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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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王子様とリリを守る会



 王宮に到着後、リリとは別れて、俺はセドリック殿下の執務室へと案内される。

 執務室には、セドリック殿下とエリオットも同席していた。

 そして、何故か、ルミナとベルもいる。最近、見かけないと思ったら、殿下の所にいたようだ。


「ユーリアス、疲れてるところ悪いね。だけど、早めに伝えた方がいいと思ってね。まずは、座ってくれ。」


 セドリック殿下が、ソファに腰掛けるよう促すので、殿下の向かい側に座る。


「それで、俺を呼び出すと言うことは、例の犯人が分かったのですか?一体誰が、リリを害そうとしたんです。今すぐ、知ってることを話して下さい。」


 早く情報を知りたくて、身を乗り出すと、セドリック殿下が落ち着けとばかりに、苦笑しながら、エリオットから資料を受け取った。


「まあ、話しと言うのは、ユーリアスが考えてるように、最終対決の日に起こった事件について、犯人が特定できた。」


「誰…です?はっきり言って下さい。」


 少しの沈黙の後、セドリック殿下は、思いも寄らない人の名前を口にした。


「コルトブル男爵令嬢だよ。正確には、彼女が計画を立て、実行は別の者が行っている。クランネート伯爵令嬢の剣は、伯爵家の護衛が折ったのが確認できた。所謂、自作自演だね。上手くいけば、リリアーベルを犯人に仕立て上げられる。そして、リリアーベルの剣を入れ換えた犯人だと、疑われないようにする目的もあったようだ。」


 アンジュ嬢が犯人なんて、そんなこと信じられない。あまりの衝撃に、上手く言葉が出てこない。


「何かの……間違いでは…」


「王家の影と、ルミナとベルが確認している。間違いはない。それにね、コルトブル男爵令嬢には、他にも色々と出てきたんだよ。」


 セドリック殿下が、資料を俺の前に差し出す。それを受け取り、内容を読んでいくと、事細かに、従姉の発言やコルトブル男爵令嬢の発言、行動が書かれていた。


 そこには、従姉の前では、リリを悪く言ってたことや、リリに投票したのが他の令嬢だと発言していたこと、俺が従姉を好きなのに、リリのせいで素直になれないと嘘を吹き込んでいたことなど、信じられない事が書かれていた。

 

 リリアーベルは、彼女を信用していたし、お互い友人関係になれて、とても喜んでいた。それが、全て嘘だったというのか。


「ただ、一つ、リリアーベルの剣を入れ替えた者の正体が分からなかった。立案者は、コルトブル男爵令嬢なのは、確かなんだ。でも、影も、ルミナもベルも居たのに、どのタイミングで誰が入れ替えたのか不明なんだよ。あの部屋に侵入者はいなかった。それだけは、分かってるんだ。」


 ルミナとベルの方へ視線を向けると、二人は首を横に振り、悔しそうな顔をする。


「私が部屋の中を見張っていたのよ。でも、怪しい人は誰も来なかったし、居なかったわ。例の彼女も居なかったのよ。」


 どうやら、ルミナは部屋の中で隠れて様子を伺っていたらしいが、怪しい人物は見てないようだった。


「我も、怪しい匂いは直ぐに気づくが、誰もそんな奴は居なかったぞ。」


 ベルも、周囲を警戒していたようだが、怪しい人物は見てないようだ。


「それじゃあ、誰がリリの剣を入れ替えたんだ。」


 独り言のような俺の言葉に、部屋に居る全員が、何も言えずに沈黙する。

 部屋の空気が重く沈む中、セドリック殿下が、話を進めるために、無理矢理まとめに入る。


「もう少し、この件については追加で調査していくから、分かり次第ユーリアスにも伝える。それまで待っていて欲しい。それから、花祭りの件だけど、リリアーベルが行方不明になった件。あれも、もしかしたら、コルトブル男爵令嬢が、関わっている可能性がある。」


 セドリック殿下が、エリオットに視線を移し、話すよう目で伝える。


「リリアーベルが、居なくなったと聞いた時、コルトブル男爵令嬢が、一瞬笑ったのが見えた。どうやったの不明だが、突然人が押し寄せるのも不自然だろう。」


「だが、一瞬笑ったように見えたからって、アンジュ嬢がやったと決めつけるのは…」


 リリが、彼女と嬉しそうに話している姿が脳裏に浮かぶ。アンジュ嬢も、リリと話してる時は嬉しそうだった。あの笑顔を嘘だとは思いたくなかった。


「リリアーベルの友人だから、コルトブル男爵令嬢を信じたい気持ちも分かるが、通りを歩いてる時も不自然なことがあっただろう。よく躓いたり、はぐれそうになった彼女を連れ戻すため、リリアーベルと離れた時もあったな。他にも、気になることは沢山あった。」


 エリオットが、淡々とコルトブル男爵令嬢の違和感を上げていく。

 

「ユーリアス、もしかしたら、コルトブル男爵令嬢の真の狙いは、リリアーベルなのかもしれないよ。可愛い彼女を排除して、私たちに取り入りたいのか、単に傷つけたいだけなのか、それとも両方か…。どちらにしろ、コルトブル男爵令嬢は、リリアーベルの周囲で起こった悪意に関わっている事が分かった。なるべく、接触は避けた方がいいと思うよ。」


 折角できた友人を悪く言われたら、リリは悲しむかもしれない。

 だけど、少しでも疑わしいなら、殿下の言う通り接触は避けるべきだ。


(アンジュ嬢を疑うなんて、リリに嫌われるかもな…俺…)


 やはり、悪役令嬢(仮)(かわいいてんし)とヒロイン(仮)とは合わないって事なのか。

 可能なら、リリが望むように友人関係でいて欲しいが、そんな普通の事が無理なのか。

 

 思わず溜め息を吐きそうになった…、その時、殿下の驚きの言葉に、溜め息も引っ込んだ。


「あっ、そうだ。これも確認したかったんだ。ユーリアスって、もしかして、ヒロインって、何か知ってる?」


 殿下の爆弾発言に、咄嗟に反応して、ルミナとベルに視線を向ける。


 慌ててルミナもベルも、首を横に全力で振る。


 そんな、俺達のやり取りを面白そうにセドリック殿下がじっと見ていた。



ここまで、読んでいただき、ありがとうございます。

 

次は、明日の夜投稿予定です。よろしくお願いします。

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