五国は何れもかなりの強国であり、その中でも帝国は最強と噂されていた。そして帝国は"三英傑"の一人、王禅将軍が守護する国である。
卓上に各国より集めた地図を広げ、詳しい地形を確認する公孫翔達。
蛇国等、計五国を擁した公孫翔達は各国の地図を入手し、より詳しい地形が判明する事となった。
燕国は翔国と葉国の北に位置し、その南東に蛇国と言う地形となっている。
「じゃあ、燕国は弱い国なのか?蛇国より弱いってんなら、楽勝だな。」
「…………。」
しかし刹那の言葉に公孫翔はすぐに答えず……。公孫翔は少しの間、何かを考えている様子だった。
「蛇国よりかは、強い筈なんだがな……。」
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 88
知力 67
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。
「司馬晋」
武力 91
知力 93
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「周衛」
武力 92
知力 78
忠誠 100
今は亡き優国、最強の将。九年の時を経て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。




