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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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ガーデンパーティー (ヒロイン登場)



「二人とも御誕生日おめでとう。今日という日を一緒にお祝いできることを嬉しく思うわ。」


「ビアトリス、今日は来てくれてありがとう。セドリック殿下も来てくれてありがとうございます。どうか今日は楽しんでいって下さいね。」


 セドリック殿下にエスコートされて、ビアトリス嬢が、パーティー会場入り口の薔薇のアーチを潜る。


「二人とも誕生日おめでとう。とても素敵な演出だね。これは、何と言ったか…、シャボンダマだったか?とても、綺麗だな。」


 セドリック殿下が、シャボン玉に囲まれたリリを見て、目を細める。


 入り口の薔薇のアーチを潜ると、キラキラ光るシャボン玉の中を通って会場に入る。   

 割れなかったシャボン玉が、風に乗ってあちこちに広がり、それを子ども達が追いかけて遊んでいた。

 狙いどおり、リリとお母様が提案した、シャボン玉は子ども達に大好評だった。


「殿下もビアトリス嬢も、本日はありがとうございます。リリと母が、頑張って考えてくれた演出なんですよ。シャボン玉、気に入って貰えて良かったです。オリヴァー達も、中で楽しんでいるので一緒にどうぞ。」


 奥に進むと、綺麗に手入れされた花に囲まれ、笑顔で楽しむ客人達が、それぞれ寛いでいる。


「まぁ、可愛い飾りが沢山だわ。素敵ね。あら、あの子が持っている物、風船よね?あんな可愛い形見たことないわ。どうやったの?」


 ビアトリス嬢が、見つけたのはバルーンアートで作った犬。他にも、女の子は花を、男の子は剣を持っている子もいる。

 会場の飾り付けも風船を使って、可愛らしくて華やかに飾り付けられ、客人の目を楽しませていた。

 

「ああ、あれはバルーンアートと言って、細長い風船を、こうねじったり、合わせたりして、いろんな形を作るんです。」


「えっ、風船をねじって平気なの?凄い技術ね。まあ、本当に可愛いわ。私にも同じもの作って貰えるかしら。」


「ビアトリス、気に入った?あそこで作ってるの。希望を聞いて作ってくれるのよ。一緒に行きましょう。」


 リリがはしゃいで、ビアトリス嬢の手を引きバルーンアートの場所へと案内する。


 前世で、少しだけバルーンアートを嗜んでいたので、俺でも簡単なものなら作れる。

 まさか、異世界転生して役立つ日が来るとは、何でもやってみるものだな。

 

 この世界、普通に風船が有るのにも驚いた。前世と全く同じ物なので、それならゴムもあるのかと探したが、それは見つからなかった。この世界の風船が、何で作られてるのかは不明だ。

 

 シャボン玉は無かったのに、風船は有るなんて不思議だが、深く考えるのは止めた。

 何かしらの物語の世界なら、ヒロインと攻略対象を盛り上げるアイテムなど、世界の常識は関係なく、何でも有りなのかもしれない。


「あそこにオリヴァーとエリオットもいるな。何をしてるんだ?」


 セドリック殿下が、二人を見つけて凝視する。


「あれは…、チョコレートフォンデュですね。あのタワーの上から溶けたチョコレートが流れているので、果物などに付けて食べると美味しいですよ。」


 二人とも、実は甘い物が好きだから、とても喜んでいて、チョコレートの側から離れずにいる。


「お前たち、本当に甘いものには目がないな。」


 セドリック殿下が、呆れた声で二人に近づき声を掛ける。


「セドリック殿下、これは革命だ。無限に流れるチョコレートだぞ。こんなもの今まで無かっただろう。それに、好きなものを付けて食べるんだが、美味すぎて手が止まらない。ただチョコレートに付けるだけなのに、なんでこんなに美味いんだ。」


 オリヴァーの言葉に、エリオットも頷いてみせる。

 頷きながらも、手はしっかりと串を持ち刺さったマシュマロを、チョコレートの滝にダイブさせている。

 

「セドリック殿下もぜひ食べてみて下さい。美味しいですよ。」


 殿下は、戸惑いながらも、イチゴに串を刺し、チョコレートの滝に付け、そのまま食べた。


「…んんっ!これは、美味しいね。チョコと果物がこんなに合うなんて、それに楽しい。ユーリアス、また面白いものを作ったね。」


「俺は、案を出しただけです。作ったのはリリですよ。」


「二人で作った…だろう。本当にゴルドリッチ家の双子は、素晴らしい物を作り出すね。今度、王宮の夜会でも出してみたいな。ユーリアス、いいだろうか。」


「そうですね。リリにも聞いてみますが、多分、喜びますよ。」


 リリは、ビアトリス嬢と二人でバルーンアートに挑戦中のようだ。チョコレートの件は、あとで確認してみようと思い、ふと視線を移すと、丁度、お母様がこちらを見て合図する。


「殿下、少し呼ばれたので、一旦失礼します。オリヴァーとエリオットも楽しんでくれ。」


 急いで、お母様の所へ向かうと、そこにはルミナもいた。


「二人とも、どうしたのですか?」


 ニヤリと不敵に笑うお母様に、少し緊張気味のルミナを前に、何があったのか訪ねる。


「彼女が来たのよ。こんなにゆっくり御登場なんて、本当に待ちくたびれたわ。さあ、ユーリお出迎えよ。」


 お母様がエスコートするよう手を差し出したので、その手を取り彼女を出迎えるべく移動する。


「どうかしら。ちゃんと中に入れるかしらね。私の結界は、少しの悪意も許さないわよ。」


 ルミナの言葉に、そういえば悪意が有るものは結界に弾かれることを思い出す。

 これで、弾かれれば何か企みがあって、リリや俺に近づいてきた事が分かる。

 リリが信用していた彼女が、無事に中に入れるよう無意識に願ってしまう。


「アンジュ嬢、今日は、招待に応じて来てくれてありがとう。」


「い、いえ。私みたいな者を…招待して、頂き…あ、あり、ありがとうございましゅ…。」


 顔を真っ赤にして、俯き加減で話す姿は、初めて会話した時を思い出す。

 そして、また緊張で、最後に噛んだ。あの時と同じで無害そうに見える。


「ようこそ、コルトブル男爵令嬢。私は、ユーリアスの母よ。よろしくね。さあ、まずは、会場に案内するわね。ユーリ、紳士らしく彼女もエスコートしてあげて。」


 左側をお母様が占領しているので、右腕を差し出し、「どうぞ」と声を掛ける。

 アンジュ嬢が、「ひぇぇ」と変な声を出して、あたふたしている。

 その姿が、余りにも可笑しくて、プッと吹き出してしまった。


「ユーリ、あなた学園で女性から嫌われてるの?エスコート拒否されてるわよ。」


「失礼ですね、お母様。俺は、アンジュ嬢とは、余り面識がないので、彼女はただ緊張してるだけですよ。アンジュ嬢、ゆっくりでいいので、ぜひ私にエスコートさせて下さい。」


 右腕を差し出したまま、彼女が落ち着くのを待っていると、深呼吸を繰り返し真っ赤な顔をした彼女が、戸惑いながらも右腕に触れた。


「よ、よ、よろ…よろしく…お願い、します。」


 彼女の緊張ぶりに、笑ってはいけないのに、ついつい可笑しくて笑ってしまう。


「それじゃあ、いきますか。」


「フフ、ユーリよかったわね。両手に花よ。しっかり私たちを会場までエスコートしてちょうだいね。」


 そのまま、二人をエスコートしながら、歩き始める。

 特に何事もなく、すんなり歩き出せた。右隣のアンジュ嬢は、カチカチに固まっているが、結界は反応しなかった。


「嘘でしょ。何もないわ。しかも、この子普通の子よ。ただの良い子だわぁぁぁ!」


 結界を通った彼女を見て、お母様の腕に巻き付いていたルミナが、驚きで大きな声で叫んだ。


「ひぇぇ……すみません。すみません。」


 声に驚いたアンジュ嬢が、ひたすら謝り倒し、その場から離れようとするのを必死で説得する。

 それを見て、お母様が大笑いし、アンジュ嬢の様子に唖然としたルミナを連れ、会場へと戻った。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

 次も、パーティー編です。明日夜に投稿予定です。よろしくお願いします。

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