第七話 炎の剣 その1
今回、短すぎるので、連続投稿します。
クロウ一行は東海道を抜け坂東平野が一望できる場所まできていた。
そこから見える坂東は、都の洗練された趣とはまったく異なる場所だ。
広く、重く、そして人を鍛える土地であった。
その広がりを前にして、旅の疲れとは別の緊張が、自然と背筋を正させた。
「吉次殿」
「なんでしょう?」
「坂東に少し寄る」
「?」
「会いたい奴がいるんだ」
クロウはそう言った。
「あ! わかった陵介のところね」
静がクロウの気持ちを代弁する。
「陵介殿であれば私も会いたいです」
皆鶴姫は陵介に身を挺してかばってもらった恩がある。
あの時は陵介の気持ちを優先して言えなかったが、会えるのであれば、ちゃんとお礼を言いたいのだ。
「陵介は俺の友だ。今は坂東にいるはずだ。ぜったいに仲間に加えたいんだ」
「なるほどねぇ。友人であれば危険もないですし戦力は多いほうが良いですしねぇ。承知しました。その間、私も別行動してもよろしいですかねぇ? せっかく坂東に寄るのであれば本業の商いをしたいのですよ」
「ああ。じゃあ後でな」
「ええ」
クロウ達と吉次は落ち合う場所を決め、一時分かれた。
陵介は坂東の領主の子だ。
場所はわかっている。坂東の下野国の領主らしい。
吉次と別れたクロウ達はまっすぐ陵介のいる領主の館を目指した。
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