表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/66

セドリック・オーキナンド

読んでいただき、ありがとうございます。



 5歳の時、国王である父より呼び出され、ゴルドリッチ家の双子と親しくなるよう言われた。


(最近、騒がれている有名な双子か…)


 双子の姉は魔法を、弟は剣を、それぞれに才能を発揮し、容姿の事も相まって噂になっていた。


「いいか、セドリック。何としても双子と、特に姉の方と親しくなるのだ。いずれ婚約者にと考えているが、あそこは権力にも地位にも興味がないからな。婚約の打診をしても断られる。まずは、彼女がお前に好意を持つよう、何としても親しくなるのだ。くれぐれも、精霊とフェンリルの機嫌は損ねるなよ。」


「お任せください。父上。」


 目的は、精霊とフェンリルの強大な力と、噂の双子を取り込むことで、王家の威厳を取り戻すつもりか。


 何代か前の王家の者達が、真実の愛を理由に冤罪で婚約者を貶め、婚約破棄する事件が続いた。そのため、王家への信頼は地に落ち、大事な娘を守るため、王族に嫁がせようとする家も減った。

 娘を差し出すのは、野心家でお金や権力にしか興味のない家か、娘が王子に懸想して自ら望むかのどちらかだ。


 ゴルドリッチ家は、優秀な者が多く人望も厚い。こちら側につければ、王家の力も強固になるだろう。

 しかし、あの家は、お金や権力よりも家族を大切にしている。家族が望まないことはしないだろう。しかも、精霊やフェンリルがついているから、下手なことをして彼らを敵に回すと国が滅びるかもしれない。


 何としても、彼女に僕を好きになってもらわなければ…まぁ、勝算はある。


 王族は、見目の良い者が多い。僕も、容姿は優れている。

 見た目に惹かれなくても、相手に合わせるくらい常にやっていることだ。

 相手の好みに合わせて、理想の王子を演じるくらい造作もない。

 女の子一人、夢中にさせるくらい簡単だろう。



♢♢♢♢♢♢♢



 お茶会当日。


 目の前に現れた双子は、確かに綺麗な顔立ちで、噂になるのも分かる気がした。


 姉の名前は、リリアーベルといい、笑顔の可愛い女の子だった。

 傍には、常に精霊とフェンリルがついており、弟が姉の世話を焼いている。家族仲がいいのも噂通りか。


 僕は、早速リリアーベル嬢に話しかけた。好感度を上げるため、彼女自身を褒め仲良くなる機会を探る。


 少し焦りすぎて、精霊やフェンリルの怒りを買ってしまったが、リリアーベル嬢に宥められ、何とかその場は収まった。


 それにしても、全く彼女の態度が変わらない。今までこんなことはなかった。

 僕に話しかけられると、女の子は顔を真っ赤にして恥ずかしそうに視線を外す。

 5歳の女の子なんて、褒めるだけで喜んで、こちらに好意を向けてくる。

 それなのに、リリアーベル嬢は、僕が話しかけたから返事を返してるだけで、僕に興味はないようだった。

 

 それどころか、ビアトリス嬢と話してる時が楽しそうで、何なら顔も真っ赤にしている。何故だ。納得いかない。こんなこと初めてだ。

 

 簡単だと思っていたが、彼女は他の女の子とは違う。別の攻め方をしないと、何も成果がないままお茶会が終わってしまいそうだ。

 軌道修正して、取り合えず友人関係を目指そう。


 何とか会話を誘導して、屋敷へ招待してもらう約束を取り付けた。

 こんなに気を使った会話は初めてだ。何度か表情が保てず、作り笑いが崩れそうになった。


 ただの可愛らしい女の子に見えるから、僕の見た目と優しく話しかければ簡単に好きになってもらえると思っていた。

 でも、彼女はそんな見せかけに騙されない。


 リリアーベル嬢が、好きになる人は一体どんな人だろう。

 自分から異性に興味を持ったのは初めての事だった。

 

 僕は、彼女が好きになる人に、とても興味が湧いた。そして、出来ることなら、その好きな人に、僕は…選ばれてみたい。


 まずは、彼女の事を知っていこう。


 お茶会の後に、友人として会いに行きたいと、彼女に手紙を出した。

 すぐに、屋敷への招待を受けた。手土産にお菓子と花束を持っていった。

 花束よりも、お菓子を受け取る時の声が、ワントーン高くなり、瞳がきらきらと輝き笑顔も明るく見える。

 

 リリアーベル嬢は、花よりお菓子を好む。


 また一つ、彼女の事がわかった。次からは、お菓子をたくさん持っていこう。


 もう一つ分かったことは、魔法が好きだということだ。

 

 魔法を使う時の彼女は、本当に楽しそうに笑う。その笑顔をずっと見ていたくて、リリアーベル嬢の魔法の授業に参加させてもらった。


 最初は、授業の参加を反対されたが、大好きなお菓子と交換条件で月に3回一緒に魔法を学べることになった。

 しかも、教師はあのヘンリック様だ。最年少で魔法師団副団長に抜擢された天才だ。

 僕は、ヘンリック様に憧れていたので、彼から学べる喜びに、リリアーベル嬢のことも忘れて、魔法に夢中になることもあった。

 

 授業終了と共に目的を思い出し、慌ててリリアーベル嬢を追いかけると、満面の笑みで「楽しかったですね」と言われて、なぜか恥ずかしさで一気に熱がこもる。

 リリアーベル嬢といると、上手く演技が出来ない時があって困ってしまう。


 一緒に魔法を教わる中で、リリアーベル嬢が、魔法研究にも力を入れていることが分かった。「新しい魔法を作って、それが誰かの役に立つなら嬉しいの」と言って笑う彼女が眩しかった。彼女は他人の為に頑張れる人なんだ。


 また一つ彼女の事がわかった。


 彼女の事を知っていく程、もっともっと知りたくなる。

 僕は、王族として将来の国王として、国のために民のためにと教育を受けている。

 

 リリアーベル嬢の誰かの為に頑張る気持ちや、人を思う気持ちは、国を支えるものとして必要な資質ではないか。


 彼女の隣は、とても居心地がいい。飾る必要がないから、素の自分でいられる。

 彼女の前で作り笑いをしなくなったのは、いつからだろう。それでも、彼女の態度は変わらない。

 一生を共にするならば、リリアーベル嬢がいい。彼女と共にありたい。


 それでも、婚約者にと望めば彼女は離れてしまうかもしれない。

 

 それだけは、嫌だった。


 だから、ビアトリス嬢との婚約打診を受けた。王族は、幼い頃に婚約者が決まることも多い。優秀な相手と婚約するには、早い方がいいからだ。

 父上は、初め難色を示したが、仮婚約の事を伝えると了承してくれた。

 

 お互い納得の条件付きの仮婚約。


【条件、学園の卒業時に好きな人がいなければ、そのまま結婚する。

 どちらかが、好きな人と結ばれた時点で婚約は白紙に戻す。

 好きな人と結ばれない場合も婚約は続行でそのまま結婚する。】


 ビアトリス嬢にも何やら考えがあるようで、私の提案に了承して、仮婚約を結んでくれた。


 リリアーベル嬢は、友人の婚約者に懸想するような女性ではないと思うが、気づいたら落ちているのが恋だ。


 彼女が僕を好きなってくれたら、あとは簡単だ。


 これからも、彼女の事を知りながら、彼女に好きになってもらうよう努力しよう。   





 初めて彼女に会ってから10年が経ち、僕たちも15歳になった。


 相変わらず、彼女とは友人関係のままだが、彼女が色恋に鈍いのは分かりきったこと。

 彼女を想う者が多いのは困った事だが、その誰の気持ちにも気づいてないので、問題ない。


 もうすぐ学園の入学式。


 初めて欲しいと望んだ女の子。絶対に誰にも渡したくない。

 友人だけでは、もう我慢できない。必ず君を手に入れる。


 だから、覚悟して僕に攻略されてね。リリアーベル。

 

明日も夜に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ