第百二話 「恭国軍」
──二日後。
公孫翔は四万の軍を率い、恭国領へと進軍を開始した。
迎え撃つは三将軍、朱真、鄭羽、夏侯炎率いる六万の恭国軍。……そして、その三人は大陸全土に名を轟かせる"天覇十傑"の大将軍達である。
「おいおい、"天覇十傑"が三人とか洒落になんねーよな。全く。」
そう進軍中に、ぼやく張翼の姿があった。
「お?何だ、びびってんのか?張翼。だらしねーな。」
「何だと、テメェ……。そう言う台詞は一度でも俺に勝ってから言え!」
恭国と決戦前の進軍中にも関わらず、喧嘩を始める刹那と張翼。
「んだと、テメェ……。今すぐ、ここで殺ってやろうか!?」
「ははっ、百回以上負けっぱなしなのに良く吠えられるな!全く、懲りない野郎だ。良いぜ?かかってきな!」
そして二人は木剣を手に、全力で殴り合いを始めた。
「はははっ……。本当仲良いな、あいつら。」
「そ、そうだね……。」
その様子を見て笑う黄牙と優駿。優駿も当初は心配していたのだが……。もう今では何時もの事なのだと、すっかり慣れてしまっていた。
「そこまでにしておけ二人共、すぐにでも恭国との決戦が始まるからな。」
「へーい、分かったよ。」
「了解だ。」
どうやら二人は公孫翔の言う事は、素直に聞く様である。
「で?今回の作戦はどうするんだ?このまま突撃か?」
とりあえず何一つ考えず、突撃か否かを聞く刹那。
普通なら、その様な事は有り得ないのだが……。今回は少し、話が違ってくる。
そう、この戦いに勝つ為には短期決戦に臨まなくてはならないのだ。
幾ら宗国が強国と言えど、何時までも龍大聖の居る龍国軍を抑え込むのは難しいと言えるだろう。
公孫翔達がこの戦いに勝利する為には、龍大聖が動き出す前に"天覇十傑"の三将を討つ必要があった。
「そうだな。今回の作戦は───。」
そして相対する翔国軍四万と、恭国軍六万。
──オオオオオオオオ。
流石に三人の"天覇十傑"を前にして、緊張が高まる翔国兵達。
「突撃開始!」
──ドドドドドドドドド!!
恭国総大将朱真の号令と共に、遂に六万の強国軍が進撃を開始する。
朱真将軍率いる騎馬隊は、大陸最強と言われていた。その騎馬隊を前に押し出し、先頭を駆ける"天覇十傑"朱真将軍。
そして朱真は軍を三つに分け、翔国軍を包囲する様な形で進軍していく。
「おい!俺達は、どうするんだ?」
恭国軍が突撃を開始したにも関わらず、全く動く様子がない公孫翔に痺れを切らし、刹那が慌てて問い掛ける。
──そう、この戦いは急がなければならなかった。龍大聖が動き出す前に、何としても三将軍を討たねばならないのである。
そうなると必然的に、公孫翔が取る策略は決まってくる。短期決戦を挑まなければならない公孫翔が取る、その策略とは───。
「籠城だ。」
「……は?」
その言葉に、目が点になる刹那。
「退け!全軍撤退だ!!」
「は?何だよ、そりゃ……。」
「ははははっ。」
呆気に取られる刹那。そして"天覇十傑"の将三人を前にしても怖じ気付く事無く、公孫翔は楽しそうに笑っていた。
「…………。」
撤退を始める翔国軍の姿に何も言葉を発さず、朱真は只その様子を鋭い目で眺めていた。
──ドドドドドドドドド!
急ぎ馬を走らせ、撤退する公孫翔達。作戦の全容を知らされている筈の優駿でさえも、今回の作戦は理解し難い物があった。
「公孫翔さん。相手が追って来なかったら、どうするんですか?」
そう恭国側には、この戦いを急ぐ理由など何一つ無い。恭国には、あの"三英傑"龍大聖が付いているのである。
龍大聖と連携を取り、長期戦に持ち込めば翔国軍との戦いを有利に運ぶ事が出来る筈なのだから───。
「流石に追って来ないと思いますよ……。」
馬を走らせながら、動きを止めている恭国軍の姿を見て心配そうに漏らす優駿。
「追って来なければ、その時はその時だ。また違う手を考えるさ……。」
この様な状況でも、何時もの様に笑う公孫翔だった。
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 88
知力 67
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。
「司馬晋」
武力 93
知力 95
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「周衛」
武力 92
知力 78
忠誠 100
今は亡き優国、最強の将。九年の時を経て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。
「徐栄」
武力 パナイ
知力 ヤバい
連合 軍総大将
"天覇十傑"に名を連ね、"三英傑"に匹敵する実力を持つと言われている。宗、龍、恭、三国連合軍では、龍大聖を押し退けて総大将を務める程の大将軍である。
割りと若く、まだ二十代。……かなりの甘党。
「陸閃」
武力 化け物らしい
知力 普通
連合 軍の切り札
宗国の将軍。"天覇十傑"ではないものの最強の将、王禅を討つ切り札と呼ばれる少年。年は十六才。まだ若いが武の才は本物で、天賦の才を持つ。
「朱真」
武力 かなりヤバイ
知力 軽くヤバイ
騎馬 隊が強くて有名
恭国筆頭将軍。朱真将軍率いる騎兵団は大陸最強と名高く、よく帝国王禅将軍の騎馬隊とどちらが強いのかと噂される程である。
"天覇十傑"の一人で、常に冷静な猛将である。常に近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、部下の面倒見は良い。年齢は、割りと若い。
「諸葛麟」
武力 非力
知力 割りと高い
祖父 が最強
龍国丞相を務めている。
"三英傑"の一人、龍大聖の孫娘。ちなみに祖父は相国。
祖父である龍大聖程では無いが、かなり知略に長けている。どちらかと言うとほのぼの思考で、戦争はあまり好きなタイプでは無い。
餡蜜大好き。甘露大好き。食べるの大好き。でも太るのがちょっぴり怖い、お年頃……。
「諸葛龍」
武力 秘密
知力 100
超絶 カッコいいお爺ちゃん
龍大聖と呼ばれる龍国の英雄。祖国を救った英雄であり、大陸一の天才軍師と言われている。三国連合軍の副将を務め、二十万を超える大軍勢の指揮を一手に担っている。
「楽勝」
武力 そこそこ
知力 割りと高め
相当 ヤバい奴
狼国の副隊長。司馬晋の配下である。元盗賊の頭で、残忍な性格をしている。司馬晋に実力を認められ、配下になった経緯がある。
「諸葛龍」
武力 97
知力 97
年齢 19
四十年前の若かりし頃の龍大聖。この大陸の戦術を確立させた天才であり、救国の英雄である。
「王凱」
武力 98
知力 52
当時 最強
王禅将軍の祖父。間違い無く、当時最強の将軍である。ちなみに王禅将軍の母方の祖父である。王禅のお母さんも、有名な将軍だったりする。
「村雨」
武力 94
知力 94
当時 は大陸一の知将
龍大聖が戦術を確立させるまで、大陸最強の知将であった。龍大聖が編み出した兵法により、昔の軍師は今と比べると、イマイチの評価と成り下がった。当時は最強なのよ?




