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ワープの松さん ~普通の会社員、ワープを副業にしてFIREを目指します~  作者: 松さん
第5編豪雨災害編

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第54話 飛行機4機で375万円?

今日は航空会社の仕事だ。


羽田空港に来て、いつもの水泳帽とミラーゴーグル、マスクを着ける。


今回の仕事は、飛行機4機を使ったワープ特別便の実証運航。


羽田から新千歳。新千歳から福岡。福岡から那覇。そして那覇から羽田へ戻る。


俺はそれぞれ別の飛行機を担当する。


月1回程度、約1時間。


前に航空会社と話し合って決めた、俺の希望する働き方だ。


「おはようございます、空中スイマーさん」


「おはようございます」


集合場所には白石さんがいた。


「今日は白石さん、飛行機には乗らないんですよね?」


「はい。今回は地上で連絡調整を担当します」


「じゃあ、終わったらまたここで?」


「そうですね。終了後の報告もありますので」


「了解です」


航空会社の担当者と合流して、打ち合わせ用の部屋へ向かった。


机には今日の運航予定が並んでいる。


4機の飛行機。


それぞれの出発時刻と、ワープを実施する予定の区間。


到着予定時刻は、ワープが成功した場合と、通常飛行へ切り替えた場合で分けて管理するらしい。


「……これ、準備するの大変だったんじゃないですか?」


担当者がうなずいた。


「はい。各空港の発着枠や航空管制との調整が必要でしたので」


「ですよね」


「ワープで移動時間を短縮できても、ほかの航空機がいなくなるわけではありません。各空港の受け入れ態勢も必要です」


「そりゃそうか」


俺一人なら、見える場所をつないで好きなところへ行ける。


でも飛行機は違う。


乗客がいるし、操縦士もいる。


管制も空港も、ほかの飛行機も関係する。


俺が勝手にワープさせて、あとはよろしく、というわけにはいかない。


「今回は事前に各便の運航計画を調整しています。ワープが実施できない場合の扱いも含めて、関係機関と確認した条件で実施します」


「なるほど」


「ただし、今回できたからといって、どの路線でも同じ方法で運航できるとは限りません」


「じゃあ、毎月同じようにできるかは、これからですね」


「はい。今回の記録も、今後の運航計画に反映します」


そういう話なら分かる。


航空会社の仕事は航空会社がやる。


俺はワープを担当する。


それで十分だ。


次に、料金の説明に移った。


「今回の特別便は、各便100人を想定して、航空券を1人7万円で販売しています」


「4便ともですか?」


「はい。今回は同じ企画価格としています」


「じゃあ、全部で400人?」


「延べ400人ですね。4便とも予定していた席数を販売できました」


「おお」


100人掛ける7万円。


1便700万円。


4便で2,800万円。


「……すごい売上だな」


「ただし、これは売上であって利益ではありません」


「ああ、そうでしたね」


飛行機には燃料代以外にも、いろいろなお金がかかる。


機体の維持費、乗務員、空港の使用料、地上作業。


ワープで飛行時間が短くなっても、全部がなくなるわけじゃない。


「ちなみに、もっと高く売ることもできたんじゃないですか?」


俺が聞くと、担当者が答えた。


「希少性だけを考えれば、さらに高額な商品にする選択肢はありました」


「ですよね」


世界で一人しかできないサービスだ。


高くしようと思えば、かなり高くできそうな気はする。


でも。


「俺としては、無理に高くしなくてもいいと思うんですよ」


「といいますと?」


「いや、俺はFIREしたいんで、もちろんお金は欲しいんですけど」


白石さんが少し笑った。


「そこは変わりませんね」


「変わりませんよ」


でも、俺がたくさん稼ぎたいからといって、乗客が高すぎる航空券を買わないといけないのも変な話だ。


航空会社だって、俺に報酬を払った上で、ちゃんと利益が残らないと続けられない。


かといって、航空会社だけが大きく儲かって、俺には少ししか払われないというのも困る。


「俺も、航空会社も、お客さんも、無理のない金額がいいなって」


担当者がうなずいた。


「継続するサービスとしては、重要な考え方だと思います」


「ですよね。1回だけなら高く売れても、次から誰も乗らなくなったら意味ないですし」


もちろん、この価格で毎月売れるかは分からない。


それこそ、今回の実験で確かめたいことの一つなんだろう。


担当者は資料を一枚めくった。


「それから、ワープが中止になった場合の対応についてです」


「ああ、それも大事ですね」


俺が体調を崩すかもしれない。


飛行機側の事情で、ワープを中止することもあるだろう。


「その場合は、事前に調整した手順に従い、通常飛行へ切り替えることを基本とします」


「飛行機自体は普通に飛ぶんですね」


「はい。ただし、ワープによる時間短縮を提供できませんので、料金については補償を行います」


通常運賃に相当する金額との差額を返金する。


あるいは、乗客が希望すれば、少し額面を上乗せした航空券クーポンで受け取れるようにする。


そういう案らしい。


「おお、それならいいですね」


「ただし、到着時刻は通常飛行に応じたものになります。運航上の制約によっては、さらに調整が必要です」


「まあ、そこは飛行機ですからね」


俺がいなければ飛べない飛行機なんて、困る。


乗客にも航空会社にも。


俺自身にも。


「なるべくキャンセルしないようにはしますけど、もし風邪をひいたら休みますよ」


「はい。その前提でお願いしています」


「良かった」


FIREするための副業で、休めなくなったら本末転倒だ。


さて。


一番気になっていた話を聞こう。


「それで、俺の報酬なんですけど」


白石さんがこちらを見た。


「空中スイマーさん、先ほども資料に目を通していましたよね?」


「確認ですよ。大事なんで」


航空会社の担当者が笑いながら資料を示した。


「今回は、1便につき基本報酬40万円です」


「4便だから160万円」


「はい。加えて、対象となる航空券売上の5%をお支払いします」


今日の航空券売上は2,800万円。


その5%だから140万円。


「160万円と140万円で、300万円ですね」


「さらに、今回の広報・宣伝への協力料として75万円を設定しています」


「……375万円」


「はい。4便とも契約条件どおり実施できれば、税引き前で375万円です」


改めて聞いてもすごい。


375万円。


普通の会社員だった俺が、月1回程度の副業でもらえるかもしれない金額だ。


いや、今も普通の会社員なんだけど。


「これ、月1回続いたら相当大きいな……」


「ただし、毎月同じ販売実績になるとは限りません」


「分かってます」


今日の売上が良かったから、来月も同じになるとは限らない。


運航中止の場合は、報酬の精算も変わる。


それでも、俺には十分すぎるくらいの仕事だ。


「よし、頑張りますか」


俺は最初の機体へ向かった。


飛行機は予定どおり羽田空港を離陸した。


最初の目的地は北海道の新千歳空港だ。


普通に飛べば、そこまでそれなりの時間がかかる。


でも、今日は違う。


操縦士と航空管制側で飛行状態を確認する。


指定された空域で、ワープ実施の連絡が入った。


「空中スイマーさん、お願いします」


「はい」


機体全体を認識する。


乗客も、荷物も、飛行機も。


全部まとめて。


ワープ。


窓の外の景色が一瞬で変わった。


その後も、航空側の確認を挟みながら、予定していたワープを進める。


俺が勝手に飛行方向を決めるわけではない。


そこは全部、航空会社側の仕事だ。


しばらくして、予定していたワープ区間が終了した。


「空中スイマーさん、ありがとうございました。こちらの区間は終了です」


「了解です」


さて、次の飛行機だ。


俺は窓の外を見る。


空が広がっている。


飛行機が着陸するまで待つ必要はない。


窓の外へワープ。


一瞬で機外に出た。


慣性を消して、空中で停止する。


いつもやっていることだ。


飛行機はそのまま飛んでいく。


あとは、俺が次の機体へ移動すればいい。


「北海道か」


北海道まで来たのに、観光する時間はない。


いや、正確には観光しようと思えばできる。


でも、今日は仕事だ。


次の機体が待っている。


「……仕事じゃなかったら、何か食べに行くんだけどな」


ちょっともったいない。


まあ、また来ればいいか。


俺は見える場所をつないで移動し、次の機体へ合流した。


2機目は新千歳から福岡。


今度は北海道から九州だ。


「これ、普通に飛んだら結構かかるよな」


今日はそれを短縮する。


準備が整い、離陸。


航空側から指示が来たところで、ワープを実施した。


窓の外の景色が変わる。


確認。


またワープ。


予定された区間が終了すると、俺だけ機外へ出た。


次は福岡から那覇。


九州から沖縄だ。


この辺りまで来ると、俺自身は日本中を移動しているのに、飛行機に乗っている時間はそれほど長くない。


「……なんか変な感じだな」


それぞれの機体には、100人のお客さんが乗っている。


俺のワープによって、普通なら何時間もかかる移動が短くなる。


そう考えると、結構すごい仕事なのかもしれない。


3機目も予定どおり終了。


那覇方面へ移動した俺は、最後の飛行機に合流した。


4機目は那覇から羽田。


これで東京へ戻る。


「最後は帰れる便にしておいて正解だったな」


前に打ち合わせで決めたことだ。


遠い場所で仕事を終えて、自分だけ日本へ戻るために何度もワープするのは、何となくもったいない。


だったら最後の1回を、ちゃんとお客さんを運ぶ仕事に使った方がいい。


我ながら、悪くない考えだと思う。


最後の機体でも、決められた手順に従ってワープを実施した。


そして、航空側から終了の連絡が入る。


「空中スイマーさん、本日予定していたワープ区間は以上です」


「お疲れさまでした!」


窓の外へワープ。


俺だけ先に羽田へ戻る。


4機の飛行機は、それぞれ通常の航空運航に戻って目的地へ向かう。


俺の仕事はここまでだ。


集合場所へ戻ると、白石さんがいた。


「お疲れさまでした、空中スイマーさん」


「お疲れさまです。無事に4機終わりましたね」


「はい。ほぼ予定どおりです」


時計を見る。


約1時間。


少し前後はしたけど、最初に希望した働き方に近い。


「本当にこれくらいで終わるんですね」


「各便の準備や時刻調整を、かなり綿密に行っていただいていますから」


「ですよね」


飛行機をワープさせるのは俺。


でも、俺が短時間で仕事を終えられるのは、何人もの人が準備してくれているからだ。


「航空会社の人たちにも、お礼言っておかないと」


「そうですね」


その後、担当者への報告を済ませた。


細かい運航記録の評価はこれかららしい。


今回できたからといって、来月も同じようにできるかは分からない。


でも、予定していた4機のワープは完了した。


「じゃあ、375万円ですね!」


白石さんが少し笑った。


「精算はまだですよ」


「分かってますって」


税金もあるし、経費もある。


全額をそのまま資産に加算するわけにはいかない。


それでも大きな収入だ。


そんなことを考えていると、白石さんが別の資料を取り出した。


「空中スイマーさん、もう一件よろしいですか?」


「はい?」


「先日の豪雨対応と、以前の旅客機の緊急救助についてです」


「ああ、どうなりました?」


「活動記録の集計が進みましたので、報酬の扱いについてご説明しておきたいと思いまして」


「……そういえば!」


すっかり忘れていたわけじゃない。


いや、少し忘れていた。


あの時は救助と復旧作業で、それどころじゃなかったからな。


「政府からの協力費って、どうなるんですか?」


「まず、救助された方々へ費用を請求しないという、空中スイマーさんのご意向は確認しています」


「はい。救助された人からお金を取るつもりはないですし」


「一方で、旅客機の緊急救助も、今回の豪雨対応も、政府を通じて正式に要請された協力案件です」


「お」


堤防の応急復旧に必要だった大型土のうや資材。


現地で使う重機。


排水ポンプ車。


そういった物を、俺は何度も運んだ。


「今回の輸送は、専門機関から必要な物を指定していただき、政府側の要請に基づいて実施しています」


「はい」


「ですので、旅客機救助と今回の豪雨対応の両方を、政府協力契約に基づく案件報酬の対象として整理しています」


「じゃあ、ちゃんと報酬出るんですね?」


「その方向で精算を進めています」


「良かった!」


もちろん、人を助けるためにやったことだ。


報酬が欲しくて現場へ行ったわけじゃない。


でも、政府から正式に頼まれた救助や輸送の活動なら、仕事として対価を受け取ってもいいと思う。


「ちなみに、いくらです?」


白石さんが資料を見る。


「現在、旅客機の救助記録と、豪雨対応で輸送した資機材、活動時間、緊急対応の内容などを確認しています。固定の協力手当とは別に、両案件の報酬を計算する予定です」


「金額はまだ?」


「正式な提示はもう少しお待ちください。計算の根拠も合わせてお渡しします」


「なるほど」


飛行機の375万円と違って、あの時は先に金額を決めてから仕事をしたわけじゃなかった。


とにかく必要な物を運んだ。


どこへ何を運ぶかも、現場の状況に合わせて次々変わった。


記録をまとめるだけでも大変そうだ。


「ちなみに、救助した人数とかで報酬が増えるわけじゃないですよね?」


「人命救助について、そのような人数単価を設ける考えではありません」


「ですよね。人を何人助けたからいくら、みたいなのは嫌ですし」


それなら納得できる。


救助された人への請求と、政府からの正式な協力要請に対する報酬は別。


最初に決めた政府との協力方針とも合っている。


「あと、輸送費って、被災した人が払うわけじゃないですよね?」


「はい。被災された方へ空中スイマーさんの輸送協力費を直接請求するものではありません」


「それならいいです」


災害で家や車を失った人に、俺のワープ代まで請求されたら困る。


「正式な金額が決まったら、ご連絡します」


「お願いします」


今日の航空会社の仕事は、うまくいけば375万円。


旅客機の緊急救助と豪雨対応にも、政府から別の報酬が出る。


YouTubeからも収入がある。


会社の給料も、もちろんある。


なんだか、収入源がどんどん増えている。


「……FIREが近づいてきたな」


「そうですね」


「でも、最近は目標額をどうするかも考えてるんですよ」


「そうなんですか?」


「8,000万円で足りるのかなって」


あの災害を見てから、少し考えるようになった。


普通に生活するための資産と、何かが起きた時に生活を立て直すための資産。


同じようで、ちょっと違う。


「まだ決めてないですけどね」


「急いで決める必要はないと思います」


「ですよね」


今は、稼げる時にちゃんと稼ぐ。


使う時は考えて使う。


税金も忘れない。


当たり前だけど、それを続けていけばいい。


「それじゃ、今日はこの辺で」


「はい。お疲れさまでした」


「お疲れさまでした」


白石さんと別れて帰宅した。


今日はいい仕事だった。


飛行機4機を運んだ。


航空会社の報酬も大きい。


豪雨の時の協力費も、ちゃんと精算されるらしい。


ただ、どちらも入金するまでは使えるお金じゃない。


今後も同じ仕事がある保証もない。


「まあ、浮かれすぎないようにしよう」


そうつぶやいて、夕飯を食べた。


風呂に入って、スマホを確認する。


すると、メッセージが一つ届いていた。


「……あ」


上條さんからだ。


以前、生活再建の様子をYouTubeで取材させてもらえないかとお願いした。


取材への協力費を払う。


動画から収益が出たら、一部を分配する。


そういう企画だ。


家族で相談してもらうことになっていたけど、返事を急かすつもりはなかったので、こちらからは催促していない。


メッセージを開いた。


『先日はありがとうございました。家族で話し合いました』


続きがある。


『撮影について、もう少し詳しくお話を聞かせていただけませんか』


「おお」


前向きな返事だ。


ただし、出演すると決まったわけではない。


『特に、子どもが映る場合のことと、動画を公開する前に確認できるのかが気になっています』


『協力費についても、どのような形になるのか教えていただきたいです』


「……そりゃそうだよな」


考えてみれば、当然だ。


顔や名前を出すのか。


家の場所が分かってしまわないか。


子どもを映していいのか。


撮影した映像を、公開前に確認できるのか。


そして、いくら報酬を払うのか。


聞きたいことはいくらでもあるだろう。


「一応、前に白石さんと話したけど……」


パソコンを開いて、企画のメモを確認する。


出演する人の同意。


公開する個人情報。


子どものプライバシー。


公開前の確認。


取材を断っても、ほかの支援には影響しないこと。


取材協力費と、動画収益の分配。


一通り考えたつもりだった。


でも、実際に質問をもらうと、まだ決めていないことが結構ある。


特にお金だ。


動画が伸びなくても、取材への協力費は払う。


動画から収益が出れば、追加で分配する。


そこまでは考えている。


「……で、いくらにするんだ?」


撮影時間も決まっていない。


誰が出演するかも決まっていない。


一度きりなのか、何度か撮影するのかも分からない。


金額を考える以前に、決めないといけないことがある。


「まあ、いきなり決めなくてもいいか」


俺はAIを開いた。


『被災した家族の生活再建を追うYouTube企画を考えています。取材協力費、収益分配、子どものプライバシー、公開前確認などについて、最初の打ち合わせで決めるべきことを整理してください』


送信する。


少しして、いくつかの項目が並んだ。


出演する人。


撮影する場所。


公開する情報。


公開前の確認方法。


撮影をやめたい場合の扱い。


協力費の支払時期。


収益分配の計算方法。


「……多いな」


どれも大事そうだ。


でも、最初からこれを全部説明するのも大変だろう。


向こうは、話を聞きたいと言っているだけだ。


まだ出演したいと言っているわけじゃない。


「まずは、相談する時間を作るところからかな」


それに、俺一人で判断するより、白石さんにも確認しておいた方がいい。


政府が取材契約を結ぶわけではないけど、俺の立場で気をつけることはあるはずだ。


「メールしとくか」


政府の連絡用端末を取り出した。


今日も白石さんには航空会社の仕事で世話になった。


もう夜だし、急ぎの話でもない。


メールなら、明日確認してもらえばいいだろう。


『白石さん、お疲れさまです。上條さん一家から、YouTubeの取材企画について詳しく話を聞きたいと連絡がありました』


『子どものプライバシー、公開前確認、協力費について質問をいただいています』


『明日、説明する条件を整理しようと思っています。政府との協力関係で注意すべき点など、確認できる範囲で教えていただけると助かります』


文章を読み返す。


うん。


問題なさそうだ。


送信。


上條さんにも、連絡のお礼と、詳しい説明を準備して改めて返事をすることだけ伝えた。


「……しかし、今日はよく働いたな」


飛行機4機。


航空会社との報酬の話。


政府の豪雨対応の精算。


そしてYouTubeの取材準備。


FIREを目指しているはずなのに、仕事がどんどん増えている。


「早く暇になりたいなあ」


まあ、お金が増えるのはありがたい。


でも、俺が欲しいのは、働き続けなくても生活できる自由だ。


稼げるからといって、何でも引き受けるつもりはない。


今日はもう十分だろう。


パソコンを閉じる。


「明日に備えて寝るか」


俺は電気を消した。

次回、第55話「募金より、動画を見てください」


次回更新:10月23日 20:10予定

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