表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣と魔法の義経記  作者: 久手史郎
第一章 英雄集結
17/30

第六話 エンカウント:盗賊があらわれた その1

クロウは夢を見ていた。

幼い時の夢だ。


何の気まぐれか。

天下を武で制した覇王は幼いクロウを抱き抱え閲兵式に君臨した。


クロウは覇王が天下を二分して戦った相手の遺児だ。

覇王はクロウの父を倒し、成人し 武士として挑んだクロウの父の子。

つまりクロウの兄たちもまた、武士としての礼儀として倒した。


しかし―


未成年の子。


ましてや生まれたばかりの幼子に手をかけるような鬼畜ではなかった。

むしろ子供は大好きだ。


逆にライバルの子達を気にかけた。

覇王の余裕でもあった。

ライバルの子に天下をとったということを見せつけることで優越感に浸りたかった気持ちもあった。


詩的に書くといろいろ装飾の言葉を並べることにはなるが、身も蓋もない言い方をするならば、ライバルの子に自慢したかった。


それがクロウを閲兵式に連れてきた理由だ。


幼子のクロウは多数の戦士がずらりと並ぶ姿を見て、素直に感動した。

その姿が覇王の自尊心を満足させた。


覇王は幼いクロウを高く抱え「見ろ、覇王となれば全てが手に入る」と言った。


これを聞いた幼子のクロウが場をわきまえない発言をした。

「俺も覇王になる」


純粋な憧憬から出た言葉だが、覇王の近くにいる臣下はそうは受け取らなかった。

「謀反を起こす気か」とその言葉を受け取り、「不敬だ。殺すべきだ」と騒いだ。

このままではクロウは不敬罪ということで殺されただろう。


それを救ったのが覇王だ。

「そうか覇王になるか」

笑みを浮かべ幼子のクロウに語り掛けた。

「うん」

クロウは大きく頷いた。


「俺を超えるか。楽しみにしているぞ」

と覇王は大笑いした。

周囲の臣下はクロウに対して手が出せなくなった。

覇王がクロウの言葉を許したのだ。臣下が許さないというわけにはいかないのだ。


覇王は“幼子の戯言”を真面目に受け取ってどうすると思っていたし、その覇気をさすがライバルの子と褒め称えたいと思った。


更に言えば、覇王は退屈であった。

周囲は阿り、敵はいない。


ノーマルモードのゲームに飽きたのだ。

少しハードモードのゲームでプレイしたいと思った。

その期待をクロウにかけるのは悪くはないと思った。


クロウが幼子の戯言で終わるなら問題ない。

また実力不足で覇王を目指したが途中で挫折するということもあるだろう。これも問題ない。

十中八九そうなるだろう。

しかし、僅かな可能性の扉を開き、覇王の前に目の前のクロウガ挑む展開になるのなら―


それはそれで楽しみだ。

と覇王は思っていた。



【お知らせ】

こちらも連載中です。よろしければ見ていただけると嬉しいです

■機動小隊レンジャーワン https://ncode.syosetu.com/n8156lf/


【お願い】

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。


「面白かった」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。

一つ一つの反応が、作者のやる気に直結しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ