第七話 炎の剣 その4
陵介の兄弟は普通の人だ。
父母も普通の人だ
普通に親として息子たちを“無駄な苦労はさせたくない”と思っている。
“将来、安定した仕事についてもらいたい”とも思っている。
そのため国家公務員を目指してもらいたいという思いがある。
国家公務員になるために試験は無い。
権力者の推挙だけだ。
今の権力者は覇王 平清盛だ。
だからその一門の平家に近づいた。すべては我が子の安寧を願ってだ。
陵介はその両親に反発した。
といっても別に両親が嫌いという訳ではない。親の敷いたレールに乗るのが嫌だった。
平家に阿る親の姿が嫌だった。
自分の人生は自分で切り開きたかった。
普通の反抗期の子供の心情だ。
親はそんな陵介を咎めなかった。
ただ、「少し外の世界を見ておいで」とだけ言った。
陵介の態度は発達過程でよくあることで、世間を見て満足したら、いずれは戻ってくると思っていたからだ。
そして陵介は一時、都に移った。
クロウに出会ったのはそのころだ。
陵介は親に反発するくらいには気が強い。ガキ大将でもあった。
そして何よりも強さを信奉する坂東出身だ。
挨拶代わりに周辺の同世代の子に喧嘩を売り、すべてに勝利した。
その過程でクロウに喧嘩を売った。
クロウは別次元の強さだった。
後で知るがクロウは魔法を使う。その差が決定的だった。腕力では勝っても軽くあしらわれた。頬に一撃を入れるのが精いっぱいの完敗だった。
負けず嫌いの坂東武者の血を引く陵介はその後、幾度となくクロウに挑戦した。
そのうちに縁が出来き、今の関係がある。
ちなみにいままで陵介はクロウに対して一勝もしていない。
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