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最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


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小さなお茶会



「ユーリ、このケーキすごく美味しいね。やっぱり王宮のスイーツは全然違う。はぁ…幸せ。」

 

 隣に座っている僕に小声で囁くリリ。


「そうだね。家で食べるものと違うね。あっ、リリ口元にクリームが付いてるよ。」


 僕が、クリームを拭き取るより早く、ベルがペロッとリリの口元に付いたクリームを舐めた。


「ちょっとベル。私はお姉さんになったんだから、自分できちんと出来るわ。」


「そうか。すまんな。」


 顔を真っ赤にして、照れるリリも可愛い。

大好きなスイーツを目の前に、嬉しそうなリリを見ていると、お茶会への参加も少しだけ良かったなと思える。


 とにかく、ケーキを美味しそうに食べるリリはマジ天使。


「フフ、リリアーベル様は、本当に可愛らしい方ですね。ユーリアス様との姉弟仲も良くて羨ましいですわ。」


 僕達のやり取りを見て、ビアトリス公爵令嬢が羨ましそうに目を細めて微笑んでいる。リリを見る目は優しい目をしていて、この令嬢は悪い人では無さそうだ。


 今、僕たち家族は、王宮の中にある立派な庭園でお茶会の真っ最中だ。


 参加者は僕達の家族を除くと、第一王子殿下に、子息が2人に令嬢は先程のビアトリス公爵令嬢一人だけ。思ったよりも少人数でのお茶会だったのには驚いた。

 王宮のお茶会ともなると、人数も多いと思っていたが、今回は僕たち双子に配慮したと言うのは本当のようだ。


「私から見れば、ビアトリス様が綺麗で眩しく見えますよ。本当に綺麗。同じ5歳なんて信じられないわ。憧れます。」


「まぁ、こんなに可愛らしく言われたら、私も嬉しくて照れてしまいますわ。」


 リリが頬を染めて、ビアトリス公爵令嬢を見つめている。

 ビアトリス公爵令嬢も、リリの言葉に本気で嬉しそうで、口角が上がりっぱなしだ。

 

 確かに、洗練された所作は素晴らしく、僕も安心してこの場に居られる。


 過去の出来事のせいで、すっかり女が苦手になり、ギャンギャンうるさい女は特に嫌いだ。その点、ビアトリス公爵令嬢は、落ち着いていて騒がないので、僕の心は穏やかだ。


「リリアーベル嬢の所作も綺麗で素敵だよ。きっと沢山練習したんだろうね。私は作法の授業がつまらなくて苦手なんだ。何か楽しく出来る方法があれば教えてくれないかな?」


 セドリック殿下が、リリに話しかけた。僕の心は、一瞬で嵐のように乱される。


「そうですね。私の場合は、ルミナやベルが手伝ってくれるので、誰かと一緒だと楽しいかもしれません。」


「そうなのか。精霊様とフェンリル様と一緒に学べるとは、とても楽しそうだね。ぜひ私も一緒に参加したいな。どうかな?」


 セドリック殿下の発言に周りがザワつく。

いやいや、何言ってんのかな?この王子さまは、本当にもう!


 阻止一択!僕は、メンバー二人に静かに視線を送る。


「ヴゥ、我と一緒に学ぶだと?調子に乗るなよ。身の程を知れ!」


「そうよ。何故お前のようなただの人間に、リリとの時間を邪魔されないといけないの。不愉快よ。」


 ピリッとした空気に、護衛騎士たちが、すかさず王子殿下の所へ移動し守りの姿勢を見せる。それを、殿下が手で制した。


「それは、すみませんでした。精霊様、フェンリル様。お二人とリリアーベル嬢との時間を邪魔するつもりは無かったのです。お詫びします。」


 セドリック殿下が頭を下げると、護衛騎士やお茶会参加者たちも驚愕する。


「えっ!頭を上げてください殿下!もう、二人ともダメよ。みんな仲良くねっていつも言ってるでしょう。」


「…ちょっと言いすぎた。次は気を付ける。」


「もう、リリが言うなら何も言わないわ。」


「謝罪を受け入れて下さり感謝します。さすが精霊様とフェンリル様は懐が深い。」


 王族が簡単に頭を下げるなんて、この王子は油断ならない。さっきから、笑顔を見せたり謝ってる様に見えるけど、目は笑ってないし、感情が見えない。何を考えているんだ。


「殿下、ベルとルミナがすみません。いつもはあんなこと言わないのですが、初めてのお茶会に緊張してるのかな。」


「二人ともリリが大好きだから、リリとの時間を取られると嫉妬しちゃったのかもね。」


 リリに怒られて、本気でヘコんでる二人の為に、フォローしておこう。


「もう、二人ともそんなこと心配しなくても大丈夫なのに、私も怒ったりしてごめんね。」


 いつものように、仲直りのハグをする三人。すっかりここがお茶会の場で有ることを忘れている。


「本当に仲が良くて羨ましい。私もこんなに仲が良い友人が欲しいと思っているのですが、どうしたらそんなに仲良くなれるのですか?」


 あっ、その質問をリリにするのは危険だ。誰か…ベル!…は、リリにモフモフされて犬コロになってるし、ルミナ!…も、リリに頬擦りしてデレデレだ。ここは、僕が上手く返して、話を逸らさないと…と思った時には、リリがニッコリと微笑んで先に答えてしまった。


「仲良しに見えるなら嬉しいです。今日はお茶会に参加して皆さんと知り合えて、私は良いお友達になりたいと思いましたよ。楽しくお話しできて、すでに皆さんとは仲良しです。」


「プッ、すでに仲良しって殿下に向かってそんなこと言う令嬢が居るなんて、すごいな君」


 黙って聞いていた侯爵子息のエリオットが、突然吹き出して面白そうにリリを見た。


「本当にな。おい!みんなの中には俺も入っているのか?」


 公爵令息のオリヴァーも、少し笑ってリリに向かって可笑しそうに聞いてきた。

 

「もちろんです。お友達になるためのお茶会でしょう?私は…その…ビアトリス様と、お話しできて、すごく嬉しいです。これからも、私と仲良くしてくれたら嬉しいです。」


「私も貴方とは仲良くなりたいわ。次は、私のお茶会にもぜひ来て欲しいわ。」


 ビアトリス公爵令嬢とリリがお互い手を差し出し握手する。


「二人だけ特別仲良くなってズルいな。私も友人が欲しいと言ったろ?私も仲間にいれてくれ。」


「そうでした。もちろん殿下も友達ですよ。」


「フフ、ありがとう。それじゃあ、お友達になった事だし、今度ゴルドリッチ家に招待してくれる?」


「良いですよ。ぜひ、いらしてください。」


 あぁぁ、待ってと僕が言葉を挟む前にリリが了承してしまった。

 殿下は「嬉しいよ」と言いつつも、相変わらず作り笑いで本心が見えない顔でリリを見ている。


「リリアーベル嬢が招待してくれるなら、寛大な心の持ち主の精霊様とフェンリル様も許してくれるだろうね。」


 ルミナもベルも、リリに仲良くするよう言われたばかりだし、王子の謝罪を受け入れたので、これ以上何も言えない。


「ユーリ、今日は楽しめて来て良かったね。お友達もたくさん出来たよ。」


「…うん。そう…だね。」


 こうして、リリを守る会の初任務は微妙な感じで幕を閉じた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


明日は21時以降の投稿になると思います。

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