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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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初めてのテスト ②



 放課後になり、約束した勉強会へ向かう。参加はいつものメンバーで、セドリック殿下とオリヴァーが魔法学を、ビアトリス嬢が刺繍を見てくれる。そして、俺とエリオットが共通授業を担当して、リヒトが魔法実技を見ることになった。

 

 正直、リリ以外はテストに不安はないと思うが、折角なので全員で教え合うことになった。それぞれ復習にもなるので、ちょうどいい。


「リリが泣きそうになってたから心配したけど、初めてのテストが、何とかなりそうで良かったね。」


「本当に助かったわ。一人で教科書を読んでいても、全く頭に入ってこないのよね。魔法は好きだけど、難しい事を考えて魔法を使うのは苦手だわ。」


 まさか、リリが何も知らずに魔法を使っていたなんて、誰もそんなこと気づいてなかっただろうな。

 

 リック兄様は知ってそうだけど、リリの好きなようにさせていた気がする。

 

 感覚で魔法を使うリリは、特別だろう。何にも縛られないから、いろんな魔法を自由自在に使い、新しく作ることが出来る。

 

 今のままで十分凄いのだから、リリの言うように難しい事は無しでもいいと思うが、学園の中では、そんなこと認められないだろうな。


「あっ、私、図書室で借りたい本があるから、ユーリは先に行っていいよ。」


 図書室近くを通ると、リリが思い出したように、図書室へと足を向ける。


「リリ待って、それなら俺も一緒に行く。」


 リリを追いかけ、一緒に図書室に向かった。


「何の本を借りるの?」


「刺繍の本を借りたいの。私でも簡単に刺せる図案を探すの。学園の図書室には、参考になる本があるかもしれないでしょ。」


 そう言うと、リリは刺繍の本を探しに行ってしまった。

 リリを追っても良かったが、一人でゆっくり探せるよう、俺は別のスペースで待つことにした。


 暫くリリと離れた位置にいたが、奥の方で数人の話し声が聞こえてきた。

 最初は、小さな声で話していたようだが、段々と大きくなり、静かな図書室の中に響くような大きな声に変わる。


「あなた………でしょ。」


「しんじ……ない。侯爵……だから……ないでしょ。」


「アンジュさんに対して、失礼よ!」


 何を言っているか聞き取れなかったが、最後の言葉は、はっきり聞こえた。


(アンジュさんって言ってたな。彼女が面倒ごとに巻き込まれているのか?)


 知り合いの名前が聞こえたので、気になり声のする方へ視線を向ける。


(えっ…リリ…?)


 視線の先では、数人の令嬢に囲まれたリリが、困った顔をしていて、何故か酷く責められている。

 その令嬢達の後方には、アンジュ嬢がいて、黙って俯いている。リリを助ける様子もない。


(リリを助けないと…)


 すぐに助けに入りたかったが、俺は、まだ女性が苦手だった。助けに行って、気分が悪くなったら意味がないので、他にも応援を呼ぶことにした。

 早速、リヒトに作ってもらった通信用魔道具で、連絡を取る。


『リヒト、今どこ?』


 文字を送ると、すぐに返事がきた。


『サロンにいる。』


 なるべく早く来て欲しかったので、簡潔に分かりやすく返信する。


『リリがピンチ。今すぐ図書室へ来て』


『今行く』


 リヒトからの返事に安堵し、両頬を叩いて気合いを入れる。

 リリの元に歩みを進め、深呼吸してから、目の前の令嬢達に向かって声を掛ける。


「私の姉に何か用ですか?何か言いたいことがあるなら、私が聞きますよ。」


 突然、後ろから声をかけられて驚いたのか、全員が勢いよく俺の方に視線を向ける。


 リリを責めていた3人の令嬢が、俺を見た瞬間、顔を赤らめる。その姿に、不快な気持ちが込み上げる。

 さっきまでの強気な態度から、急に大人しくなり、チラチラと俺を見てくる視線が気持ち悪い。完全に嫌いなタイプだ。

 今すぐ逃げたい衝動を抑え、リリの前に庇うように立つ。

 

「もう一度言います。私の姉に何か用があるなら、私が代わりに聞きますよ。」


 俺の言葉を聞いて、目の前の令嬢達は、気まずそうにしながら、黙ったまま立ち尽くしている。


「……ユーリ…私は、平気よ。」


 背中の方から、リリの小さな声が聞こえる。後ろを振り返ると、困った顔のリリと目があった。俺はすぐに笑顔を見せ、リリに「任せて」と告げる。 


 その時、図書室の入り口の方が騒がしくなり、勢いよく扉が開く。

 室内を見回して、俺たちを見つけた彼らが、大股で近づいてきた。


「ユーリアスにリリアーベル、約束の時間は、とっくに過ぎているよ。余りにも遅いから二人を迎えに来たよ。」


 そこには、いつもの王子スマイルで、目が笑ってないセドリック殿下と、真顔で睨むリヒトが立っていた。




 




 

 80話も超えてきましたが、ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

 

 読む人がいることで、とても嬉しい気持ちです。執筆の励みにもなっています。ありがとうございます。



 できれば、今日の夜にもう一話投稿できたらと思ってます。よろしくお願いします。

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