第百一話 「三国の中で、一番の弱国」
「おー!すげーな龍大聖、やるじゃねーか!」
戦術には全く興味を示さなかった刹那だが……。龍大聖の活躍ぶりには、大変驚いている様子であった。
「それでね、それでねっ。他にも龍大聖には沢山の武勇伝があってね。」
優駿の話は止まらずに、長々と続いていく……。
「あっ!後やっぱり凄いのは、龍大聖が兵法を確立させた事だよね。この大陸にある様々な兵法のほとんどは、龍大聖が作って纏めた物なんだよ。だから龍大聖が世に出るまでとは、戦術その物が全く違っているんだ。」
優駿は、とても楽しそうに話を続けていった。まるで子供の様に、嬉しそうに龍大聖の武勇伝を語る優駿だが……。
「王凱将軍と、互角に渡り合うなんて……。すげーな龍大聖!」
「……え?そこ!?待って刹那、そこだけなの?」
やはり戦術には全く興味を示さない刹那。……そしてそれを知り、がっくりと肩を落とす優駿であった。
後日。公孫翔は龍、恭連合軍との決戦の為、宗国筆頭将軍である徐栄将軍との会談に臨んだ。
宗国にも軍師は複数人、存在するものの……。両国の中で、一番知力に長けている人物はだれなのか?と聞かれれば、その答えは当然ながら公孫翔となる。
徐栄は、その事を良く理解していた。この短期間で大陸の半分である、六国を制した王なのだ。……その知略と手腕を疑う者など、一人も居る筈がなかった。
そして龍、恭の二国は必ず龍大聖が策を練ってくるのは言うまでもない。
龍大聖が指揮をする二ヵ国連合軍に必ず勝利する為に、徐栄は作戦の全てを公孫翔に任せる事にした。
「一日で良い……。一日だけ、龍大聖率いる十二万の軍を抑えてくれて。その間に翔国軍が、恭国を討つ。」
公孫翔の策とは、大陸一の知略を誇る龍大聖と恭国が連携する前に切り離し、分断させて各個撃破すると言う物であった。
相手は大陸一の知略を誇る龍大聖である。勿論公孫翔の策に気が付き、何かしら対策を講じてくる事は間違いないだろう。
しかし公孫翔には勝算があった。八万の宗国軍が龍大聖率いる十二万の軍を抑えてくれているのなら……。龍大聖は、その優れた知略を思う存分に発揮出来ないのだ。
流石に龍大聖と言えども、遠く離れた恭国軍を指揮する事など出来ないのだから……。
そうすると優れた軍師が一人も居ない恭国には、公孫翔率いる翔国軍に抗う術が無くなってしまうのである。
そして翔国軍の持つ、圧倒的武力。たとえ恭国に優れた武将が何人居ようとも、翔国にはそれ以上に頼もしい将軍達が居るのだから───。
「決戦は明後日。……抜かるなよ、お前ら。」
「おおよ、任せとけ!」
遂に龍、恭連合軍との決戦の日が決まり、士気が高揚する翔国軍。そして刹那は次なる戦いで必ず武功を挙げてやるのだと、特に息を巻いていた。
公孫翔達の、次なる相手は恭国である。
「んで?宗と恭なら、やっぱり恭の方が弱いのか?」
公孫翔は三国の中で、一番手強いと思われる龍国を選ばなかった。恭国ではなく宗国を選んだのなら……。必然的に宗国の方が強いのではないかと、刹那が考えるのも無理も無い話だろう。
「だろうな……。宗には、ある程度の軍師が揃っているしな。それに、"切り札"の存在もある。」
やはり公孫翔も同じ考えの様である。つまり───。
「なら、三国の中で恭国が一番弱いのか?」
「そうなるな。」
三国の中で一番の強国が何処かは、人によって意見が分かれる事だろう。……しかし三国の中で一番の弱国が、恭国である事を刹那は理解した。
「はーん。なら、次の戦いも楽勝なんだな?」
「…………。」
「…………。」
刹那の発言に、全員が静まり返る。
「ん?どうした、お前ら?」
「刹那、何か忘れてない?……恭国には、あの将軍達が居るんだよ?
「……あっ!」
そう恭国には"天覇十傑"に名を連ねる大将軍、朱真将軍が居るのである。……その事を思い出した刹那は、恭国が決して楽な相手では無い事を理解した。
「思い出した様だな、刹那。そうだ、恭国には"天覇十傑"に名を連ねる大将軍、朱真が居る。それに朱真率いる騎馬隊は大陸最強と名高い。まともに殺り合うと、苦戦は免れないだろうな……。そして、何より厄介なのは───。」
──そう、恭国には。
「"天覇十傑"に名を連ねる大将軍が、三人も居る事だ。」
恭国には優れた軍師など、一人も存在しない。そして兵力も、他国と比べて劣ってる事だろう。
……しかし、それを補って余る程の武力が恭国にはあった。
──恭国三大将軍。
"天覇十傑"の一人、恭国筆頭将軍、朱真将軍。
"天覇十傑"の一人、鄭羽将軍。
"天覇十傑"の一人、夏侯炎将軍。
その三人は間違い無く、大陸全土に名を轟かせる"天覇十傑"の大将軍達である。
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 88
知力 67
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。
「司馬晋」
武力 93
知力 95
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「周衛」
武力 92
知力 78
忠誠 100
今は亡き優国、最強の将。九年の時を経て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。
「徐栄」
武力 パナイ
知力 ヤバい
連合 軍総大将
"天覇十傑"に名を連ね、"三英傑"に匹敵する実力を持つと言われている。宗、龍、恭、三国連合軍では、龍大聖を押し退けて総大将を務める程の大将軍である。
割りと若く、まだ二十代。……かなりの甘党。
「陸閃」
武力 化け物らしい
知力 普通
連合 軍の切り札
宗国の将軍。"天覇十傑"ではないものの最強の将、王禅を討つ切り札と呼ばれる少年。年は十六才。まだ若いが武の才は本物で、天賦の才を持つ。
「朱真」
武力 かなりヤバイ
知力 軽くヤバイ
騎馬 隊が強くて有名
恭国筆頭将軍。朱真将軍率いる騎兵団は大陸最強と名高く、よく帝国王禅将軍の騎馬隊とどちらが強いのかと噂される程である。
"天覇十傑"の一人で、常に冷静な猛将である。常に近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、部下の面倒見は良い。年齢は、割りと若い。
「諸葛麟」
武力 非力
知力 割りと高い
祖父 が最強
龍国丞相を務めている。
"三英傑"の一人、龍大聖の孫娘。ちなみに祖父は相国。
祖父である龍大聖程では無いが、かなり知略に長けている。どちらかと言うとほのぼの思考で、戦争はあまり好きなタイプでは無い。
餡蜜大好き。甘露大好き。食べるの大好き。でも太るのがちょっぴり怖い、お年頃……。
「諸葛龍」
武力 秘密
知力 100
超絶 カッコいいお爺ちゃん
龍大聖と呼ばれる龍国の英雄。祖国を救った英雄であり、大陸一の天才軍師と言われている。三国連合軍の副将を務め、二十万を超える大軍勢の指揮を一手に担っている。
「楽勝」
武力 そこそこ
知力 割りと高め
相当 ヤバい奴
狼国の副隊長。司馬晋の配下である。元盗賊の頭で、残忍な性格をしている。司馬晋に実力を認められ、配下になった経緯がある。
「諸葛龍」
武力 97
知力 97
年齢 19
四十年前の若かりし頃の龍大聖。この大陸の戦術を確立させた天才であり、救国の英雄である。
「王凱」
武力 98
知力 52
当時 最強
王禅将軍の祖父。間違い無く、当時最強の将軍である。ちなみに王禅将軍の母方の祖父である。王禅のお母さんも、有名な将軍だったりする。
「村雨」
武力 94
知力 94
当時 は大陸一の知将
龍大聖が戦術を確立させるまで、大陸最強の知将であった。龍大聖が編み出した兵法により、昔の軍師は今と比べると、イマイチの評価と成り下がった。当時は最強なのよ?




