第九話 よいちのゆみ その5
クロウ達は奥州大陸にむかうため坂東平野を北上している。
人数も増え、ちょっとした分隊の規模だ。
クロウ
静
皆鶴姫
堀吉次
伊勢三郎
亀井
駿河
片岡八郎
片岡春
少年少女6名
ちなみに少年少女たちの名前は……
喜三太
熊井太郎
赤井藤
備前平四郎
江田源蔵
鈴木重家
という。
ちなみに片岡兄妹を含めた少年少女達は天神様の強制勉強会の結果。
魔法を習得するものまで現れた。
水魔法を習得した片岡兄妹 土魔法を取得した熊井 マジックミサイルを出すことが出来るようになった鈴木。
その他、喜三太は亀井の指導の下、弓を使えるようになり、赤井藤も駿河や吉次の指導の下、今までの3倍の速度で駆けることができるようになった。備前平八郎や江田源蔵はクロウ、伊勢三郎、皆鶴姫との修行でそれなりに剣技を身に着けた。
戦う集団としての態を為してきたクロウ一行。
そのクロウ一行には懸念があった。
それはクロウの体調だ。
片岡春を崇徳天の攻撃から庇った際にクロウは首に近い肩口にダメージを受けた。
その傷が癒えていないのだ。
更に困ったことにクロウの得意魔法である「南無八幡大菩薩 ―霧-」の魔法が使用できなくなっていた。使用しようとすると肩口に激痛が走るのだ。
「厄介な置き土産をしてくれたな」
クロウは苦笑した。
あの攻撃は「封印」の力をもっていたらしい。
幸い、他の魔法は使えるので戦えなくはない。しかし大幅な戦力ダウンだ。
それよりもクロウとしてはもっと困ったことがある。
片岡春が、そのことを気に病んでいるということだ。
何かとクロウを気遣うのだ。病的なくらいに。
まるで専属メイドだ。専属奴隷だ。
出会った頃の殺意など微塵もない。
クロウとしては折角、助けたのに気に病まれては助けた意味がない。
自分の奴隷をつくるために庇ったわけではないのだ。
「湯治はどうですかねぇ」
その状況を見かねた吉次が提案した。
「湯治?」
「ええ、那須温泉が近くにあります。そこでしばらく療養するというのはいかがですかねぇ」
クロウは考えた。
クロウはもともと、最効率を目指す性格だ。
奥州大陸に向かうのなら寄り道せずにまっすぐ進みたい。
しかし―。
クロウは傍らの片岡春を見る。
今もせっせと肩の傷の手当てをしている。
クロウは自分でやるから不要だと突っぱねるのだが「やらせてください」と春は頑として聞かない。根負けした形で片岡春にやってもらっている。
その片岡春の姿を見ると、あまりにも痛ましく何とかしたいと思った。
一番は怪我が治ることだ。
直れば片岡春の精神的負担も減るだろう。
ついでにクロウも片岡春の奉仕に対してガリガリ精神が削られている。こうやって奉仕されるのは苦手なのだ。
ついでに言えば静が「よかったねー。モテモテで」と揶揄ってくることに対してもイライラしていた。
吉次の提案に対して片岡春が
「行きましょう!」
と真っ先に反応した。
クロウはため息をつき、周りを見る。
静も皆鶴姫も伊勢三郎も片岡八郎も同意見だった。
「わかった」
クロウは怪我を直すというよりも片岡春と自分の精神衛生を考え吉次の提案に応じた。
【モデル紹介】
■喜三太
義経の家臣の一人 弓の名手 衣川で討死
■熊井忠基
本作の熊井太郎のモデル
義経の家臣の一人 衣川の戦に参加
■赤井藤太景俊
本作の赤井藤のモデル
義経十九臣に名が見られる
■備前平四郎
義経の家臣の一人 衣川で討死
■江田 源三
義経の家臣の一人 堀川夜討で討死
■鈴木重家
義経の家臣の一人 衣川で討死
紀州出身 彼の血族から雑賀鈴木氏が出た。鉄砲があれば・・・
【お知らせ】
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■機動小隊レンジャーワン https://ncode.syosetu.com/n8156lf/
【あとがき】
クロウがちょっと強すぎたのでリミットレギュレーションを設定しました。
”霧”の魔法はしばらく禁止です。
こんな作品ですが、「面白かった」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。




