第四十五日[あっという間に大解決]
雷「ヒューマン、ターミネイトだ!」
梨「お前は超人類か!?」
矢「沖縄編、オウエンアリガト〜」
タタタタタ!
「雷堂先輩が銃器も無しで突撃して行きますよ!?」
「ふっ…雷堂よ…とうとう自爆行為に…」
「自滅の間違いじゃね?」
モニターでは隆次の大胆な行動に一同が騒いでいた。
「……当初の目的から随分ズレて来たネ…。」
ジャンヌは険しい表情でモニターを見上げて言った。
「…これ以上不必要に商店街を破壊するなんぞ金の無駄じゃ。そろそろ潮時じゃないかえ?」
「……かもネ…」
ジャンヌがピエールに声をかけようとしたその時
「雷堂アイツ!!」
モニター前のゲスト達が更に騒いだ。
「ふんぬっ!」
ズドォオオ!!
「軽自動車くらいなら持ち上がるんだな…」
隆次は取り敢えず近くにあった物を持ち上げてみた。
「投げれそうだ……よし、投げてみるか。」
「リュージ……これ以上面倒事を増やさないで頂けません…?」
「げ…」
隆次の背後に呆れた顔のシルヴィーが立っていた。
「冷静に考えてみれば、弁償代が相当な物になりますわよ…。主に貴方のせいで。」
「…あー…」
隆次は車を降ろして今までに起こった惨状を冷静に振り返ってみた。
真夕による非放置自転車も含んだ自転車撤去、真夕によるコンクリート地面の一部破損、隆次の銃乱射による店舗の倒壊及び破壊、隆次の銃乱射によるコンクリート地面の大量破壊、隆次の銃乱射による商品の大量破壊、隆次のライフル銃連射による…
「………」
「……で、これ以上まだ何かする気ですの?」
「……人生オワタ…」
「今ならまだコメディだからって事で何とか済みますわよ?」
「うぉおおおお!!シャドー!!何とかしてくれぇえええ!!」
「わかっ、分かりましたから抱き着くのは辞めなさい!!」
「ああ…うぅ…」
「我が娘ながら本当に良くできた娘ダヨ…」
ジャンヌはハンカチで目頭を押さえた。
「本当、シャードゥー家に相応しい娘じゃな…」
エボンも横で涙を流していた。
「……親バカだな…。」
小鷹の鋭い指摘!
しかし2人は聞いていなかった。
「取り敢えず、今貴方が出来るのは善行を積む事…すなわち騒動を終わらせる事。良いですわね?」
「おう……えぐ…」
「その為には…あの四人を止める…これしか方法はありませんわ。」
「おう……グスン…」
「メイドとピアー(梨)は何とかなるとは思いますけど…残りの2人ですわね…。片方はまだ目立っては動いてないものの…もう片方は下手すれば私にまでかかって来ますものね…」
「おう……ヒック…」
「という訳でマユを止めなさい。良いですわね?」
「おう……って…え?」
「止める…気絶させるか気を収めさせるか…」
「ちょちょちょ待った。今のアイツはメイド並かそれ以上なんだぞ?」
「えーっと……店舗一軒当たり大体幾ら位に…」
「やらせて頂きます!!」
「無事を祈りますわ。」
「うぉおおおおお!!」
隆次は半ばヤケクソで走って行った。
「我がギバー!」
「何だ…また予想外の事態にでもなったの?」
「隆次様が!覚醒して真夕様を討たんと!」
「…なーにそれ。」
2人は急いでモニタールームに戻った。
「おい矢手弓!隆次が何か…「覚醒」…そう覚醒…ってする訳無いだろ…」
蒲生は、さり気なく厨二ワードを挟んで他人の言葉を厨二発言にする技を覚えた!
「ふはははは!」
「そんなの良いから、「そんなの…」今どんな状況?」
「隆次様が真夕様と交戦中!隆次様は一方的に防戦となってますが…」
「…全体的にはどうなってる?」
「騒動に収拾がつく方面に…」
「……なら良いや。」
「良いのかよ。」
「ちょっとトイレ行ってくるよ」
「いってらっしゃいませ。」
名似何は部屋を出た。
「失敗なのか成功なのか分からない感じだね。」
「失敗に決まってるわ…それも大失敗。」
「まぁ、君は…排除して欲しかったんだろうしね…誰をとは言わないけど。」
「今回は消せると思ったのに…」
「隆次はそんな簡単に人に従う様な奴じゃ無いからね…」
「…流石はあなたの友人ね…あれは予想外だったわ。」
「…君も言うか…。」
「…貴方の道化師と一緒にされたくはないわ。」
「…だね。」
名似何は心底脱力した。
「……ま、今度は失敗しない様頑張るわ。」
そう戯けて魔女は暗闇へと消えて行った。
「…頑張って貰ったら困るって…」
そして携帯を開く音が響いた。
「邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔ぁ!!」
「オラオラみたいに言うなよ!」
その頃、隆次は真夕の拳を受け止め続けていた。
傍から見ると千手観音がゴム○ムのガトリ○グを受け止め続けている様にも見える。
「チッ…(あと3分ちょい…)」
魔女の秘薬の効果は10分程度…薬の効果が切れる前に真夕を沈静化しなければならない。
「たぁ!!」
「うぉ!?」
渾身のサマーソルトキックが隆次頬を掠めた。
「へぇー…今の避けれるんだ。」
「今だけ特別キャンペーンだ!」
隆次はこの瞬間に距離を取るために後ろへ下がった。
「容赦なんかしないよ!?」
その直後、真夕も追い打ちをかけようと前に出た……が、
「ポチッとな」
ボォオオン!!
「C4爆弾!一回押して見たかったんだよな。」
「げほっ…げほ…危なかったよ…気付かなかったよ…本気で怒っちゃったよ!!」
「ひぃ…シャ、シャドーー!!」
「お任せですわ☆」
ドン!
…っと催涙弾が撃たれた。
「ふぅん…俺は逃げる〜!」
隆次は脇目も振らず逃げ出した。
着弾地点…真夕の足元から催涙ガスが巻き上がった。
「うわ、何これ!?…!?げほっげほっ!」
「えーと…ジフェニルクロロアルシンだっけ?」
「くしゃみ剤ですわ。」
「ええんか?あんなん使うて…。」
「暴徒鎮圧用ですので問題無いですわ。」
「アハ……アッハハハ、ハックション!」
「彼女には若干効き目が薄いかもですけど…充分ですわね。」
「祭りは終わりか…仕方ない…片付けは私に任せておけ。」
「お願いします!アスカさん!」
「はぁ…防毒マスク持って来てたっけな…」
そう言ってアスカは催涙ガスの中の真夕を救出に行った。
「…後から事情を話すのが大変そうだな…」
「それは二股かけたお前の自業自得だ。」
「いやだからお前ら、勘違いしてるぞ?」
「あ?何をだよ?」
「だーかーらー…かくかくしかじか」
「まるまるうまうま…なぁるほど。それなら早く言ってくれれば良かったのによ…」
「本当ですよ。私も無駄に戦う羽目になってしまったのですし…」
「だったら話を聞いてくれよ…」
「…誤解も解けた所で帰りますわよ…貴方達はこの後私の部屋で説教ですわ。」
「…畏まりました。」
「…えぇ〜…」
2人の足取りは重かった。
「という分けでこの勝負引き分けで〜す!」
「引き分けかー…まぁいいか。」
「1番無難な結果でしたね。」
「ふははは!隆次よ!これからもその成長、見届けさせて貰うぞ!」
「……」
「葉子先輩、結局気になってた事って何だったんですか?」
「…ん?ああ。もう解決した。」
「そうですか…?では帰りましょうか。そろそろ集合時間ですし。」
「ではでは皆様!長らくの間、本企画にご参加頂き誠にありがとうございましたぁ!!後片付けはまぁ、何とかしておきますのでご安心ください。」
「そんじゃ、帰りましょうか。」
いつの間にか戻った名似何の一言で解散となった。
「……やれやれ…相変わらずの馬鹿だな…。」
最後に葉子は呆れて呟いた。
「「はぁ…」」
親によく似たシルヴィーの説教が終わり、隆次とメイドは廊下をフラフラ歩いていた。
「…貴方のせいですからね。」
「いや、お前のせいだ。」
「大体貴方が私に声を掛けなければ良かった物を…」
「声掛けて着いて来た方が悪い。」
「何ですかその誘拐犯的意見…」
「もう良いや…この話は辞めよう…。」
「……そうですね。帰る時も散々やった事ですし…」
「……そういやお前は来るのか?俺らと。」
「…う……お嬢様に着いて行きたいのは山々ですが、こちらでのお仕えというのもありますので…」
「着いて来たいならば来ればいいじゃないですの?」
フラフラ歩く2人の背後に主が現れた。
「え?よろしいのですか!?」
「…寧ろ着いて来る方が普通ですわよ?」
「お…お嬢様…」
「良かったじゃねぇか。」
「煩いです。」
「ひでぇ!?」
ジョニー、科菜に続きメイドも共に帰ることがこれで決まった事になる。
「それじゃあ荷物纏めて帰りますか…」
空港行きバス車内にて…
「えー…皆、3泊4日の沖縄合宿はどうだったかな?」
皆が楽しかったやらもっと長い方が良かったやら疲れたやら眠いやら答える間、名似何と隆次は皆の様子を見ていた。
「…なぁ、一つ…いや幾つか聞いて良いか?」
「何?」
「…何で思陽姉弟がまだいるんだ?」
「何か…もともと三人で来てたらしいよ。私達と同じ所から。」
「へー…で、何でジャンヌさんもいるんだ?」
「後片付けが予想外に早く済んだからだそうだよ。」
「醤油コト〜♪」
「へー…で、何で谷津冶がいないんだ?」
「……後ろの窓を見てご覧。」
「えー…後ろ?」
「うわぁああぁぁああぁぁああ!!」
…ロープでぐるぐる巻きにされ、高速道路で走るバスに括り付けられる奴…それが谷津冶。
「…絶対ェあいつの仕業だな…。」
「…君の思ってる通りだよ。」
そして一同は何とか無事に帰るのであった。




