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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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初めてのテスト ①

テスト期間の始まりです。



「どうしようユーリ。私、魔法の実践は問題ないけれど、座学の授業は、赤点確実かもしれない。それにね、淑女科のテストに刺繍の提出があるの。それも自信がないわ。このままじゃ、まずいわ。2学期から、ユーリと別のクラスになったら、私どうしよう。」


 幸せいっぱいの誕生日が過ぎ、初めてのテストが近づいてきた。

 学年共通の授業、外国語に自国や他国の歴史など、幼い頃からリリも俺も学習済みで、特に不安もない。


 選択科目の方も、俺は家庭教師をつけて領地経営について幼い頃から学び、父と一緒に領地を周りながら直接指導を受けていたので、今さら学園で学ぶことが少ないくらいだ。

 騎士科の授業も、特に不安はない。幼い頃から、国一番の剣の達人が近くにいたんだから、正直この学園で、剣で負ける気がしない。


 そういうわけで、俺にとっては初めての学年テストも、余裕で何の心配もないものだった。勿論、リリもそうだと思っていた。

 それが先程、担任からテスト期間の説明を受けると、顔を青ざめさせ泣きそうにしながら、絶望に打ちひしがれている。


「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。リリは、魔法が得意だろう。いつも使ってる魔法のことだから、そのまま答えを書けばいいんだよ。刺繍は……、提出したら一応点数は貰えるはずだ。それに、他は誰にも負けない完璧な淑女だろう。自信を持って、リリなら大丈夫だよ。」


 いろんな魔道具を発明し、魔法の名称を唱えなくても発動出来る天才なんだから、何をそんなに不安がるのか分からない。

 淑女教育も、家庭教師からは合格点を貰っていて、素晴らしいと絶賛されている。

 刺繍に関しては、かなり独創的だが、リリの一生懸命さは伝わるはず。


「ユーリ、私ね、魔法は使えるけど、魔法の原理とか難しいことは分からないの。」


「どういうこと?」


 魔法を使ってるなら、魔法を発動する仕組みとか知らないと使えないのでは?と、リリの言ってる意味が分からなくて首を傾げる。


「そんなこと知らなくても、魔法って使えるのよ。だって、リック兄様が魔法はイメージが大切だって言ってたもの。難しいこと考えなくても魔法が使えるから、原理原則?なんて必要なくて勉強したことないの。」

 

 うちの可愛い天使が、天才過ぎて人間の枠を超えてきた。

 確かに、魔法はイメージが大切って言ってたけど、それだけで使えるなら誰でも魔法が使えるようになる。

 魔法発動には、その原理を知らないと魔力を使えないはず。

 リック兄様が、その辺は教えていると思っていたのに、きっと面白がって適当に伝えていたに違いない。

 原理原則は無視して、感覚的な魔法を使うリリの魔法って本当に規格外。


「それは、何と言うか…どうしようか。俺も魔法については詳しくないからな。リック兄様に……と思ったけど、忙しいだろうな。」


 他の事なら教えてあげられるけど、魔法は苦手だ。リリの為に、どうにかしてあげたいけど、俺が教えられることは無い。

 ビアトリス嬢は、刺繍ならどうにかなりそうだけど、魔法は選択してない。


「二人とも、そんな深刻な顔をして、どうしたの?」

 

 リリと二人で考え込んでいると、セドリック殿下が、声をかけてきた。


「それが、テストのことが不安で…。」


 リリの言葉に、セドリック殿下も不思議そうに首を傾げる。


「リリアーベルくらい優秀なら、不安になることは無いだろう。何をそんなに不安に思うの?」


 リリの優秀さを知る殿下の当然の疑問に、リリは、首を横に振って否定する。


「優秀なんて、とんでもない。私は、魔法の座学が苦手で、難しいことは全く理解できないんです。多分、テストでは赤点確実です。2学期には、このクラスから消えて居なくなってるかもしれません。」


 更に泣きそうになって、落ち込んでしまったリリに、殿下は優しい笑顔を作り、あることを提案する。


「リリアーベル、それなら私が魔法について教えてあげる。テストまでは、まだ時間はあるだろう。一緒に勉強会をしようか。」 


「勉強会?セドリック殿下が、教えてくれるの?」


 パッと顔を上げ、驚きの顔で殿下を見つめる。


「私も、魔法科を選択しているから、丁度いいんだよ。さっそく今日から放課後に勉強するのは、どうかな?」


「やりたいわ。セドリック殿下がいいなら、今日からお願いします。」


 リリが、止める間も無く即答する。殿下は、リリの勢いに、少し驚いたような顔を一瞬見せるが、すぐに嬉しそうに笑顔になる。


「セドリック殿下、それなら俺も一緒に参加します。リリと二人で勉強会など、変な噂が立つと困りますからね。」


「ハハハ、ユーリアスは心配性だな。心配しなくても、二人だけになるつもりは無かったよ。ビアトリス嬢やオリヴァー達にも声を掛けるつもりだったのに、何を勘違いしているの。」


「今、俺の名前を呼んだか?」


 殿下の言葉にオリヴァーが反応して、こちらにやって来る。


「テストに向けて、勉強会をするんです。オリヴァー様も一緒にどうですか?」


「勉強会?いいな、それ。俺も参加する。」


 オリヴァーも悩むこと無く、参加が決まった。


「エリオットやビアトリス嬢にも声をかけようか。」


 その後、いつものメンバーに声を掛け、結果、みんなで初めての勉強会をすることになった。


 ついさっきまで、泣きそうな顔で沈んでいた天使も、みんなとの勉強会が決まった今では、いつもの笑顔に戻っていた。



ここまで読んでいただき、いつもありがとうございます。



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