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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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お母様は止まらない



「あのね、遅くなりましたが、来月の私達の誕生会の招待状です。みんな来てくれると嬉しいわ。」


 やっと完成した誕生会の招待状を、ビアトリス嬢はじめ、オリヴァーやエリオットに渡していく。


「前もって聞いていたからね。予定は空けてある。ぜひ参加させてもらうよ。」


 エリオットが、リリから受け取った招待状を確認して、丁寧に鞄にしまう。


「私も、楽しみにしてるのよ。初めて招待客を招いての誕生パーティーでしょう。私も参加出来るなんて、とても光栄だわ。」


 ビアトリス嬢の言葉に、リリも嬉しそうに笑顔を見せた。


「俺も参加予定だけど、セドリック殿下の招待状はないのか?殿下が、こっちを睨んでて、怖いんだけど。」


 オリヴァーが、早く殿下に招待状を渡せと催促する。


「いや…、それが…、まだ…なんだ。」


 セドリック殿下の方をなるべく見ないようにして、オリヴァーに小声で、招待状が無いことを伝える。


「えっ?何?聞こえない。ユーリアス、ほら、こっち見てるぞ。早くしろって」


 オリヴァーが、肘で小突いてくる。でも、無いものは渡せない。どうしようかとリリを見ると、流石の天使も気まずそうに視線をずらす。これは、俺から伝えてと言うことか。


「あぁ、そうですね。殿下への招待状ですよね。えぇーと………………ありません。」


 ピキッと何かが割れる音が一瞬聞こえた。よく見ると、セドリック殿下の後ろの窓ガラスにヒビが入っている。


(ヤバい。かなり怒っていらっしゃる…。)


 セドリック殿下から、何かが漏れでて空気が凍る。

 エリオットもオリヴァーも、殿下の招待状が無いことに驚いて固まっている。

 ビアトリス嬢は、面白そうにクスクスと笑っている。こちらは、殿下の様子に全く笑えない。ちゃんと説明しないと、セドリック殿下も、多分ショックだよな。

 

「ち…違うんです。俺もリリも、勿論、セドリック殿下を招待する予定ですが、ちょっと…その…母親が暴走気味で、色々と説得中なので、もう少しだけ待ってください。」


 そう、セドリック殿下だけ招待状が無いのは、お母様が原因だった。



♢♢♢♢♢♢♢♢



「ねえ、二人とも誕生パーティーの招待客に、コルトブル男爵令嬢の名前が無いけれど、どうして?二人とも彼女と花祭りに参加したのよね?私もぜひ、会ってみたいわ。お母様、彼女に、とても興味があるのよね。」


 アンジュ嬢とは距離を置くと、リリと話してから、一度も彼女に会っていない。

 誕生日にも招待する予定は無かったから、リストにも入れていなかったのに、このままじゃマズイ。


「お母様、確かに、コルトブル男爵令嬢も花祭りに一緒に行きましたけど、それだけです。学園でも会わないので、友人というか、知人くらいなので、招待はしない予定です。」


 そんなに親しくないアピールで、何とか話を終了しようとすると、お母様が小首を傾げて、話を続ける。


「おかしいわね。私は、リリとコルトブル男爵令嬢が友人になって、屋敷にも招いたと聞いたのだけど、違うの?」


 お母様の問いに、思わず口をつぐむ。

 

 お母様は、全て知った上でアンジュ嬢を招こうとしているのか。

 自分の目で見て、彼女が何者か確認するつもりなんだ。

 

「お言葉ですが、お母様。アンジュのことは、ユーリとも話して、少し距離を置くつもりです。だから、招待することは考えていませんよ。」


 リリが、お母様にハッキリ告げるが、お母様も負けじと、言葉を続ける。


「そうは言ってもね。二人に関わることだから、親としては無視できないのよね。だって、精霊の目も誤魔化してしまうなんて、気になるでしょう。だから、これは決定事項よ。コルトブル男爵令嬢も招待すること。いいわね。」


 全く良くない。何か、他に拒否する理由を提示しなければ駄目だ。

 何か、何か無いだろうか。絶対に彼女が来られないようにする理由――。


「そうだ!お母様、セドリック殿下も来るので、きっと彼女も緊張するでしょう。それに、殿下がいるので、警備のこともあるから、よく知らない人を招くのは、今回は止めましょう。」


 いい考えだと思い、セドリック殿下を理由に、アンジュ嬢の招待を諦めるよう説得する。


「そうよ。お母様、セドリック殿下もいるのだし、いつものお友達だけ呼ぶ方がいいと思うわ。」


 リリも俺に同調して、お母様を説得する。


「そうねぇ。それなら、殿下は呼ばなければいいわよ。あなた達が言うように、警護も大変だし、王族を招くなんて恐れ多いわ。それなら、コルトブル男爵令嬢を招待出来るわね。」


「お母様、それは、また別の問題が発生します。今すぐ考え直してください。」


 一応、幼い頃からの友人なのに、セドリック殿下だけ呼ばないなんて、逆に不敬罪で捕まらない?

 それに、俺が殿下なら、仲間外れにされて悲しくて泣いてしまうかも。


 その日、リリと二人で必死に説得しながら、何とかアンジュ嬢を諦めてもらいつつ、セドリック殿下を招待出来るよう話してみたが、お母様の暴走は止まらなかった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

 次も読んでもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。

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