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十国伝  作者: 魔神
蛇国編

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第七十六話 「神技〈じんぎ〉」

──ズガガガガガガガガッ!!

凄まじい攻防を繰り広げる二人の"剣竜"。劉飛燕の放つ目にも止まらぬ無数の剣閃を、涼しい顔で全て防ぎ切る劉士元。

……それに比べ飛燕の表情からは、かなりの(あせ)りと動揺が感じられた。


「ぐっ……。貴様ァ!!」

全ての斬撃を(ことごと)く防がれ、激しく(いきどお)る劉飛燕。


──ガキィン!!

「まだ俺とお前の、力量の差が分からないのか?飛燕。」


「ほざけぇ!!」

劉飛燕は怒りに身を任せ、剣竜暗殺剣秘技"鳳凰天舞"を放つ。


──ガガガガガガガッ!!

だがその高速で飛来する無数の斬撃を、絶技"龍王連牙"を繰り出し、完璧に(さば)き切る劉士元。


「ぐっ、貴様……。」

無傷の劉士元に対し、飛燕は両腕と肩に無数の手傷を負っていた。


余談ではあるが士元は、まだ全力を出してすらいない。しかし、それでも飛燕は士元の放つ斬撃に対応出来てはいなかった。

……両者の間には、それ程迄実力に差があったのである。


「飛燕。貴様に一つ、面白い奥義を見せてやろう……。二百年前───。大陸の覇を賭け争った、あの伝説の戦いの時。我等の祖が、同じ最強を自負(じふ)する暗殺者一族"虎空(こくう)"を討ち取った奥義を!」


「……なんだと!?」

士元は剣を(さや)に納め、まるで弓を引くかの様に剣を高く掲げた。


「何だ?……その奇妙な構えは!?」

「"虎王斬撃"。……それが、この技の名だ。覚えておくが良い。」


「貴様……。剣を(さや)に納めたままで、この俺に勝つ気なのか?俺を……。この俺を愚弄する気か士元!!!」


怒る飛燕は一気に距離を詰め、無防備の劉士元に凄まじい速度で斬りかかっていった。だが───。


「その身に、刻め!」

目を見開く、士元。

──ザシュ!


──神速の抜刀。

それは正に、神の如き速さの一撃であった。士元が柄に触れた、その瞬間。……その刃は、飛燕の体を斬り裂いていた。


「がはっ……。」

ドサリと地に沈む"剣竜"総帥、劉飛燕。士元は剣を鞘に納めながら、静かに飛燕に告げる。


「剣竜二刀流暗殺剣、神技"虎王斬撃"。急所は外しておいた、(しばら)くすれば(じき)に動く事が出来るだろう……。俺は逃げもかくれもせん。傷が癒えたら、何時(いつ)でもかかってこい。」


「士元、貴様……。ぐっ……。」

そして飛燕は、そのまま気を失っていった。



「で?お前達は、何処(どこ)の国の人間だ?」

王禅は蛇国王の体を斬り裂いた後、ゆっくりと階段を降り五人に近付いて行った。


「どうした?……まあいい。答えたくなければ、こいつで斬るだけの話よ。」

そう言って巨大な矛に力を込め振りかぶる、帝国最強の将王禅。


──ザッ!

その一撃は、(あま)りにも速過ぎた。それは刹那の目には(とら)え切れず、いつ王禅が攻撃を放ったのかすら分からなかった。……そして巨大な矛は、公孫翔に恐ろしい速さで襲いかかる。


──ガキィン!!

攻撃を間一髪で受け止める黄牙。


「黄牙!!」

「ぐぅっ……。」

──ドガッ!!

だがその威力に耐えきれず、二人は吹き飛ばされ激しく壁へと打ち付けれる。


「がはっ……。」

「…………。」

気を失う公孫翔。黄牙も同様に激しく頭を打ち、(くら)みながらも必死に立ち上がろうとするのだが……。手足が痺れ、すぐに立ち上がる事が出来なかった。


「そんな、黄牙さんが……。」

圧倒的強さを誇る王禅。それは正に、最強の化け物だった。


「もう一度、聞く……。お前達は何処(どこ)の国の者だ?素直にしゃべった方が、身の為だと思うがな?」


「翔国だ……。」

ここは素直に喋った方が賢明だと判断し、王禅の問いに答える張翼。


「翔か……。なら、お前らに用は無い。良いだろう、見逃してやる。」

そう言って、二人は外へと向かって行った。……しかし王禅は何かを思いだし、ピタリとその足を止める。


「まてよ、翔国か……。思い出した。」

王禅は振り返り、立っている()()に問い掛けた。


「……厳狼を討ち取ったのは、どいつだ?」

三人の視線が、倒れている黄牙へと集まる。


「俺だよ!」

息を荒げながらも(かろ)うじて立ち上がる黄牙だが、既に立っているだけで限界だった。


「貴様か……。」

王禅の表情が荒々しく変わり、鋭い目で黄牙を睨み付ける。


「引退した老人一人討ち取った程度で、いい気になるなよ小僧!」

「な、なんだと……ぐっ!?」

言い返そうとするも目が(くら)み、黄牙はその場に崩れ去った。


「所詮奴は、この俺から逃げた弱者よ……。」

そう言い残し、二人はこの場から去って行った。


「はぁ、はぁ……。何だよ、あの化け物は……。」

刹那は恐ろしさのあまり、全く動く事が出来なかった。……いや、それは士龍も張翼も同じである。


公孫翔も同様、黄牙が王禅将軍の一撃を防がなければ今頃命は無かった事だろう。

この五人の中で動く事が出来たのは、黄牙(ただ)一人だけなのである。……この五人をも圧倒する化け物の存在に、刹那は絶望に打ち(ひし)がれていた。


──コツコツ。

敵城の中にも関わらず、悠々と歩く王禅将軍。……しかし、そんな王禅を待ち構える一人の剣士の姿があった。


その人物は王禅将軍の前で一切怯む事を無く、腕を組みながら壁に背を預け呑気(のんき)(もた)れ掛かっていた。

──"天覇十傑"最強の将を悠然と待ち構え、双剣を携え鋭い眼光を走らせる一人の剣士。


「ほぅ……。面白い小僧だ。先程の連中は何も出来ず、(ただ)俺の前で子羊の様に震えて居たんだがな。」


「へぇ……。」

その剣士はゆっくり歩き出し、鋭い眼光で王禅を睨み付ける。そして、その剣士は───。いや司馬晋は双剣を構え、凄まじい殺気を放ちながら不敵に笑っていた。

武将紹介

優駿(ゆうしゅん)

武力 47

知力 87

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


刹那(せつな)

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


公孫翔(こうそんしょう)

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


黄牙(こうが)

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


劉士元(りゅうしげん)

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


張翼(ちょうよく)

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


士龍(しりゅう)

武力 88

知力 67

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。


司馬晋(しばしん)

武力 91

知力 93

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。


蓋亞(がいあ)

武力 92

知力 64

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。蛇国で一、二を争う猛将である。


雄流手我(おるてが)

武力 90

知力 46

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。趣味は犬のエサやり。


松朱(まつしゅ)

武力 88

知力 72

蛇国 三連星


蛇国三連星の一人。三人揃えば必殺技、乱気流攻撃が可能。焼き芋大好き。


周衛(しゅうえい)

武力 92

知力 78

忠誠 100


今は亡き優国、最強の将。九年の時を()て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。


阿鈍(あどん)

武力 91

知力 32

漢気 90


蛇国が誇る猛将の一人。沙武遜とは相棒である。曲がった事が大嫌い、いつも正々堂々戦う武将である。だが頭が悪い為、良く分かってはいない。


沙武遜(さむそん)

武力 93

知力 27

漢気 95


蛇国軍、最強の将。阿鈍とは相棒の仲である。卑怯な事が大嫌いな愚直な男だが。かなり頭が悪く、良く分かってはいないらしい。


劉飛燕(りゅうひえん)

武力 95

知力 74

剣竜 筆頭


"剣竜"の里、総帥。"剣竜"筆頭剣士であり、最強の"剣竜"。負けて以来、劉士元をライバル視している。好物は煎餅(せんべい)


王禅(おうぜん)

武力 100

知力 75

十傑 最強の武


"天覇十傑"最強の"三英傑"の一人。"帝"国最強──。いや大陸最強の武を持つ男。王禅配下の"帝"国五将軍は"天覇十傑"にも引けを取らない実力者揃いである。更に、その内の一人は"天覇十傑"に名を連ねる猛将である。

姉と妹が()り、とても大事にしている。

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― 新着の感想 ―
劉士元はやっぱ強い!!神技見せてくれましたねー!♪ というか王禅強すぎー!! え、司馬晋くん大丈夫なの??
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