表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣と魔法の義経記  作者: 久手史郎
第一章 英雄集結
68/110

第十話 仙人があらわれた その2

「あひゃひゃひゃひゃ(゜∀゜)」

与一が躍動している。


クロウ一行は那須温泉郷を離れ、北上している。

目指すは奥州大陸だ。


ここで勢力をつくり覇王に対抗するのが目的だ。


途中、野盗やモンスターが襲ってくるが、問題なかった。


与一が一人で倒していた。

その姿は歴戦の戦士というよりは……新しいゲームを手に入れたゲーマーだ。


マジックミサイルを次々飛ばし、逆にモンスターや野盗を襲っていた。


その与一のブレーキ役である義兄の千本は

「暗くなる前にかえってきなさい」

とだけ注意した。

与一が野盗に負けるなど露ほどにも思っていない。


「いやあ、楽だね」

「そうですねぇ。この辺りは国境で人の手があまり入ってなく危険なのですが、おかげで楽な旅になりそうですねぇ」

静と吉次はのんびりそんな話をしている。


一方、対抗心を燃やしたのは皆鶴姫だ。

彼女の旅の目的の一つは自分の剣技を試したいということだ。


与一の動きを見て、

(私は与一に勝てるか?)

と自問していた。


その内、脳内シミュレーションでは物足りなくなったらしい。

皆鶴姫も対抗するように野盗狩りに参戦した。


与一も皆鶴姫(2P)参戦で喜び、殲滅速度が加速した。



伊勢三郎・亀井・駿河は難しい顔をしていた。

彼らもまた、モンスターや時には盗賊と戦ってきた。

しかし、与一の様に鮮やかに圧倒的な力で倒してきたのではない。


伊勢がタンクとして敵を引きつけ、亀井が後ろから弓での射撃で仕留め、駿河が奇襲する。

これが彼らの戦い方だ。


与一の戦い方は戦闘者として彼らに衝撃を与えた。


文字通り一騎当千を見せつけられた。

「これは考えさせられるな」

伊勢が苦笑した。

「ああ」

駿河が短く答える。

「これでもある程度は戦える自信はあったんですが、クロウ殿と出会ってから、上には上がいるという現実を嫌でもつきつけられます」

亀井はため息をつきながら言った。


弱くもなく、しかしながら、与一のような一騎当千でもない。

あまりにも自分たちが半端者に思えた。

それが彼らの表情を難しいものにしていた。



喜三太達、少年少女の反応は素直だった。


「かっこいー」

彼等から与一に対して賞賛の声が上がった。


野盗たちを簡単に倒し、俺TUEEEEを体現する。

その姿はまさに英雄だ。


少年の一人。鈴木重家は与一の戦い方を真似て、覚えたてのマジックミサイルを撃ってみた。

もちろん練度が違う。与一のマジックミサイルと比較すると誰の目にも稚拙に見えた。


「いししし。全然ダメじゃん」

喜三太が鈴木重家を揶揄った。

「そんなら、おまん やってみ」

鈴木重家が言い返した。

「よーし、いくぞ」

喜三太が弓を構えた。

そして矢を放つ。

「おおーっ」

亀井から教わったその弓矢の技術は皆を驚かせる。

少年が放ったにしては速度・威力ともに十分だったからだ。

もっとも……どこにも当たらずに終わった。

「全然、ダメじゃん」

少年たちが笑った。


それを横目に片岡春は悔しがっていた。

(クロウ様が全力を出せたら、一瞬で終わるのに)

クロウの魔法。

魔法剣から無数のレーザーを広範囲に射出する殲滅魔法。

この魔法なら与一のように敵に向かって飛び回らなくても、一気に敵を殲滅できるのだ。


その魔法は今は使えない。

クロウが片岡春を庇って傷を受けた。その後遺症で使用できなくなっていた。


片岡春は知っている

クロウが隠れてリハビリを行っていることを

リハビリ中に誰にも見せない悔し涙を見せていることを


そのリハビリの成果は徐々に出ている。レーザー射出はまだ無理だが、魔法剣を伸ばすことはできるようになった。


そのクロウの並みならぬ努力を片岡春は知っている分、悔しくて、悔しくて、体が震えた。

与一が縦横無尽に活躍するほど、

(クロウ様ならもっと簡単に倒せるのに)

と思ってしまう。


「あまり責めるな」

兄の片岡八郎が片岡春の頭をポンっ撫でた。


片岡春の視線の先にクロウの顔があった。

その顔からはクロウが今、何を思っているかは伺い知れなかった。

【お知らせ】

こちらも連載中です。よろしければ見ていただけると嬉しいです

■機動小隊レンジャーワン https://ncode.syosetu.com/n8156lf/


【あとがき】

やっと、空気だった6人の少年少女の個性を少し出すことができました。

こんな作品ですが「面白かった」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ