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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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初めてのテスト ④



 図書室でのトラブルの後、アンジュ嬢達に別れを告げて、サロンに向かう。

 その間、リリは俺と手を繋いだまま下を向いて歩いている。

 俯いて顔が見えないから、リリの事を考えると心配で、俺もずっと黙ったままだった。


「さあ、着いたね。みんなが待っているよ。」


 セドリック殿下が扉を開けると、友人達の心配する声が聞こえた。


「リリアーベル、何があったの?大丈夫だったの?」


 ビアトリス嬢の叫ぶような心配する声に、リリが俯いていた顔をあげる。


「二人とも大丈夫だったか。本当にお前たち双子は、すぐに面倒ごとに巻き込まれるな。」


 オリヴァーの言葉に、リリが、ギュッと唇を引き結び、何かを耐える顔をする。

 リリに、そんなに顔をさせたオリヴァーを睨むと、オリヴァーが気まずそうに顔を背けた。


「二人とも無事で良かったです。ユーリアス、そんなにオリヴァーを睨まないで下さい。少し言葉の選択を間違えただけで、さっきまで心配して、部屋の中をウロウロして鬱陶しいくらいだったんですよ。」


「あぁぁ、エリオット。お前は余計なことを言うな。少し黙っとけ。」


 エリオットの言葉に、オリヴァーが顔を赤くし、慌てて止めに入る。

 エリオットとオリヴァーのやり取りに、リリの表情から力が抜ける。


「みんなが二人を心配してたのは分かったけど、まずは落ち着くために、お茶にしないか。」

 

 リヒトの提案に、みんなが賛成して、それぞれが席に着く。


 温かな美味しいお茶を飲むと、心まで温まりホッとする。

 隣のリリを見ると、同じだったようで表情が和らいだのがわかった。


「さて、落ち着いたところで、私から説明しようかな。」


 セドリック殿下が、図書室での一件を話すと、その場に居なかった者たちも、みんなが不快に顔をしかめる。


「花祭りの時も馴れ馴れしかったが、その男爵令嬢は、何なんだ!」


 オリヴァーが、怒りでドンッと大きな音を立ててテーブルを叩いて立ち上がる。リリが驚いてビクッと体を震わせる。


「ちょっと、オリヴァー落ち着けよ。リリが怖がるだろう。」


 俺の言葉にリリの様子を見たオリヴァーが、「すまん」と謝り席に座った。

 

 当事者のリリが、今この場でどんな気持ちでいるのか。リリから伝わる感情が、俺の胸を締め付ける。


「そういうことだから、明日からみんなにも手伝って欲しい。勉強会は、そのまま希望者を対象に行うこと。役割は、元々話し合った科目を担当でいいよね。但し、私達が相手に合わせる必要はないよ。私達だってテストを受ける側なんだから、相手に合わせるメリットはないだろう。きっちりと教えてあげようじゃないか。」


 そう言うと不適に笑う。


 セドリック殿下の意図を理解した者が、楽しそうに笑い賛成する。

 普段なら腹黒王子に辟易するが、今日の俺は、進んでその腹黒さに乗っかりたい。


「何だよ。みんなして笑って、何か怖いな。何か企んでるのか。」


 約一名、セドリック殿下の意図に気づいてない人もいるけど、彼らしくて、少し微笑ましい気持ちにもなる。


「あの、みんな…ごめんなさい。」


 突然、リリが立ち上がり、みんなに向かって頭を下げた。


「みんなも試験勉強で忙しいはずなのに、私が上手く伝えられなくて、こんなことになってしまって、本当にごめんなさい。」


 謝るリリに、みんなが顔を見合せ困惑する。


「みんなの負担を考えると本当に申し訳ないし、優しいみんなの気持ちに付け入るみたいで、申し訳ないけれど、アンジュも困っていたの。だから、どうか勉強会のことお願いします。それと、アンジュも一緒に勉強会に参加する事を許してくれて、本当にありがとうございます。」


 リリは、深く頭を下げ、謝るだけでなく、アンジュ嬢の参加を認めたことに、感謝を伝えた。


 それを見た殿下が、すぐにリリの側までやって来る。頭を下げるリリの肩を優しく包み、顔を上げさせる。


「リリアーベル、謝らなくていいし、感謝も必要ない。これは、私が自分勝手に提案したことで、リリアーベルが言ったことじゃないだろう。王族として、学園の皆の成績が上がるのは良いことだしね。それに、優しい王子様って、私の株も上がるだろう。」


 最後に、冗談めかして殿下が言うと、リリが少し笑った。


「リリアーベルには、笑顔がとても良く似合う。ここに居るみんなは、君の笑顔が好きなんだよ。それに、君自身のことも、みんな好きなんだ。だから、頼られて嬉しいんだよ。」


 リリの頭を優しく撫で、セドリック殿下が告げる言葉に、リリも気持ちが落ち着いたのか、一番の笑顔を見せる。


「今日は、もうお茶会に切り替えようか。勉強会は明日からって宣言したからね。今日は、みんなで楽しもう。」


 セドリック殿下の言葉にみんなが笑顔で頷いた。


「そういえば、お土産のお菓子持ってきてたな。ちょうどいいから食べるか?」


 リヒトが、帰国した時に買ってきたというお土産のお菓子をテーブルに置いた。


「おぉぉ、魔族の国のお菓子か。アレ、とっても上手いんだよな。今回は、お土産ないのかと、ちょっとガッカリしてたんたぞ。早く食べようぜ」


 オリヴァーが、嬉しそうにお土産のお菓子に手を伸ばす。


「オリヴァー、行儀が悪いですよ。本当に貴方って人は、仕方ないですね。リヒトも、お土産ありがとうございます。折角なので、お茶も新しいものに入れ替えましょうか。」


 エリオットが丁寧にリヒトにお礼を伝え、お茶を新しいものに入れ替えて貰う。


 その後は、幼なじみ皆との楽しいお茶会を堪能した。





 


 帰宅するため、準備をしてサロンの入り口に向かう。


「ユーリアス、少しだけ話があるんだ。後で私の魔動車で送らせるから、一緒に来てくれないか?」


 セドリック殿下に呼び止められ、まずは、リリを魔動車まで送り届ける。そして、俺はそのまま王宮へと向かった。

 



 


いつも読んでいただき、ありがとうございます。


 次は、勉強会の前に、王子からの緊急招集されたリリを守る会の会議です。今回は人間限定で、ルミナとベルは不参加です。


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