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第10章 待ち望んだ灯り

最近のゆりあは学校でも外でも

1人図書館で過ごす事が多かった。

亮の事もあって周りが囁いている内容は

自分の兄の事だろうと勘付いていた。


「もう、こんな時間か...家に帰りたくないなぁ」

読みかけの本を戻し重い足取りで家に着く。

「ただいま...」

玄関のドアを開けると

亮の靴があった。


「えっ!」


ドタドタとリビングに向かうとソファに亮が座っていた。

「りょーちゃん!」

飛びつきワンワン泣いた。

「りょーちゃん。お帰りなさい。会いに行けなくてごめんね。本当は凄く会いたかったの!」

「ゆぅちゃん」

「何も言わないで!ここにいるだけで嬉しい」


亮は母親の涙より妹の涙に本心を見た気がした。


トントン。


ゆりあは亮の部屋をノックした。

「りょーちゃん入っていい?」

「うん」

「えへへ」

照れ笑いを浮かべながら亮の部屋へ入った。

「ゆぅちゃん、どうしたの?」

「ううん。ただ嬉しくて」

「僕のせいで色々ごめんね」

「そんな事ないよっ!ただ...」

「ただ?」

「りょーちゃんが居ない間が...」

言葉に詰まり俯いてしまった。

「僕のせいでイジメられたんだね?」

「ううん。そんな事は大したことじゃないの。りょーちゃんが居ないって現実が凄く地獄だったの」

「ゆぅちゃん...」

「帰って来てくれて嬉しい...明日から学校行くでしょう?」

「何か、行きづらくて考えてる。正直行きたくないなって」


翌朝、母親と一緒に亮は学校へ行った。



「亮!」

職員室の廊下で仲間達が周りを囲んだ。

「亮!今日の放課後どこ行く?」

いつも通りに接してくれる仲間に泣いた。

「みんな...ありがとう...」

「何言ってんだよ!」

「何でありがとうなんだよ!」


「亮!待ってたぞ!」

大河が言った。


「大河くん...本当に僕のせいでごめん...」


「何がだよ!意味わかんねーぞ、亮、笑」

大河はいつも通り優しくて気遣いの人だった。


「おい、お前たち!チャイムが鳴ったの聞こえなかったか?早く教室へ戻りなさい」


教室へ戻るとクラスメイトは

亮たちを遠巻きに見ていた。


が、亮は仲間たちの元へ戻って来られたことが嬉しくて、それ以外は気にならなかった。


以前のまま。


何も変わらない日々が始まった。


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