第九話 よいちのゆみ その1
「あひゃひゃひゃひゃ(゜∀゜)」
奇声を発し、木々を飛び回る人影があった。
その動きは人離れしており猿の化け物と言われても違和感がない。まったくない。
眼前には狐火と呼ばれるモンスターが多数いた。
文字通り炎に包まれた狐のような容姿をしている。傍目には宙に浮く火の玉にも見える。
このモンスターの厄介なところは身を包む火が邪魔で単純に近づくことができないという点だ。
接近するなら火傷ダメージを覚悟しなければならない。
さらには火の玉まで魔法で飛ばしてくる。遠距離攻撃が可能なのだ。
普通の人では対応できない。
しかし、狐火と戦っている人物は普通ではない。
「あひゃひゃひゃひゃ(゜∀゜)」
と奇声を発しながら手慣れた動作で弓を構えた。
「南無八幡大菩薩!」
呪文を唱えると魔法の矢が出現した。
そのマジックミサイルをつがえ、放つ。
魔法で強化された矢は呻りをあげて狐火に命中。モンスターを吹き飛ばした。
「いーち」
再びマジックミサイルが発射された。
狐火が何の抵抗も出来ずに吹き飛ばされた。
「にー」
狐火は火の玉の魔法で対抗しようとするが届かない。
射程距離が違った。
さらにはその発射速度と威力も違った。
次々と放たれるマジックミサイルに狐火は数を減らし……
「・・・じゅーうご。 じゅーろく。これでおしまい」
全滅した。
その様子を近くで見ている人物が二人いた。
一方は青年。もう一方は白髪が目立つ壮年。
「いやあ、強いな。兄の面目丸つぶれだよ」
青年はそう言って人のよさそうな笑みを浮かべた。
彼は千本と呼ばれていた。正式な戦士らしい名前はある。
しかし、彼は弓の腕が立ち、1射で千本を射るが如く速射に優れるため、周囲は彼を称え、そのように呼んだ。
彼はマジックミサイルで狐火を倒している人物。
那須与一の兄だ。
「強い。強すぎる」
そう壮年の男は渋い顔をした。
彼も正式な名乗りはあるのだが周りからは「資さん」と呼ばれていた。
彼に頼めば大抵のことは助けてくれるということらしい。
彼はマジックミサイルで狐火を倒している人物。
那須与一の父だ。
二人は目の前で奇声をあげながらモンスターを倒しまくる与一を対照的な表情で見ていた。
【モデル紹介】
■那須与一
本作、与一のモデル。
屋島の戦での扇の的のエピソードが有名。某ゲームでも有名。
源頼朝の配下。源義経に従軍。他の兄弟が平家の味方をしたため11男ながら家督を継ぐ。
本作では活躍してほしいので第九話からクロウと関わってもらいます。
有名武将なのに平家物語には扇の的のシーンしか出てこない・・・もっと活躍させたいと思っています。
■那須為隆
本作、千本のモデル
那須与一の兄。与一と共に源頼朝の配下となる。文献にによっては与一以上の弓の使い手と書かれている
■那須 資隆
本作、資さんのモデル
那須為隆、那須与一のお父さん
本作の”資さん”はもう一人のモデルの役目もあわせもってもらう予定です。
誰かは、そのシーンがでたら紹介します。
【お知らせ】
こちらも連載中です。よろしければ見ていただけると嬉しいです
■機動小隊レンジャーワン https://ncode.syosetu.com/n8156lf/
【あとがき】
那須与一様を”天才”のキャラ付けしようとしたら、こんなんなっちゃいました。
こんな作品ですが、「面白かった」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。




