第五話 ルート分岐 その3
クロウは妙な気配を感じていた。
先ほどから後をつけてくる気配がする。
気のせいかと思い隣で並んで歩いている静に目配せして、彼女の使役する雷獣に探ってもらったが、気のせいではなかった。
雷獣はクロウの追跡者の存在を確認した。
(面倒だな)
クロウは眉をひそめた。
追われる覚えはある。
何しろ先日、時の権力者。平家とバトルしたばかりだ。
権力者の面目を潰したのだ。暗殺者などが差し向けられる可能性と動機は十分にある。
クロウは暗殺者が差し向けられることにはあまり頓着していない。
返り討ちにするだけだ。
しかし、今は情報収集している最中だ。
それ以外のことに時間を割かれるのをクロウは嫌った。
(先に潰すか)
クロウは同行している静、皆鶴姫に合図した。
クロウは路地に入る。
追跡者が姿を現した。
袋小路に追い詰めたと追跡者は判断したのだろう。
(意外と多いな)
クロウは眉を寄せた。
暗殺者の数は30を超えている。
もはや小隊だ。
「ちょっと、何なのさ?」
静が一応、抗議する。
問答無用で雷撃を放ってもいいが、情報は得たい。
「敦盛殿がその娘を所望だ」
暗殺者のリーダであろう人物が皆鶴姫に視線を向けた。
皆鶴姫が半眼となる。
「それでこの数でナンパ? しかも本人は来ないで? サイテー」
静が煽る。
「何とでもいうがいい。こちらはそちらを過小評価していない。それにしても、お前も中々、可愛い顔をしているではないか。お主も我が主に献上してやろう。我らが嬲った後にな」
静はこの挑発にあっかんべーで返す。
彼女はあくまでも冷静だ。
ちょっと鳥肌がたったがなんてことは無い。いずれ死人となる連中だ。
死人に何を言われようが関係ない。逆に「可愛い顔」と言われてちょっと喜んでいる。
一方、この挑発にのった人物がいた。
皆鶴姫だ。
皆鶴姫は敦盛に拐かされるところだった。
今、思い出しても忌々しい記憶だ。
特に「剣さえあればあのようなことにならなかったのに」という後悔が皆鶴姫の心を支配していた。その皆鶴姫の心を暗殺者のリーダーの言葉は刺激した。
「女をモノとしか見ない下衆が!」
皆鶴姫は剣を抜き疾く走る。
暗殺者たちは虚を突かれた。
それはそうだろう。
拐かす標的が自ら突っ込んできたのだから。
「オン アロマヤ テング スマンキ ソワカ」
皆鶴姫が養父、鬼一方眼から伝授された魔法を唱える。
皆鶴姫が10体に増えた。
「なっ!」
「京八流 -閃電-」
動揺する暗殺者たちを当たるを幸いに10人の皆鶴姫は斬り倒す。
「おかわりもいかが?」
静が使役する雷獣から電撃が走る。
暗殺者たちは電撃を受け倒れた。
暗殺者のリーダーは焦った。
30人はいた手勢が自身を含めてあっという間に3人になった。
彼の人生でこのようなことは一度たりともなかった。
思考停止に陥った。
その間にクロウが魔法剣“薄緑”を抜き、2名をあっという間に倒し、暗殺者のリーダーに迫る。
彼に残されたのは“にげる”のコマンドだけだ。
潔くクロウ達に背を向けて走る暗殺者のリーダー。
しかし、彼の“にげる”は失敗した。
クロウに回り込まれたわけではない。
第三者の攻撃を受けたのだ。
暗殺者の目の前に黒ずくめに仮面をかぶったマッチョが現れ、ボディブローを一撃。暗殺者のリーダーは倒れた。
「誰?」
静が鋭く誰何する。
先ほどまでの余裕のある対応ではない。
それだけの危機感を静は感じていた。
なぜなら静には黒ずくめのマッチョがいままでどこに隠れていたのか全く分からなかったからだ。
魔法の発動も感じられなかった。
実際、魔法の詠唱もなかったから魔法ではないのだろう。
魔法を使わず魔法のように姿を消して見せた相手に静は最大限の警戒をした。
「怪しいものではございませぬぅ」
と言って黒ずくめに黄金の仮面を被る筋骨隆々の怪しい人物が現れた。
源平合戦面白いのに戦国時代や明治維新と比べてマニアックになってる原因って何かなぁと考えたとき、もしかして同じ苗字のキャラクターが多いからかも?と勝手に想像しております。
なので、出来るだけ同じ苗字は避けてキャラクターの区別がつきやすいように作ろうかなと考えてます。
どんなものでしょう?
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■機動小隊レンジャーワン https://ncode.syosetu.com/n8156lf/
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