愛しい人の為に 《アンナマリー視点》
いつも読んでくれる方も、初めての方も、選んで読んでいただき、ありがとうございます。
「どうして、いつもいつも邪魔が入るのよ。リリアーベル、あの女のせいよ。本当に腹が立つわ。」
私とユーリアスの仲を邪魔する女。双子の姉だからと、弟の恋路を邪魔する権利なんてない筈よ。
可哀想なユーリアス。本当は私のことを好きなのに、彼は優しいから姉に遠慮して本心が言えずに苦しんでいるのよ。
折角、新入生歓迎会の今日、彼が素直になれるように、準備をして待っていたのに、全て無駄になったわ。
まさか、リリアーベルが決闘なんて頭の悪いことを提案するとは思わなかった。
しかも、王族まで介入してくるなんて、なんて面倒なの。
確か、セドリック殿下は、あの双子と仲が良かったわね。婚約者のビアトリス様は、リリアーベルの親友だと言っていたし、邪魔者が多すぎるわ。
セドリック殿下は、同じ男性としてユーリアスの気持ちを理解して下さると思ったのに、リリアーベルの提案に乗るなんて信じられない。
嗚呼、ユーリアス。私に会えた嬉しさから体を震わせて、恥ずかしさで私を直視出来ずに視線を逸らしていたわね。
それでも、私の存在を感じたくて、直ぐに私を見つめてきた貴方。
私の美貌に見惚れる気持ちも分かるけれど、歓喜のあまりに叫んでしまうなんて、そんなに私の事が好きなのね。
男性の中には、恥ずかしくて素直になれない人が多いと聞くわ。ユーリアス、貴方もそうでしょう。
だから、私が、貴方が正直に気持ちを吐露できるように助けてあげる。
最終対決は、私が必ず勝ってみせるわ。リリアーベルのような性悪な姉から、私がユーリアスを救ってみせる。
そしたら貴方は、私を抱きしめてくれるわよね。
私とユーリアスの未来のために、私は何がなんでも勝つわ。
「二人とも、必ず私に投票しなさい。裏切ったらどうなるか分かるわよね。」
内密に、二人を呼び出して念のため釘を刺しておく。
リリアーベル側の二人は、絶対にリリアーベルに投票するはずよ。こちらも二人が私に投票すれば、学園長の票で勝負が決まるわ。
学園長は、真面目で堅物な性格。面白いことよりも、真面目で基本に忠実な方が好感が上がるはず。
私の父方は、剣術に秀でた血筋でもあるのよ。テオドール叔父様より劣ると言っても、他家よりは優れているわ。
それに、セドリック殿下には、剣を扱ったことがないと言ったけど、本当は幼い頃に少しだけ教わったことがあるの。
ほんの少し、型を教わったくらいだし、触ったのも木刀だから、剣を扱えないのは嘘ではないわよ。
負ける気なんてないけれど、念には念を…よね。
「私は、絶対に勝ちたいの。ユーリアスの為にもね。だから…あなたたち、分かってるわよね?」
二人を見つめて、ニコリと微笑めば、彼女たちは私を助けてくれるわ。
「アンナマリー様なら、絶対に勝ちますわ。ぜひ、私たち二人に応援させて下さい。」
ガラワルト子爵令嬢が、うっすら笑みを見せ、隣のコルトブル男爵令嬢の肩に左手を添え、同意を求める。
「…っ。」
「ありがとう。二人のお陰で頑張れそうよ。」
最終対決は、3日後。
リリアーベルを倒して、必ず勝利するわ。愛するユーリアス。待っていてね。
次回は、5/2(土)の夜に投稿予定です。
よろしくお願いします。




