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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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新入生歓迎会 ③



 セドリック殿下は、午後から急な公務が入り、嫌々ながらも昼食後に王宮へ戻って行った。

 俺達は予定通り、午後は魔法科の見学へ向かう。


「ねえ、リリ、さっき食事中にね…何か気づいたことある?」


 ルミナが、リリに遠慮がちに問いかける。


「…?特にはなかったよ。どうしたの?何か気になることがあったの?」


「いえ、何もないならいいの。たぶん気のせいね。気にしないで。」

 

 ルミナは、それ以上何も言わず、黙ってみんなの後をついていった。


 


 魔法科の見学場所は、学園の庭園で行われていた。

 主に、魔法を使ったパフォーマンスと、魔道具の展示スペースに別れている。


「リリは、何が見たい?」


 目を輝かせながら、キョロキョロと忙しなく視線を動かして興味津々なリリ。


「あっちから歓声が聞こえるよ。見に行きたい。」


 視線の先には、大勢の人だかりが出来ていた。魔法を使って何かをしているようだ。


 残念ながら人が多すぎて先に進めず、何をしているか見ることが出来ない。

 俺達より背の低いリリは、一生懸命にピョコピョコ飛び上がって、少しでも見えないかと頑張っていた。その姿がまるで小さな可愛いウサギみたいで、思わず抱き締めたくなる。


「リリ、俺が抱き…」


 ''俺が抱き上げようか''と言い終る前に、ひょいとリリの体が持ち上がる。


「ひゃあ!」

 

 可愛い驚いた声が、かなり高い位置から聞こえる。


「これなら見えるだろう。」


 リヒトが軽々とリリを抱き上げて、自分の肩に座らせた。見上げると、リリの顔は真っ赤だ。

 

「み…見えるけど、流石に恥ずかしいよ。今すぐ下ろしてリヒト。」


「恥ずかしくない。俺の国では、こういう時は肩に乗せるのが常識だ。」


 それって、親が子供を肩車するやつじゃないの。前世でも、お父さんが子供を肩車してるの見たことあるよ。決して、年頃の令嬢を肩に乗せるのは、常識とは言わないだろう。


「そんな常識初めて聞いたぞ。それより、俺の方が先に抱き上げようとしたのに、交替しろリヒト。」


「いや、ユーリアスより俺の方が背が高いから、俺が適任だ。」


 確かに俺の方が背が低いから、それを言われてしまうと何も言えない。


「もう二人とも、肩に乗るのも抱き上げられるのも、どっちも私が恥ずかしいよ。それに、リヒト…ちょっと高くて怖い。」


「俺が支えているから大丈夫だよ。怖かったらこっち掴まえてて、俺に凭れていいよ。」


 リヒトが、リリの腰に手を添えて落ちないようにと支える。リリは安定さを求めるように、言われるままにリヒトのシャツの後ろ襟を掴まえる。

 リヒトの態度に、何だか面白くない。普段は、一歩ひいて俺達の事を見ているだけなのに、たまに予想外の事をしてくるから、油断ならない男だ。


「リリアーベルの事は、絶対に落とさないから、安心して。ほら、前を見てごらん」


 恥ずかしがってたリリも、目の前の光景に目を奪われ、恥ずかしさも吹き飛んだようだ。


「凄い!土の人形が踊ってる。炎で絵を描いてるわ。あれは水魔法で虹を作ったのね。綺麗だわ。これって建国物語を魔法で見せているのね。」


「劇みたいなもの?魔法で作った物が演じているの?」


 全ては見えないけれど、炎や虹は何とか見える。幼い頃読んだ絵本の建国物語を魔法で再現しているようだ。


「小さい頃、よく二人で絵本読んだな。懐かしいねユーリ。」


「そうだね。懐かしい。僕達のお気に入りだったね。」


 懐かしさに胸が熱くなりながら、思いの外、魔法科見学は最後まで楽しく終えることが出来た。


 


♢♢♢♢♢♢


《??????》


 

 ユーリアスなんて素敵なの。


 久しぶりに見た貴方は、幼い頃よりも顔つきが大人になって、何倍も美しく素敵になっていたわ。


 それに、とても強くて格好いい。騎士科の試合では、あっという間に相手を倒してしまった。

 きっと、私を守るために強くなったのね。そんな貴方に守られる私は、やっぱり貴方のお姫様かしら。


 ああ、早く貴方の所に飛んでいきたい。貴方も早く私に会いたいわよね。

 

 私たちは、周りに邪魔されて仲を裂かれてしまった。特に、あのリリアーベルは邪魔ね。今日も、ずっとユーリアスの傍に居て、本当に昔から忌々しい。


 でも、もうすぐよ。


 明日になれば、二人は再会できる。


 貴方は、私を見てどんな顔をするかしら。驚くかしら、それとも喜びで涙する?


 突然、抱きつかれたらどうしよう。


 ああ、ユーリアス。私の王子様。


 明日は、二人にとっての特別な日にしましょうね。


 

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。



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