第百話 「救国の英雄」
──龍国城。
その頃、既に守りの要である霊陣将軍が討たれ、龍国城は絶望的な状況へと追い込まれていた。
周囲の城を全て落とし、龍国城を取り囲む王凱将軍率いる六万の大軍勢。
「そんな、霊陣将軍が敗れるなど……。」
「ぐっ!援軍は、まだ来ぬのかっ!!」
龍国城を囲む帝国軍の恐ろしさに、龍国は恐怖に撃ち震えていた。
この絶望的な状況を悟り、龍国国王や大臣達は降伏せざるを得ない事を理解する。
しかしそんな絶望的な状況の中、龍国の窮地を救う為───。
救世主の如く現れる、諸葛龍。
──ドドドドドドドドドド!!
「ん?あれは味方の軍か?……一体、何処の軍だ?」
諸葛龍隊に気が付く大臣達ではあるが……。この様な絶望的な状況の中で、たった一万の援軍では安心など出来る筈が無かった。
「まだ龍国兵の生き残りが居たようだな。」
「数は少ないな、一万って所か……。」
「はははっ!今更たった一万で、何が出来ると言うのだ?」
既に勝った気で居る帝国兵達は、一万と少ない兵力の諸葛龍隊を鼻で笑っていた。
しかしその一万の軍は"三英傑"の一人、王凱率いる六万の軍勢を前にしても、全く怖じけずく事なく勇敢に立ち向かって行く。
そして槍を構え、悠然と六万の軍の前に立つ諸葛龍。
「ふん。まだ、この俺に歯向かう気力が残っている将が居るとはな……。しかし貴様等龍国の要、霊陣はこの俺が討ち取ってやったわ!……無駄に生を捨てる事もあるまい。武器を捨てて投降せよ!」
王凱将軍は、諸葛龍率いる一万の軍に投降する様に促した。
しかし───。
「既に勝った気で居る様だが、こちらも"三英傑"の一人、村雨を討ち取っている。後は王凱、貴殿の首級を上げれば俺達の勝ちよ!」
その虚言を聞き、激しい憤りをおぼえる王凱将軍。
「ふざけるな!貴様等如き雑兵に討たれる村雨ではないわ!」
「……それは、どうかな?」
ニヤリと笑う諸葛龍、それと同時に王凱の元に早馬が届く。
「急報!急報!たっ、大変です!村雨将軍が討たれたとの事です!」
「何だとっ!?」
「……あの村雨将軍が、討たれただと?」
「馬鹿なっ!?村雨将軍は"三英傑"の一人だぞ!?そんな物、誤報に決まっている!!」
その有り得ない早馬の報告に……。帝国兵達は皆、自分の耳を疑っていた。
「討ったのは、貴様か?」
王凱は鋭い目で諸葛龍を睨み付ける。
「"三英傑"村雨は、この諸葛龍が討ち取った。……次はお前だ、王凱!!」
諸葛龍も又、鋭い目で王凱将軍を睨み付ける。……そして諸葛龍は槍を構え、王凱将軍の元へと突き進んで行った。
「ほざくな!若造がっ!!」
王凱も同様に巨大な矛を構え、諸葛龍に斬りかかる。
──ガキィン!
激しく撃ち合う両雄。
──ドゴォ!!
敵味方関係無く、兵達は両者の闘いを固唾を飲んで見守っていた。
「あいつ……。あいつは、あんなにも強かったのか?」
諸葛龍の強さに、敵兵士だけでなく味方の兵達まで驚愕していた。
それもその筈だろう。王凱将軍は"三英傑"に名を連ねる大陸最強の大将軍なのである。
その様な、一騎当千の猛者である王凱と互角に渡り合う諸葛龍の武に───。味方の兵達は震え、そして大きな歓声を上げた。
「何だ、あの若者は……。この龍国に王凱と互角に渡り合える程の強者が、まだ居たと言うのか?」
「あの者は一体、何者なのだ!?」
両雄の闘いに驚愕し、驚きの声を上げる大臣達。
──ドガッ!!
「ぐっ……。」
しかし圧倒する王凱将軍の武に、諸葛龍は次第に劣勢へと追い込まれていった。
諸葛龍は理解していた。自分の武では到底、王凱には勝てない事を……。
しかし諸葛龍には、他に打つ手が見付からなかったのである。たとえ天才的知力を誇る諸葛龍であっても、この様な劣勢に追い込まれた中からでは勝機を見出だす事は出来なかった。
諸葛龍達が勝利する為の条件。……それは他国からの援軍が到着する事である。
この一万の軍だけでは王凱率いる六万の軍に、絶対に勝てない事を諸葛龍は理解していた。
──バキッ!!
「……がはっ!?」
王凱将軍が放つ、強力無比な一撃が諸葛龍に襲いかかる。
「思っていたよりは、やるようだな小僧!だがその程度では"天覇十傑"最強の、この俺には勝てぬわ!!」
「フッ……。」
しかし劣勢に追い込まれる中で、諸葛龍は笑っていた。
「確かに、俺は一騎打ちで貴殿に勝利する事など出来ないだろう。……だが俺は、この戦いを勝利に導く事は出来る!」
「今更、何をほざくか小僧!?」
当然ながら、その様な世迷い言を信じる王凱将軍ではない。
──しかし。
「刻だ王凱、見よ!……この戦い、俺達の勝利だ!!」
高々と手を掲げ、天を指差す諸葛龍。
「何ぃ!?」
そしてその先の森には、進軍する各国の旗が掲げられていた。
「ふっ、何とか間に合った様だな……。」
援軍の姿を確認し、安堵する諸葛龍。
「敵の増援かっ!?」
「どうするんだ?……一旦、退いた方が良いのか?」
恭、宗、燕、蛇、優、葉……。迫りくる、各国の旗に驚愕する帝国兵達。
「ちっ、時間切れの様だな。ここは退くしかあるまい。」
流石の王凱も劣勢と判断し、退くしかない事を理解していた。
「……貴様、名は何と言う?」
──ドガラッ!
王凱は諸葛龍を一人の強者と認め、馬の踵を返しながら名を尋ねた。
「諸葛龍だ。」
そして大将軍に全く動じる事無く、堂々と名を名乗る諸葛龍。
「覚えておいてやろう、精々首を洗って待っておけ。」
「ははは……。」
そして王凱将軍率いる、六万の帝国兵達は去っていった。
「凄ぇな、お前。まさか、あの王凱将軍と一騎打ちで互角に殺り合うとはな……。」
「ははははは、本当に援軍無しで帝国軍に勝っちまうなんてな……。全く大した奴だよ、お前は。」
勝利の立役者である諸葛龍の周りには、各隊長達が集まっていた。
……そう、実際には援軍など来ていなかったのである。
援軍が来ない事を理解していた諸葛龍は、すぐに味方の兵達に似たような旗をつくらせていた。
そして頃合いを見計らい、援軍が来たと思わせる様に森に掲げさせたのである。
普通に掲げただけでは、流石に引っ掛かる筈も無かっただろう。
"三英傑"の一人、村雨将軍を討ち取った諸葛龍の存在が、帝国軍を撤退させたのである。
一万の兵の手助けはあったものの……。諸葛龍はたった七百人だけで"三英傑"村雨を討ち取り、王凱将軍率いる六万の軍を退けたのである。
武将紹介
「優駿」
武力 47
知力 87
主人公 オーラがあまり無い。
一応これでも主人公。
亡き国、優国の王子。
生き別れの妹を探している。
祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。
頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。
こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。
「刹那」
武力 89
知力 54
髪型 95 かなり気合い入れてる。
村の自警団の一員。
剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。
でも頭の方は、お察し。
綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。
「公孫翔」
武力 92
知力 99
髪型 98 美容院通ってるの!?
朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。
「黄牙」
武力 96
知力 77
自称 最強剣士。
公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。
「劉士元」
武力 97
知力 67
暗殺 最強の一族
大陸最強の暗殺者一族、"剣竜"。
「張翼」
武力 94
知力 87
自分 大好き
翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。
「士龍」
武力 88
知力 67
努力 家
志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える所もある。
「司馬晋」
武力 93
知力 95
糸目 開眼しないタイプの糸目。
掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。
「周衛」
武力 92
知力 78
忠誠 100
今は亡き優国、最強の将。九年の時を経て再び優駿と再会を果たす。猫より犬派。
「徐栄」
武力 パナイ
知力 ヤバい
連合 軍総大将
"天覇十傑"に名を連ね、"三英傑"に匹敵する実力を持つと言われている。宗、龍、恭、三国連合軍では、龍大聖を押し退けて総大将を務める程の大将軍である。
割りと若く、まだ二十代。……かなりの甘党。
「陸閃」
武力 化け物らしい
知力 普通
連合 軍の切り札
宗国の将軍。"天覇十傑"ではないものの最強の将、王禅を討つ切り札と呼ばれる少年。年は十六才。まだ若いが武の才は本物で、天賦の才を持つ。
「朱真」
武力 かなりヤバイ
知力 軽くヤバイ
騎馬 隊が強くて有名
恭国筆頭将軍。朱真将軍率いる騎兵団は大陸最強と名高く、よく帝国王禅将軍の騎馬隊とどちらが強いのかと噂される程である。
"天覇十傑"の一人で、常に冷静な猛将である。常に近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、部下の面倒見は良い。年齢は、割りと若い。
「諸葛麟」
武力 非力
知力 割りと高い
祖父 が最強
龍国丞相を務めている。
"三英傑"の一人、龍大聖の孫娘。ちなみに祖父は相国。
祖父である龍大聖程では無いが、かなり知略に長けている。どちらかと言うとほのぼの思考で、戦争はあまり好きなタイプでは無い。
餡蜜大好き。甘露大好き。食べるの大好き。でも太るのがちょっぴり怖い、お年頃……。
「諸葛龍」
武力 秘密
知力 100
超絶 カッコいいお爺ちゃん
龍大聖と呼ばれる龍国の英雄。祖国を救った英雄であり、大陸一の天才軍師と言われている。三国連合軍の副将を務め、二十万を超える大軍勢の指揮を一手に担っている。
「楽勝」
武力 そこそこ
知力 割りと高め
相当 ヤバい奴
狼国の副隊長。司馬晋の配下である。元盗賊の頭で、残忍な性格をしている。司馬晋に実力を認められ、配下になった経緯がある。
「諸葛龍」
武力 97
知力 97
年齢 19
四十年前の若かりし頃の龍大聖。この大陸の戦術を確立させた天才であり、救国の英雄である。
「王凱」
武力 98
知力 52
当時 最強
王禅将軍の祖父。間違い無く、当時最強の将軍である。ちなみに王禅将軍の母方の祖父である。王禅のお母さんも、有名な将軍だったりする。
「村雨」
武力 94
知力 94
当時 は大陸一の知将
龍大聖が戦術を確立させるまで、大陸最強の知将であった。龍大聖が編み出した兵法により、昔の軍師は今と比べると、イマイチの評価と成り下がった。当時は最強なのよ?




