第18章 誰が欠けても笑えない
ゆりあは久しぶりに図書館へ行った。
「大河くんっ!」
「ゆりあちゃん、久しぶり。最近来てなかったよね?どうしたの?」
「実は...」
「うん」
「学校から帰ったらパパとママが倒れてて」
「えっ?」
「りょーちゃんも」
「えっ?えっ?」
「りょーちゃんは何とか無事だったんだけど...パパとママは...」
「ゆりあちゃんに俺の携帯教えておけばよかった...」
「まだ犯人は捕まってなくて警察が家の周りを巡回してくれてるの」
「そんな大変な事が...」
「大河くん、でも、もう大丈夫」
「そんなわけ...」
「少し前にりょーちゃんが退院して来たから」
「だとしても。亮、大丈夫だったの?どっかに後遺症とかない?」
「うん、多分大丈夫っぽい」
「そっかーー。良かった。あ、いや、無事でって事でパパとママの事じゃ無くて...」
「大河くんは優しいね」
「そんな事ないよ。亮が入院中どうしていたの?」
「こうちゃんのママがウチに来なさいって」
「そっか。航太ん家にいたんだね。良かった」
「こうちゃんのママもパパも優しくしてくれて」
「そうか、そうか。今はどこに住んでいるの?」
「家だよ」
「ゆりあちゃん家ってこと?」
「うん。りょーちゃんが、こうちゃんのママに色々相談してお家の中身を変えて」
「リフォームしたんだ」
「うん。リビングと脱衣所がピカピカだよ」
「親戚の家に行ったりしないの?」
「親戚の人たちはパパとりょーちゃんを嫌っているから。パパの血をひく男の子は引き取りたく無いって」
「なんだ、それっ」
「こうちゃんのママが親戚の人たちに注意してくれて」
「そうだったんだ」
「ねえ、大河くん」
「ん?」
「うちに来て欲しいの」
「...」
「難しいの?りょーちゃんのこと嫌い?恨んでる?」
「嫌いでも恨んでもないよ!神に誓って!行きたいよ。亮の顔見たいよ。でも、俺は俺の両親と遭遇したくないんだ。俺が家出しても全く心配しないし、もう何年も帰って無いのに警察にすら届け出をしてない親なんだ。そのくせ偉そうだし俺に指示するし、周りの目気にして見栄ばっかりだし」
「大河くん...」
「俺ん家とゆりあちゃん家って近いからさ。ごめんな」
「ううん。でも...」
「大河くん、夜は?夜とかは?外に出てる人なんて居ないし!夜に来るのは?」
「万が一、親に...」
「夜中だったら大丈夫じゃない?」
「大河くんっ!」
亮は涙いっぱい浮かべて抱きしめた。
「会いたかった。大河くんに会いたかった」
「家で色々あってさ。ごめんな」
「ううん」
「亮ん家も大変だったな。そばにいてやれなくて本当にごめんな」
「そんなことないよ。大河くんが無事で今こうして会えてるのが本当に嬉しい」
ゆりあが亮と大河を再び繋いだ。
「ゆぅーちゃんが大河くんと会ってたなんて!僕には教えて欲しかったよ!」
「ごめんね、りょーちゃん」
「亮、俺がゆりあちゃんに秘密にして欲しいって頼んだんだ」
夜が明けるまで3人で語り合った。
「大河くん、僕ん家で一緒に暮らそうよ!」
ゆりあが用意した朝食を食べながら提案した。
「さんせーーー!」
ゆりあも喜んで同意した。
「亮、有難うな。でも今は友明兄ちゃんのとこで仕事してるから大学行くまでは...」
「いつでも遊びに来て!前みたいに勉強一緒にしたりしよう!うちで勉強合宿しよー!」
「亮、有難うな。ゆりあちゃんも」
「しかし大河くんって凄いよ!高校1年の代で高卒認定取るなんて」
「亮たちに追いつきたくてな」
「僕たちが大河くんに追い付かなくちゃだよ!」
「また来るな。有難な亮、ゆりあちゃん」
「うん。携帯に連絡するね!」
「おう!」
大河が朝早くに亮の家を出た。
「亮は、いつでも亮だな。あいつ変わんねーな。いい奴過ぎるぜっ」
大河はそっと涙を拭いた。
「こうちゃん」
「亮どうした?」
「僕、こうちゃんが大好きで憧れのヒーローなんだ」
「何だよー気持ち悪りーなぁ」
「こうちゃんには絶対伝えとかなくちゃってって事があって」
「おぉー!告白とかやめろよっ!俺は男は趣味じゃねーからなっ!」
「もーーー、こうちゃん笑。違うよ!大河くんが昨日の夜に来たんだ。朝方に帰ったけど」
「まじかっ!!!!」
「うん」
航太へ大河が言っていた事を全て報告した。
「うん!亮、有難うな。俺も秘密にする」
「こうちゃん、でもね、僕思うんだ。恭太くんたちに言っても同じ返事するんじゃないかって」
「確かに」
「僕たちと大河くんの秘密にしたいなって」
「悪くないよな」
「うん。僕ん家で大河くんの卒業式やりたいなって」
「りょーーーー」
航太は亮に抱きついた。
「亮!俺等って、どこまでも考える事一緒だなあ!俺もずっと思ってたんだ。いつか再開出来たら大河の卒業式したいって」
「大河!」
「なんだよ、お前!」
「すげー会いたかったんだぞ!」
亮の家へ大河が来た時、サプライズで仲間を呼んでいた。
みんなで大河の卒業式をした。




