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剣と魔法の義経記  作者: 久手史郎
第一章 英雄集結
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第五話 ルート分岐 その1

静 VS 皆鶴姫です

「都を脱出して正解ね」

静の言葉にクロウは頷く。


平家による皆鶴姫誘拐未遂事件を未然に防止したクロウ達だったが、それで済まなかった。


平家に目をつけられたのだ。


平家側から見るとクロウは覇王の子のパレードを妨害した賊だ。

更にクロウは源氏の棟梁の子として高名であった。


源氏の棟梁の遺児が平家に背いた。という図式が成り立ってしまった。

暗殺未遂事件の犯人となったのだ。


クロウの母である常盤が聞けば狂喜するだろう。

彼女は自分の夫を倒した平家を仇と考えている。

その子であるクロウが平家に弓を引くのは大歓迎だ。


それはともかく。

平家の追っ手が来ると察したクロウ一行はいちはやく都を脱出した。


その後の様子を静の使役する雷獣で確認したところ、敦盛が警察である検非違使を率いて皆鶴姫の屋敷に踏み込んできていた。


のんびり都に留まっていたら警察とバトルになっていただろう。


「この様子じゃ、鞍馬にも戻らないほうがよいかもね」

静の言葉にクロウは頷く。


「すいません。私の所為です」

皆鶴姫は小さな声で謝る。


このような事態となった原因は皆鶴姫が平敦盛に拐かされそうになったからだ。

その時、皆鶴姫は変装中で剣を携えていなかった。

そのため敦盛に対抗できなかった。

クロウが助けに来たため皆鶴姫は無事だ。

その代わりクロウは都に留まることは難しくなった。

鞍馬山にも帰れず、そして盟友である陵介を失った。

そのことを考えると皆鶴姫は罪悪感に圧し潰されそうになる。


静は皆鶴姫の背後に回ると……ヘッドロックをしかけた。

「何それ? 自慢?」

「え?」

思いもよらない言葉を静から投げかけられて言葉に詰まる皆鶴姫。

なぜ、自慢になるかわからない。


「私の美貌がすべてを狂わせたのとでも言うつもり? 確かに皆鶴姫は可愛いよね」

「え? え!」

可愛いと言われて顔を真っ赤にして動転する皆鶴姫。

「ね。クロウもそう思うでしょ」

にっこり笑ってクロウに圧をかける静。

静の半眼が

(思うと言え)

と指示している。

「ああ、そうだな」

クロウは静の言葉に同意した。

「え。えーっと」

更に顔を真っ赤にして焦る皆鶴姫。

「一人でモテやがって。可愛くてゴメンネなんて許さん」

「え? え。きゃー」


静と皆鶴姫のキャットファイトが始まった。


クロウは苦笑しながら別な二つのことを考えていた。


クロウは今、都を脱出した身だ。

鞍馬山に戻るのも難しい。


クロウはこれを良い機会だと考えていた。


クロウの夢は覇王になることだ。

そのためには軍勢が必要だ。


都にいても鞍馬山にいても軍勢を得ることは難しい。

どこか別なエリアでクロウ自身の軍勢を得る必要があった。

そのためには平家や中央に反感をもっているエリアに赴く必要がある。

(ちょうど良いきっかけになった)

クロウはそう考えている。


ちなみにどうやって軍勢を得るかはあまり考えていない。

知的な様で脳筋傾向のクロウは肉体言語による軍勢集めを本気で考えている


それはともかく

問題はどこに行くかだ。


鎮西・南海・安芸・長門といった西国は平家の支配地だ。

クロウの軍勢を得るという目的にはそぐわない。


東に目を向ける。

真っ先に思い浮かぶのが、陵介の出身地 坂東だ。

精強な荒武者が多いという。


その他、東側には越・甲斐・信濃・東海道・奥州大陸といった国がある。


(情報が足りねぇな)

クロウは腕を組む。どこがクロウの軍勢を得るにベストなのか見当がつかない。


クロウはもう一つの課題に思考を向ける。

陵介のことだ。


クロウは馬鹿ではない。

なぜ陵介がクロウの下を離れたか?

理解していた。


(悔しかったろうな。そうだよな。漢なら助けられるよりも助ける側だよな)


陵介の心情を思い、後悔していた。


同時に頭の中の怜悧な部分では反省を繰り返していた。


(今の俺のやり方、考え方では軍勢を持っても陵介のように離れていく。 俺自身はもっと力をつけるにしろ、味方の前ではあまりそれを出さないほうがよいか)


クロウはため息をつく。

(まだまだ、俺は未熟だ。足りないことだらけだ。情報もなければ、統率力もない)


もっとも。

反省はするが、それでショックを受けて塞ぎ込むような性格ではない。

クロウは合理的な考え方を好む(できるかどうかは別として)。

課題があるのなら、その解決方法を探るだけだ。


(まずは情報だな)

思案するクロウの前には美女二人がキャットファイトで床で絡まり合っていた。髪は乱れ、衣服が乱れていた。


クロウは苦笑した。


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こちらも連載中です。よろしければ見ていただけると嬉しいです

■機動小隊レンジャーワン https://ncode.syosetu.com/n8156lf/


【お願い】

源平合戦というマニアックな題材を読んでいただき感謝

面白いとおもっていただけたら

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よろしくお願いします


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