表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
79/120

ガーデンパーティー(愛し子と精霊王)



 空に浮かんだ一人の男性が、ゆっくりと下まで降りてくる。


「初めまして、可愛いリリアーベル。いつもルミナから君の話を聞いていたよ。ずっとずっと会いたかった。」


 精霊王と名乗った男が、リリの手を取り指先に口づける。


「…っ」


 リリは、可愛らしく頬を真っ赤に染め上げ、突然の事に動揺しているようだ。

 その場から離れるように、後ろに一歩足を引くが、逃げられないよう腰に手を回され引き寄せられた。


「どうか、逃げないで、私の愛し子。可愛いリリアーベル。本当はね、顔を見せるつもりは無かったのだけど、余りにも君が可愛いから、我慢できなかったんだよ。」


 綺麗な白銀の髪には光が広がりキラキラと輝いている。よく見ると、髪だけでなく全身が光に包まれていて、淡く輝いていた。


「あ…あの…近い…です。少し離れて。」


 リリが、何とか声を出し、男に離れるように告げると、名残惜しそうに男が離れた。


 余りの出来事に、驚きすぎて固まっていた俺の思考も動きだし、不埒な男からリリを守れと体が動く。


「ちょっと、うちの姉に何してるんですか。勝手にリリに触れるのは、止めていただきたい。」


 リリを背に庇い男の前に立つと、男が目を見開き驚いた顔を見せた。


「へえ、この子がリリアーベルの双子の弟か。とても、よく似ているね。確か名前は…ユーリアスと言ったか。とても面白い色をしているね。君も気に入ったよ。君に私の祝福をあげよう。」


 精霊王と名乗る男が、リリの前に立つ俺に近づき、そっと額にキスをした。


「…っ、へぁ…えっ…何…えっ…えっ…はぁぁぁ!!」


 咄嗟に手で額を押さえ、動揺の余り声が裏返ってしまう。


「何って、精霊王の祝福だよ。リリアーベルには、ルミナの祝福があるから、君には彼女の代わりに、私の祝福をあげるよ。愛し子の弟だし、リリアーベルと同じ色も持っているから、君自信も精霊に好かれるはずだよ。だから、君たち双子が私の愛し子だと分かるように印をつけたんだよ。」


 その言葉と共に、俺の体が淡い光に包まれた。そのまま光が体の中に吸い込まれるように消えていく。


「上手くいったようだね。リリアーベルには、ルミナの祝福と私の印を、ユーリアスには、私の祝福が与えられた。ここにいる人間が証人だ。もしも、この二人に危害を加える者がいれば、精霊王たる我が…制裁を下す。」


 精霊王が、チラリと一人に視線を向ける。視線の先が気になり、誰を見ているか確認しようとすると、セドリック殿下が前に出て、精霊王に声を掛ける。そのため、精霊王の視線がセドリック殿下を捉え、誰を見ていたのか分からなかった。


「精霊王様、お初にお目にかかります。私は、この国の第一王子、セドリック・オーキナンドと申します。どうか私の発言をお許し下さい。」


「いいよ。何が言いたい?」


「ありがとうございます。精霊王様、この双子は私の大切な友人です。大切な友として、二人を守るのは勿論ですが、もしも、この二人を傷つけるものがあれば、どうかこの国の王族として、私に、対応を任せて頂けないでしょうか。」


 セドリック殿下は、先程の精霊王の最後の言葉を聞いての発言だろう。''制裁を下す''と言ったその相手が、加害者だけとは言わなかった。

 精霊達からすれば、人間はみな同じ。愛し子を傷つけたとなれば、人間が敵になることも考えられる。そこに制裁を加えられると、国全体に影響が出るかもしれない。

 それを、阻止するためには、人間同士の問題として、人間が対応出来なければいけない。


 精霊王は、セドリック殿下の言葉に、考える素振りを見せる。

 そこに、今まで黙って見ていたルミナが、口を挟んできた。


「精霊王様、あまり勝手をされては困りますよ。私は、まだ顔を出すなと言いましたよね。それなのに、勝手に出てきて、ユーリに祝福まで授けて、いい加減にして下さい。人間の事は人間で解決するのが当然でしょう。セドリックは信用出来ますから、彼に全て任せて下さい。いいですね。」


 ルミナが、尻尾で地面をペシペシ叩きながら、顔を上げて精霊王に怒っている。


「えぇぇ、そんなの、つまらないよ。愛し子の事だよ。少しくらいなら関わってもいいんじゃない。セドリックだっけ?彼に一任してもいいけど、少しだけなら、私が罰を与えてもいいんじゃないかな?それにね、二人との交流も認めてよ。ルミナだけ常に一緒なんてズルいと思う。祝福を与えたのだから、たまに遊びに行くぐらい、いいだろう。」


 精霊王が納得できないとばかりに、ルミナに文句を言っている。


「精霊王の力で罰なんて与えたら、人間の国がいくつあっても足りませんよ。そんなの双子が悲しむでしょう。二人を悲しませていいんですか?まぁ、でも交流に関しては、もう顔を見せちゃったし、仕方ないので、たまになら良いですよ。その代わり、仕事はちゃんとして下さいね。」


 ルミナがそう言うと、俺とリリを振り返る。これは、何か言えと言うことか。


「精霊王様、祝福を授けて下さって嬉しいのですが、流石に人間の国が滅びるのは望まないので、セドリック殿下に任せて下さい。殿下は信用できる私の親友なのです。」


「私もセドリック殿下を信じています。殿下なら必ず正しい判断をしてくれます。それから、えーと、精霊王様ともお友達になれるのも、嬉しいです。私とユーリとお友達になって下さい。」


 あぁぁ、リリがとても可愛いことを言ってる。リリから友達になって欲しいと言われて断れる人がいるのか、いや、いるわけがない。


「友達…リリアーベルと友達になる。いいね。とてもいいよ。友達ならいつでも会いに行って良いってことだよね。」


「…はい。いつでもお待ちしてます。」


 俺の言葉に、急にご機嫌になった精霊王が、セドリック殿下に笑顔で告げる。


「セドリックとやら、ちゃんと双子を守ると約束してくれ。そして、何かあっても公正に判断して対処してくれよ。そうじゃないと、私が動かないといけなくなるからな。」


「分かりました。どうか私にお任せください。双子を必ず大切に守ります。」

 

 一国の王子に、守ると言わせる侯爵子息と令嬢って、これっていいのか?不敬にならないか心配だよ。


「よし、それじゃあ、私もパーティーに参加してもいいよね。あのチョコレートフォンデュと言うものが気になっていたんだよ。あっ!それと、これは、私からの誕生日プレゼントだよ。」


 精霊王がそう言って、空に向かって片手を振り上げると、そこには大きな虹が架かる。


「うわぁ、きれい。ユーリ見て大きな虹よ。」


「本当だ。とても綺麗だね。」


「喜んでくれて嬉しいよ。今日はガーデンパーティーだと聞いていたから、晴れるように調整したのだけど、青空に虹も綺麗だろう。」


 どうやら、今日の青空は精霊王の起こした奇跡らしい。

 

 何処までも続く青の中に、見たことない程くっきりと浮かぶ七色の大きな虹が、眩しく光り輝いて、とても神秘的で綺麗だ。


「私の天使ちゃん達は、どんな時も規格外で吃驚ね。」


 お母様が隣までやって来て、俺とリリを見ながら、楽しそうに笑い出す。


「本当にな。我が家の可愛い双子は、どんな者にも好かれる素晴らしい子達だ。こんなに素晴らしい贈り物まで、喜ばしいことだな。」


 お父様も、お母様の側に寄り添い、俺たち全員を愛おしそうに見つめる。


 思わぬ乱入者に驚いたけど、素敵なプレゼントに、みんなからの祝福を受け、結果的には、最高の誕生日になった。


 

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ