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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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可愛い姉はお姉さんと思われたい②



「リリ、ユーリが迎えに来たよ。そろそろ終わりにしよう。さすがの俺も疲れたよ。」


 魔法塔のリリの研究室に迎えに行くと居なかったので、実験部屋に向かった。

 そこでは、リリとリック兄様が発明した魔道具のテストや魔法のテストをしている。

 今も、魔法で作り出した人形(まと)でテストしている途中だった。

 放課後に話していた人形(まと)を本当に作り上げていたんだな。

 実験では、結構な攻撃魔法を使ったみたいで、リリはスッキリした顔で機嫌も戻ったみたいだ。


「その顔は、実験は上手くいったみたいだね。」


 俺が、リリに向かってそう言うと、リリは口より先にキラッキラの笑顔で答えてくれる。


「とても、頑丈な人形(まと)が出来たわ。あとは人形が動かせたら、騎士団の訓練にも使いやすくなるわ。もっと改良して良いものにしていくわよ。」


 また作業を続行しようとするリリを、リック兄様が止める。


「わかったから、今日はもう終わり。折角ユーリが迎えに来たんだから、早く帰りなさい。」


「そうだったわ。ユーリごめんね。もう少し待っていて、すぐ片付けるわ。」


 魔法の事になると時間も忘れてしまうから、リリには困ったものだ。


 不適な笑みで、人形(まと)を作ると言った時は、堕天使リリが降臨したと不安になったが、単純に騎士団の依頼だったようだ。

 ついでに、ストレス解消もしてたんだろうな。俺としては、リリの機嫌が戻るなら全く問題ない。堕天使リリも普通の天使なリリも最高に可愛いのだから。


「そういえば、リリの楽しい噂を耳にしたんだけど、リリが最近荒れているのは、その噂が原因かい?」


 リック兄様の言葉に、リリがピクリと反応した。片付けの手は止めないで、いつもよりも低めの声でリリが話しかけてきた。


「リック兄様も、私が小さい子供に見えるの?」


 ピリッとリリの体から制御できない魔力が漏れでる。


「そうだね。俺から見たらリリもユーリも、まだまだ子供かな。」


「へっ?私だけじゃなくて、ユーリも子供に見えるの?」


 リリが手を止めて、リック兄様の方へ振り返る。


「二人とも、まだまだ子供だよ。リリは見た目で判断されて、嫌な思いをしたみたいだけど、俺から見れば二人とも子供だよ。」


 リック兄様の言葉に、そうじゃないと首を横に振る。


「違うよ。そういう意味じゃなくて、私は初等部の子って言われたの。」


 リリが俯いて、唇を噛み締める。


「リリは童顔だからな、幼く見えるのも仕方ない。そうか、小さい子と思われて恥ずかしかったのか。」


 リリが真っ赤になって、更に俯いて小さくなった。


「えっ?どういうこと?リリは小さい子扱いされたり、言われたりするのが嫌で不機嫌だったんじゃないの?」


 リリが、再び首を横に振る。


「…だって、他人からは私が小さい子に見えてるなんて知らなくて…。自分では、しっかりしたお姉さんだと思ってたのに…みんなには、そう見えてなかったなんて…お姉さんぶって偉そうにしてたのに……」


 真っ赤な顔を両手で覆い、小さく丸まってしまった。


「つまり?単純に小さい子供に見られて恥ずかしかっただけで、嫌だとか怒ってるわけではなかった?」


「そういうことだね。ユーリでもリリの事で分からないこともあるんだね。」


 リック兄様が、ケラケラ笑って楽しそうに俺を見る。その様子を見て、リリが抗議する。


「もう、笑わないでよ。恥ずかしく思うのは普通でしょ。だって、初等部だよ。学園に通える年齢なのに初等部の子と間違われるなんて、私はお姉さんに見えてると思ってたのに…もう!」


 今ならわかる。赤く染まる顔が怒ってるわけではなく、恥ずかしさで堪えられないことを誤魔化すために不機嫌に見えてること。


「…何それ。可愛すぎるだろ俺の姉は…。」


「うわぁ。出たよ。ユーリのシスコンは相変わらずだな。まぁ、君たち双子が可愛い過ぎるのは認めるけどさ。」


「…リック兄様も、叔父バカだよね。」


 俺とリック兄様がお互いに笑い始めると、リリが顔を上げて、横目で俺たちを見ている。


「リリは、外見が幼く見えるかもしれないけど、内面はちゃんと成長しているだろう。何も知らない人は外見で判断するしかないから勘違いもするけど、リリの事を知ってる人は、リリが自分磨きを怠ることなく努力していることを知っている。ちゃんと頼りになるユーリのお姉さんだと思っているよ。初等部なんてとんでもない。俺には立派なレディにしか見えないよ。」


 リック兄様の言葉に、リリの表情に少しずつ輝きが増していく。


「そうだよ。俺やお父様やお母様だけじゃなくて、屋敷のみんなも、ビアトリス嬢達だって、リリの事を見てきた人は立派な淑女だと思っているよ。」


 力強く言った俺の言葉を聞いて、更にリリの表情は明るく輝きが増す。


「俺は、ずっとリリの事を頼りになる姉だと思っているし、リリが姉で良かったと心の底から思っているよ。」


「そう…なの?ユーリは、私が頼りになるお姉さんだと思ってる。そう…だよね。私はお姉さんだもんね。」


 リリが嬉しそうに笑って、背筋を伸ばす。リリの輝きが増して、いつものように天使降臨。


「やっぱり俺の姉が最強だよ。」


「私は、これからもユーリのお姉さんだから、もう何を言われても平気よ。だから、いつでもお姉さんに頼りなさい。」


 自信が戻ってきたリリは、いつものリリで、内面の美しさが影響して眩しく見える。全く、どれだけ綺麗で可愛くなれば気が済むんだ。

 他の奴らが、見た目の幼さに騙されて、リリの美しさに気づかずにいてくれたら、俺としては心穏やかに学園生活を送ることが出来るんだけどな。 



 それから、家に帰るまでリリは御機嫌だった。


「あら、今日のリリは素敵な笑顔ね。何か良いことがあったの?」


 家に帰ると、ルミナがリリの肩に飛び乗り、首に巻きついてリリの顔を覗き込む。


「確かに、何だか嬉しそうだな。」


 ベルも、リリの足元をクルクル回ってじゃれている。


「そうね。嬉しいことがあったかな。」


 リリが二人の頭を撫でると、二人も嬉しそうに頬擦りしたり尻尾を振っている。


「二人共おかえり。やっぱり、リリアーベルが笑顔だと、自然とみんなが笑顔になるな。」


 リヒトが出迎えながら、リリの表情の変化に気づいて、こっちも嬉しそうだ。


「へへ、私はしっかり者のお姉さんだから、何を言われても、もう平気なの。ねえ、ユーリ。」


「うん。リリは、いつまでも俺の自慢の姉だよ。」


 その言葉に、照れつつも嬉しそうに笑うリリは、最高に可愛かった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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