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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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ヒロイン?と物語の始まり?



「…ちょっとユーリ!なになに?どうしたの?ちょっと待って!」


 突然、走り出した俺を見て、ルミナが大声で呼び止める。


 食堂を出て、校舎に続く廊下も確認するが、すでに誰も居なかった。

 チラッとしか見えなかったが、あれは…あの色は、絶対にピンク色をしていた。


 ピンク髪とピンクの瞳は、ヒロインの特徴だと親友は言っていた。瞳の色は見ていないが、もしも瞳の色も同じ色なら…ヒロインの可能性が高い。


 どうして忘れていたんだ。ヒロインの特徴は、とても大事な情報なのに…。


 ヒロイン色をした女生徒が居たと言うことは、この世界はやはり…何かしらの物語の世界。


 ルミナやベルが活動開始を宣言した途端、ヒロイン(らしい人)が見つかるなんて、タイミングが良すぎる。

 

 きっと、これは…偶然ではない。


 すでに、物語は始まっている。……のかもしれない。


「ユーリ、急にどうしたんだ。何かあったのか?はっ…もしかして、敵か?敵がいたのか?ヴゥゥ。」


 ベルが、鼻をヒクヒクさせて唸っている。


「そうだ。ベルなら匂いで追えるかもしれない。ピンク髪の女の子を探して欲しいんだ。多分、あっちの方に行ったと思う。」


「よし、我に任せておけ。ピンク髪の女だな。フンフン…フンフン…。」


 ベルが地面の匂いを嗅ぎながら、廊下を曲がって校舎の中に入っていく。

 流石だ。フェンリルは鼻が利く。匂いを辿って、あっという間に、ベルは見えなくなってしまった。


「ねえ、ユーリ。そのピンクの女がどうしたの?」


 食堂に残されたルミナが、ニョロニョロとゆっくりとした動きで、俺の傍まで近づくと、リリにするのと同じように、俺の首に巻き付く。


「多分、ヒロインだと思うんだ。」


「…ヒロイン?それは、何だったかしら?」


 ルミナが、頭を傾げて舌をチロチロ出しながら考え込む。


「ヒロインは、乙女ゲームや恋愛小説に出てくる女性主人公のことだよ。ヒロインの容姿の特徴が、ピンク髪とピンク色の瞳なんだ。さっき見た子が、瞳の色は分からないけど、髪色はピンクだったんだ。きっとヒロインだよ。」


 ルミナが、また考え込む。


「それじゃあ、乙女げえむが始まるのね。コウリャクタイショウもいるし、やっぱり早いとこ、リリを保護するように動いておかなきゃダメね。」


「…?」


 俺の不思議そうな顔を見て、ルミナが呆れた顔で、忘れたかった現実を思い出させてくれた。


「コウリャクタイショウいたでしょ。あの二人のこと忘れたの?王子様と魔族の二人よ。」


「……うう…。そうでした。そんな話ししてたな。別に忘れたままでよかったんだけど。」


 ジト目で俺を見ながら、尻尾で頭をペシペシ叩かれる。


「もう!別に、リリがあの二人を恋愛的に好きなわけじゃないでしょ。リリのために、しっかり対策を考えなさいよ。」


 尻尾に力が込められて、高速でペシペシと叩かれる。地味に痛い。


「わかった。わかったから、落ち着いてルミナ。そうだな、本当にあの二人がリリを好きなら………これからどうなるんだろう?普通なら攻略対象は、ヒロインに惹かれていって、婚約者とか恋人が邪魔になるんじゃないか?」


「それなら、セドリックの婚約者のビアトリスが邪魔者になるわけ?リリは関係ないじゃない。」


 今のリリは、ただの友人だよな。友人だと恋愛に発展しないから、ヒロインの邪魔にならない?でも、二人が本当にリリを好きならヒロインからは邪魔だよな。

 えっと、なんだっけ?何かが…引っ掛かる。何か、大事なこと忘れてる?


「今のままなら、リリは悪役令嬢にならないわね。ヒロインを虐げる理由がないもの。」


 優しいリリが、人を傷つけるなんて出来る筈がない。それに、そんな事する理由もない…。


「そうだよ。理由はない!でも、無いなら作ればいい。ヒロインが攻略対象を手に入れるため、可愛いリリに冤罪をかけて悪役にして心を手に入れようとするかも。もし、ヒロインも転生者でゲームの内容を知っていたら、リリを悪役令嬢にするなんて簡単だと思う。」


 親友が言っていた。ヒロインが転生者は、よくある話で、そう言う場合は大抵、性格が最悪なヒロインだと。


「ルミナ、ヒロインが転生者ならリリやビアトリス嬢が危ない。まずはヒロインを見つけて、どんな人物か、転生者ではないか確認してみよう。」


「わかったわ。それにしても、ベルはどこまで行ったのかしら。遅いわね。」


「そういえば、そうだな。どこまで追いかけて行ったんだ?」


 ルミナと二人でベルを探しに行こうかと相談していると、ベルが項垂れた状態で帰ってきた。


「ベル遅かったね。ヒロインの居場所はわかった?」


 頭を下げたまま、クゥーンと悲しそうな声を上げるベル。


「ユーリすまない。実は…。」


 一体何があったのかと不安に思っていると、ベルが申し訳無さそうに体を丸めた。


「実は、ピンク髪の女の匂いが分からないから、探せなかった。すまん。」


 一瞬、意味が分からなかったが、すぐに納得した。確かにベルは、会ったことも見たこともない人間の匂いが分かる筈がない。

 

「いや、そうだよな。相手の匂いが分からないのに探しようがないよな。俺の方こそごめん。」


「呆れちゃう。二人とも今日は中身が残念ね。ポンコツ過ぎるわ。」


「クゥーン…」


 ルミナに呆れられ、俺もベルも自分の馬鹿さ加減に恥ずかしくなる。

 鼻が利いても、匂いが分からないと探しようがないのは当たり前だ。


「あなた達、げえむが始まるのに、それじゃあリリを守れないわよ。しっかりしてよね。」


「本当にすまない。次こそは役に立つぞ。」


「俺も、気持ち切り替えてヒロイン探し頑張るよ。」


 ヒロインを見つけること。まずは、それが最優先。

 この世界は、色んな髪色の人がいるけれど、ピンク髪はいない。とても珍しい色だ。きっと、ピンクはヒロインを目立たせる為の色なのだろう。


 だから、きっと、すぐに見つかるはず。




♢♢♢♢♢♢♢


《??????》


 嗚呼、やっと、やっとこの時がきたわ。ずっと、貴方が入学するのを待っていたの。


 幼い頃のあの日から、あなたに会える機会を探していた。

 

 貴方も幼かったから、私と会うのが恥ずかしかったのよね。それなのに、そんな貴方の気持ちに気づかなくて、積極的になりすぎてしまったのよね。それで、貴方と会えなくなるなんて酷いわ。

 

 でも、もう大丈夫よ。


学園の中では、誰にも邪魔されず貴方に会えるわ。


 嗚呼、私の愛しい人。早く会いたいわ。


 待っていてね。ユーリアス。私の王子様。

 


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


次は、日曜日の夜に投稿予定です。


よろしくお願いします。

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