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十国伝  作者: 魔神
蛇国編

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78/80

第七十八話 「十二分の五」

「行くよ……。」

"剣竜"の放つ奥義と同じ構えを取り、司馬晋の体に(まと)う空気が変化を始める。そして鋭い眼光で王禅を睨み、凄まじい殺気を放ちながら不敵に笑う司馬晋。


「……ほぅ。」

何かを感じ取ったのか、王禅は警戒し更に深く身構える。


──ザッ。

司馬晋の目が妖しい光を放った、その瞬間───。司馬晋は双剣を手に凄まじい速さで走り出し、全力で逃げ出して行った。


「……あ?」

司馬晋の予想外の行動に拍子抜けし、呆気に取られる王禅将軍。


「なんだ、あいつ……。全く、食えない野郎だ。」

「……追わなくても、よろしいのですか?」


「構わん。項飛の奴も、そろそろ待ち草臥(くたび)れている頃だろう……。帰るぞ、龐明。」

「はっ……。」


王禅と龐明の二人が城の外へ出ると、王禅将軍を出迎える為に二万の帝国兵が将軍の帰りを待っていた。

その(かたわ)らには大量の蛇国兵の亡骸が横たわり、それを討伐した二万の軍の将軍が王禅に話し掛ける。


「こっちは楽勝だったぜ、大将。このまま蛇国領も制圧するのか?」

「ご苦労だったな項飛、残念だが時間切れだ。余り長い間留守にしていると、龍大聖(やつ)が感付いて動き出す危険性がある。……と言うわけだ、帰るぞ野郎共!」


「ハッ……。」

「了解だ、大将!」



「……すると奴らは、あの後何もせずに引き上げたのか?」


臥所(ふしど)で休みながら、公孫翔は優駿からの報告を聞いていた。

落とした筈の蛇国城と蛇国領に一切見向きもせず、そのまま帝国に帰った王禅達に、何処(どこ)か少し()に落ちない様子の公孫翔。


「はい。王禅将軍率いる二万の軍は、あの後すぐに撤退したと報告が入ってます。」

「……ふむ。」


公孫翔は、王禅が話していた内容を思い出す。


『さっさと吐いた方が、身の為だと思うんだがな……。』

『お前達は何処(どこ)の国の者だ?素直に(しゃべ)った方が、身の為だと思うがな?』

『翔か……。なら、お前らに用は無い。良いだろう、見逃してやる。』


「……何かを探っていた?……いや、何処(どこ)の国の者なら用があった?」

「……?」


状況と短い会話から王禅の目的を探る公孫翔だが、やはり情報の少なさから何かを掴む事は出来なかった。


「やっと起きたか……。具合はどうだ?」


公孫翔が起きた事を知り、心配になり様子を見にくる黄牙。

幸いな事に二人の怪我は大した事無く、黄牙はすぐに起き上がり既に鍛練に励んでいた。


「なかなか起きねぇから、心配したぜ。……もう少し寝てろ。」

「すまない。心配掛けた様だな……。それと優駿、首尾の方はどうなっている?」


「はい。張翼さんと士龍に二万の軍を任せて、守備に就いてもらってます。あ、全体の軍の指揮は晋が取っています。後刹那が怪我で寝ていて、周衛将軍がこちらに合流する予定です。」


「……助かる。お前と司馬晋の二人が居てくれて、本当に助かっている。きちんと防衛線が張られてなければ他国からの侵攻を許し、今頃大変な事態になっていただろう。」


「いや、そんな……。僕なんて、まだまだですから。あはははは……。」


公孫翔が気を失っている間。守備の方は抜かり無く、優駿と司馬晋の二人が対策を講じていた。

優駿達は今まで翔国(ただ)一国のみであったが、今は違う。


翔、葉、優、麗、蛇───。蛇国を制し、蛇国の持つ四つの領土を支配下に納めた翔国は───。十二国中、五国を束ねる大陸屈指の強大国へと成長していた。

軍の強さはともかく、領土だけで言えば間違いなく大陸一の大国である。


……これには流石に、他の強国達も黙ってはいない。

翔国が五か国を支配下に置いた事は瞬く間に諸外国に知れ渡り、大陸一の領土を保持する強大国として睨まれるに事になるだろう。


防衛線をきちんと張り、他国の行動に注視しなければ……。一斉に攻められ、翔国自体が存亡の危機に晒される事となる。


この時、翔国を中心に大陸全土を揺るがす大きな戦いが始まろうとしていた。


『十国伝』「~二章~蛇国編」完結

次回 「~三章~燕国編」開始

武将紹介

優駿(ゆうしゅん)

武力 47

知力 87

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


刹那(せつな)

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


公孫翔(こうそんしょう)

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


黄牙(こうが)

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


劉士元(りゅうしげん)

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


張翼(ちょうよく)

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


士龍(しりゅう)

武力 88

知力 67

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。


司馬晋(しばしん)

武力 91

知力 93

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。


蓋亞(がいあ)

武力 92

知力 64

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。蛇国で一、二を争う猛将である。


雄流手我(おるてが)

武力 90

知力 46

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。趣味は犬のエサやり。


松朱(まつしゅ)

武力 88

知力 72

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。焼き芋大好き。


周衛(しゅうえい)

武力 92

知力 78

忠誠 100


今は亡き優国、最強の将。九年の時を()て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。


阿鈍(あどん)

武力 91

知力 32

漢気 90


蛇国が誇る猛将の一人。沙武遜とは相棒である。曲がった事が大嫌い、いつも正々堂々戦う武将である。だが頭が悪い為、良く分かってはいない。


沙武遜(さむそん)

武力 93

知力 27

漢気 95


蛇国軍、最強の将。阿鈍とは相棒の仲である。卑怯な事が大嫌いな愚直な男だが。かなり頭が悪く、良く分かってはいないらしい。


劉飛燕(りゅうひえん)

武力 95

知力 74

剣竜 筆頭


"剣竜"の里、総帥。"剣竜"筆頭剣士であり、最強の"剣竜"。負けて以来、劉士元をライバル視している。好物は煎餅(せんべい)


王禅(おうぜん)

武力 100

知力 75

十傑 最強の武


"天覇十傑"最強の"三英傑"の一人。"帝"国最強──。いや大陸最強の武を持つ男。王禅配下の"帝"国五将軍は"天覇十傑"にも引けを取らない実力者揃いである。更に、その内の一人は"天覇十傑"に名を連ねる猛将である。

姉と妹が()り、とても大事にしている。


項飛(こうひ)

武力 "天覇十豪"だから、多分高い。

知力 見た感じ低め。

自信 100


王禅配下、"帝"国五将軍筆頭。その実力は"天覇十豪"に名を連ねる程の猛者である。他の四人も"天覇十傑"に匹敵する程の強者揃いの中で、最強を誇る実力者である。

自信過剰過ぎるのがたまに傷だが、それだけの実力を兼ね備えている。


龐明(ほうめい)

武力 そこそこ

知力 帝国一の頭脳

常に クール


"帝"国五将軍の一人で、帝国一の頭脳を持つ軍師である。クールと言えば聞こえは良いが、どちらかと言うと暗めの性格。

友達は飼っている魚(主に鯰)。名前は髭丸。

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― 新着の感想 ―
司馬晋は謎のままでしたね〜♪ というか、蛇国を制覇したことで一気に半分の国を獲ったことになったのですね!いきなり凄い! 新章楽しみにしてます\(^o^)/ あ、あらすじ変わりました?
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